丹沢・笹子沢左俣


5月24日(金)快晴。
今日は笹子沢の左俣を詰めて見ようと思う。
善波トンネル先から見る富士山の姿は、大分雪解けが進んできたようだ。
丹沢湖の水位は満水状態、笹子橋を渡り、車が止められそうな場所を探す。
足柄荘方面に降り、道路が広くなった場所に路駐した。
仕度をし、橋横からの林道を歩く。
真ん中が鉄柱で抜けた堰堤からが、笹子沢の遡行始まりだ。
気温が高いので、水の中の歩きが気持ちいい。透き通るような水の流れもいい感じだ。
前に二股まで行った記憶があるが、途中の状況はほとんど覚えていない。

以外と滑が多く、周囲の苔も綺麗だ。丹沢ではあまり苔が付いている沢はないので、新鮮な感じがする。
ゆっくり、流入する窪などを眺めながらのんびり歩く。
最初の二俣のような場所に着くが、左の沢には水流がない、ここは迷わず右だ。
少し沢が狭まり、二段・3Mの滑滝が出てきた。
周囲に付く苔が美しい、ここで初のカメラを取り出す。
ここを登ると、すぐに滝がある二股だった。
右俣の大滝周辺は大分様相が変わった。
以前、陰相で全体の写真を撮れる位置があまり無かったが、今は開け明るくなった。
周囲の木が大分無くなった気がする。滝の落ち方も変わった感じだ。
以前はすっきりした直瀑で幅は広くなかったが、現在の姿は滑るように落ち、下部は幅広になっている。
落ち口の岩が少し落ちたようだ。滝壺も石がつまり、大分落差が無くなったように見える。
今はどうみても15Mの滝である。左俣の滝は、あまり変わっていないようだ。

さあ、左俣へ進もう。
水のない左のルンゼを登る。簡単に落ち口へ出られたはずだが、上部のトラバース地点が以前より、いやらしくなった。
楽に行けたと思ったが、足場を慎重に進め、落ち口に立つ。
左俣のF2の前に出る。赤いレンゲツツジが花を添えていた。
ここまでは、以前来たことがある、ここから先は未知の世界だ。
さぁー、この巻きはどっちだ。左右とも巻けそうだが、左は上部でも傾斜がありきつそうだ。
ここは安全をきして、右から大きく巻いて登る。
以前、F2は10Mの滝として見ていたが、上部の滑部分を含めると12Mくらいありそうだ。
落ち口に立ってみると、右の巻きがやはり正解、左は落ち口に出るのも苦しい。
さらに連瀑が続いている。この滝の撮影は難しい。眺められる場所がない。

まずは深い釜を突っ張りして突破、連瀑の前に立つ。2Mと5Mの滝が落ちている。
スラブの滝がコップ状で落ちているので、ここからの脱出もなかなか大変だ。
右に上がり、手を伸ばして片手で上部の滝を撮影、それから巻いて登る。
この上は開けて明るくなる。少し歩くとまた滝が見えてきた。
F4・6Mの滝だ、この滝は右から小さく、簡単に巻きあがれる。
この滝の上でほとんどの水流は、岩を割った湧き水になっていた。上流はもうチョロチョロの流れだ。
階段上の滑滝が続くが、もう、いい滝の姿は望めそうもないので、左の尾根への脱出を考える。
適当な窪を選び、植林帯へ逃げた。少し登ると、水平道の仕事道に出る。
うまくいけば二本杉峠へ出られそうな感じがしたので、少し歩いてみたが、沢の源頭付近になると、抜けて落ちている。
しょうがないので、上の尾根を目指し、植林帯を登る。

途中には、結構ミツマタの木があった。尾根に出ると屏風岩山への登山道だ。
左俣を素直に詰めると毛出シ峠付近だが、出たところは、二本杉峠との中間点付近だろう。
時々出てくる二本杉峠への道標をみながら尾根道を下る。
峠のベンチで一息、丁度権現山から夫婦の登山者が降りてきたところだった。
靴のゴミを払っていたら、ジャージーに小さな蛭が付いているのを見つけた。
被害は無かったがどの辺で付いたのだろうか。
西丹沢を歩いていて蛭を見つけたのは初めてだ。
最早、丹沢には聖域というものが無いのかもしれない。
休憩後、登山道を県道まで下る、二つの新しい滝を追加できることが出来たのもうれしい。
この沢は初心者にはお勧め、水と苔が綺麗で、滑滝が多く、上部には登山道があるし、遡行時間も短かくてすみ、いい温泉が待っている。

車――――二俣――――車

9:20  10:50  14:20

 

トップへ戻る