丹沢・セドノ沢右俣F5


7月27日(土)くもり。
セドノ沢右俣でまだ見ていない滝がある、大滝の上にあるというF5の滝だ。
右俣に35M大滝があるが、F5・10Mの滝はそのすぐ上に続いてあり、通常の巻き道を行くと、 一緒に巻いてしまい、見ることが出来ない。
見られるかどうか分からないが、今日はその姿を眺めてみようとセドノ沢右俣に行く。
戸沢出会いには、夏休みということもあり、水遊びを楽しむ家族連れの車がたくさん来ていた。
沢登りや登山で来ている車は少ないようだ。
天候はやや蒸し暑いくもり空、本谷沿いを登っていく。
堰堤までの流れはやや変わったようで、この辺も昨年の大水の影響があったのだろう。
堰堤手前に新しい鎖があるが、利用したことがない、残置を利用して登る。
本谷のF1に到着、水量が少ないので、二条に落ちるセドノ沢分の滝もかなり少ない。
鎖を利用してF1の上に出る。
詰まった石を除き、二条分の水量を増やす工事をする。
さぁー、セドノ沢の遡行だ、F1、F2と水線沿いを登っていく。
二俣の水量を見ると、左俣の方が少し多いようだ。
右俣に入るとかなり荒れた様相になり、右俣F1の滝が出てくる。
実は、セドノ沢にはF1が三つある。本谷F1、セドノ沢F1、右俣F1だ。
遡行記録にもいろいろあるが、現地では右俣大滝がF4になっているため、右俣に入ってからのF1というNOだ。

さて、このF1と続くF2は、見た目は登れない。
F1を左から巻き、F2の下に降りる。
大きな倒木が真ん中にあり、なんとか登ろうとチャレンジしたが、上部がぬめっているため、あきらめた。
右側から微妙に巻き、沢に降りる踏み跡を探る。
なかなか、降りられる所がなく、ロープを出して、沢に降りた。唯一下降出来る場所でした。
過去の記憶は浮かばないが、こんなに巻きが苦しかったっけかーと思った。
沢は倒木や崩れた石などが多く、過去のスッキリしたイメージはない。
F3の滝は姿が分からないくらい倒木で覆われていた。
倒木があるので、登るのは簡単だったが、通常では簡単に登れない滝だ。
しばらくは、小滝とゴーロが続く沢を登る。
F4・右俣大滝が見えてきた、水量は少ない。
ここで、じっくりと撮影タイム、落ち口右には、山百合の花が咲いていた。
さて、大滝の上にあるF5を見るには、どっちからせめればよいのか。
右からの巻きは、大滝横の岩を大きく高巻き、沢からかなり離れ、F5のかなり上に出るような感じだ。
左の大滝を直登した人達が巻いて行く道に出られれば、F5へ近づくことが出来るかもしれない。
左からいくことに決めた。大滝少し手前、左ガレルンゼを少し登る。
途中から右の岩の根っこ沿いに登り、岩を一枚越える。
少し進むと登攀後の左巻き道に出た、ここを大滝落ち口方向へ下る。
途中から大滝上へ出られる道はないかと探って見たが、岩壁に阻まれ、沢方向を望むことは出来ない。
もう一度巻き道を登る。巻き道は、岩壁の低い所を越えて行くようになるが、この一歩が登りにくい。
すぐ上にシュリンゲがあるが届かない、上に人がいれば、お助けで簡単に越えることが出来るのだが。
なんとか、這いあがることが出来た。ここから、また沢方向へ降りてみる。
水音が聞こえてきた。大滝の落ち口が下に見える。

大滝上に降りられるか探って見たが、岩壁が続いていて、降りることは出来そうもなかった。
F5の姿は、なんとか見ることが出来たが、まともな写真を撮ることは出来なかった。
F5の姿をまともに見ることが出来るのは、大滝落ち口に立てた人間だけのみの特権だ。
このままF5の落ち口にすーと出ることが出来る。
上からは、大滝落ち口を連続して眺めることが出来る。
F5の上の立ち木には、残置のシュリンゲがあり、沢慣れた人であれば、懸垂下降も可能だった。
水流はこの上でほとんど消えてしまった。
あとは、詰めるだけである。ゴーロを登って行くと二俣になる。
右はチョロチョロの水が流れる黒い6M滝、左は涸れ沢。
楽に登れそうな左のガレ沢に入る。
空が大分暗くなってきた、俄か雨が降りそうだ。
正面が少し立ってきたところで、右尾根に逃げる。
ぱらぱら降ってきた、木の下に入り、雨宿り。
雷が鳴り、どしゃ降りの雨になる。20分くらい雨がやむのを待った。
小雨になり、ゆっくりと尾根を登りだす。上から登山者の声が聞こえてきた。表尾根はそう遠くないはずだ。
木の根があるキレットを越え、登りやすい尾根を登って行く。
上部が明るく見えるようになってきた、登山道に飛び出る。
あーあ、疲れたなぁー、ここはどの辺だ、右か左かどっちに行こうか、しばしぼけーとする。
登山者が通る、聞くのもしゃくなので、頭で考えてみる。
カイサク新道には出なかったので、おそらく政次郎尾根との中間だろう。
下りは政次郎尾根に決めた、右へ少し下ると、戸沢への分岐道標がでてきた。
詰めあがった場所はここから、100Mくらい先の表尾根登山道でした。
とりあえずここで腹こしらえ、昼食のコンビニおにぎりを食べる。
休んでいる間にも登山者は通る、さすがは表尾根。
政次郎尾根を歩くのは初めてだが、しっかりとした登山道なので歩きやすい。
黒い滝がある右俣を行けば、どこかで、この政次郎尾根登山道に詰めるようでした。
1時間半ほどで戸沢出会いに戻ることができ、沢登りには6時間かかったが、下りはあっという間でした。

車―――表尾根――――車

7:50  13:00  14:30

 

トップへ戻る