奥秩父・千丈の滝


6月13日(日)曇りのち晴れ。
初の埼玉・奥秩父へ行ってみようと思う。 さてさて、何処に行こうか。
丹沢や奥多摩と比べて少し距離があるので、今後の方針をどうするかだが。 最近、体力が衰えてきたので、あまり無理もきかない。
気が向いたら、いってみようか、というお気楽ムードで幾つかホームページ等を覗いて ピックアップしてみた。
今回は、天候と時間があれば千丈の滝、だめな場合は和名倉沢大滝か豆焼沢大滝にいってみたい。 天気との相談で、土曜日の夜出かけ、道の駅大滝温泉で車内泊をする予定で出かけた。
さて、秩父へはどのルートで行こうか。
山梨側から雁坂トンネルを抜けて行くか、国道299線から140号線を走り大滝温泉にいくか、どちらかだが・・・。
地図を見てみると、いつも行っている青梅から、秩父へが、わりあい近そうだったのでこのルートに決めた。
青梅から、名栗村を抜け、正丸トンネル先の国道299号線に出る。 しかし、これは失敗だった。
道が狭いうえに、カーブも多く、始めて走る道にしては疲れる、とても夜間運転して帰るきがしない、299号線にでたら、正直ほっとした。
秩父の街中のスーパーに寄り、大事な睡眠薬の酒とつまみ、明日の昼食までを確保していく。
雨が降ってきた、目が悪くなってきたので暗く、カーブの多い140号線を走るには神経を使う。
やっと道の駅大滝温泉に着いた。 もう、すべて営業は終了し、閑散としている。
キャンピングカーが2台止まっていた。 早速、豪華つまみ(半額のみそ串カツとポテトチップ)で酒を飲み、その勢いで寝袋に足を突っ込み、眠りに着く。
強い雨音と、エンジンを掛けたまま休む大型トラックの影響で、夜半すぎ、早く目が覚めてしまった。
あとは例によって、ラジオ深夜便を聞きながら、うつらうつらする。
4時すぎ、明るくなり始めたので、トイレに行き、軽く食べて出発する。
雨もほとんどやみ、今後晴れてくるとの予報なので、当初の予定どうり、千丈の滝を目指した。
建設中の巨大ダムとその前を通過するループ橋の景色はちょっと異色だ。
川又の管理釣り場に入る道を見逃してしまった、少し過ぎたところでUターンし、入り口を確認して、林道に入る。
ゲート前は有料とあったので、300M手前の無料でおけそうなところに車をとめた。 ここまで、大滝温泉から20分ほど。
多少、小雨の中、5時5分歩き始める。
なぜ、この時間から歩くというと、地図からみた単純計算から、往復12時間かかり、 休憩や写真撮影時間も含めると、13時間は必要だからだ。

結構雨が降ったわりには、水量はそれほど多くなく、荒川本流(入川)といっても川幅は狭い。 途中、いたるところで滝が出現している。
水量が多すぎる滝も写真にならないので、千丈の滝の姿も心配だ。
管理釣り場を過ぎ、上に行く林道を見送り、沢沿いの道に入る。 この道は、昔の森林軌道のあとで、レールがそのまま残っている。 ほとんど水平なため、歩きやすい。
少し歩くと、東京電力の取水口が出てくる。 下流の水量が、少ない正体がわかった。
ここで、半分くらい取水してしまっているのだ。 上流はかなりの水量、こわいくらいだ、ちょっと多すぎて心配。
本流を二分する水量の赤沢に架かる吊り橋を渡ると、少し登り、再び森林軌道跡の道になる。 この道とは少し歩くと別れ、本格的な登山道になる。

しばらく本流から離れ、小尾根まで登ると、本流の不気味な瀬音が聞こえてくる。 まだ、かなりの水量がありそうだ。
霧がかかっているので周りの景色はあまりよく見えない。
柳小屋までは、中腹を巻きながら行くような道で、かなり長く感じ、ほぼコースタイム ほどかかった。
沢の流れは、小屋近くにならないと、姿が見えない。 まだ、天候は曇り、晴れてくるきざしはあるが、霧がなかなか晴れてくれない。
小屋のドアを開けて覗くと、5,6人泊まっていたようで、うろうろしていた。
外のベンチでおにぎりを一つほうばる。 外に出てきた人と話しをすると、彼らもすぐに、千丈の滝上へ釣りに行くという。
地図にはないが、廃道になった登山道は、千丈の滝まで、わりあいに、はっきりしてるらしい。

水量を聞くと、昨日までは、その前の雨で大分増え、昨日の大雨ではそれほど増えていなく、むしろ減ってきているとのこと。
小屋前の吊り橋を渡り、少し歩くと、小さな道標がある。 ここまでは十文字峠までのはっきりした登山道で、道標も整備され問題ない道だったが この先は地図にない道だ。
篠藪と石楠花の道をいろんなテープを頼りに登っていく。
小尾根まで登ると、少し尾根道、それもつかぬま、真の沢へのトラバース道になる。 いたるところにテープがあり、道はわかるが、さすがに廃道近い道だ。
滝音がし、登山道下に千丈の滝が見えてきた。 滝が見えるところまでくると降り道はないので、100Mくらい戻る。

沢が見える緩斜面を降りて行くと、真の沢の右岸に降り立つことができた。
通常だと登山靴のまま飛び石で滝下までいけそうだが、今日の水量はちょっと怖い。 わずかな間だが、ドボンはいやなので、ここで渓流足袋に履き替え、滝下に出た。
千丈の滝の水量はやはり多く、上段は空中を飛んでいる。
公証落差は50Mとあったが、上段20M、下段10Mくらいだろうか。 落差は割り引いても、見栄えのする綺麗な滝だ。
ここまで約6時間、きた甲斐があった。 薄日もさし、霧も上がってきた。
帰り時間を気にしながら、写真を撮り、11時半にここから戻る。
小屋までは、すでにあるいた道でもあるので、わりあい楽に戻れた。

小屋近くで、二人釣りをしている、たしか朝もいたような人達だ。
ベンチで昼のパンを食べ、5分ほど靴を脱いで疲れをとるためと軽い日光浴をする。
少し、痛めたことのある左膝に違和感を感じてきたこともある。
13時出発。 歩きながら、だんだん左膝の痛みが強くなってくる。
やっぱり、一日12時間は無理だったかなあと思いながら、ゆっくり歩く。 小屋近くにいた、釣り師に抜かれてしまった。
膝をかばいながら、なんとか赤沢の釣り橋まで戻ってこれたので安心した。 あとは平らな道なので、通常に歩ける。
往復にほぼ同じくらいの時間がかかってしまった。 もう先が読めたのでゲンキンなもの。
朝方撮れなかった小滝や、対岸の滝を探しながら、森林軌道道をぶらぶら歩く。
取水口のすぐ上の右岸に、綺麗で大きな滝が見えたので、できれば滝下に行ってみようか、 とスケベ根性をだし、下まで降りて見たが、少し水量が多すぎ、ちょっと渡れそうもない。
おっと、岩陰に釣り竿が半分見える、こんなところにも釣り師がいたのだ。 互いに気がつかなかったようだが、静かに写真を撮り、林道に戻る。
後ろから自転車、千丈の滝上まで釣りに行った若者達だった。
5時40分車に到着、長い一日が終わった。
帰りは、299線を真っ直ぐ飯能に抜け、自宅に戻った。

車―――赤沢出会――柳小屋――――千丈の滝―――柳小屋―――赤沢出会――車

5:05  6:15  8:25(8:40) 10:30(11:30) 12:40(13:00)  15:20  17:40

 

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