青春18キップ後半の旅・シワガラの滝


9月1日〜3日(金〜日)晴れ。
今回の予定は夜行3泊4日で、兵庫県にある”シワガラの滝”と霧ヶ滝渓谷にある、”霧ヶ滝と赤滝”が目的地だ。
”ムーライトながら”の指定席券が、なんとか手に入らないものかと、三日前から自動指定席券販売機をたたいてはいるが、常に満員表示(×)。
出発する当日朝、だめもとでたたいてみたら、なあーんと三角印が出た、キャンセルが出たのだろうか。
急いで、横浜〜小田原間の指定券(510円)を買う、 購入時に、日付けには十分注意する必要がある。東京からは当日、横浜からは翌日の日付けになるからだ。
9号車のコンパートメント、名古屋で乗り換えなければならない。
まあーこれで一安心、小田原で並ぶことを考えたら雲泥の差である。
天気予報も上々、いい旅ができそうだ。
さてー、会社から帰宅し、3時間ほど寝る。いざ出発だ。
横浜駅のホームに立つと、かなりの人がいる、ここで日付が変わるため、ここから乗る人が多いのだろうか。
”ながら”が入ってきた、ゆっくり乗ることが出来る。
コンパートメント席は4人合い向かいのため、あまり足を伸ばすことができない。まだ、左右一つずつ空いていた。
国府津まできても、乗ってくる人がいなかったので、おそらくキャンセルしたまま、払い戻しされていないのだろう。
若い女の子がきて、「ここ空いてますか」と聞いてきたので、「空いているようだよ」といった。 すかさず、本を置いて席を確保していった。
小田原に到着。各入口、20人くらいずつ並んでいる。どどーと通路になだれこんでくる。降りる人はいない。
さきほどの女の子が、友達らしい女の子を連れてきた。 さっするに、一人は指定券が取れたが、もう一人の子は取れなかったため、小田原の手前で空きを探し、小田原から乗る子の席を確保してやったようだった。
指定券を持たず、東京から乗っているルール違反の若者も若干いるようだ。座れなくても510円はしっかり取られる。

さあーこれからが長い。足が伸ばせず、位置もあまり変えられないため、膝が痛くなる。
コンパートメントはリクライニングしないため、なおさら疲れる。通路の若者は遅くまで声高に話している。
少し寝てきたのが正解、あまり電車の中では、眠りにつくことができなかった。
去年乗った”ながら”より、混んでいるような気がする、名古屋で乗り換えた時は、座れなかった。
逆に、座り疲れたため、大垣までの立ちんぼうが、かえって気持ちが良かった。 一晩中雨が降り続いていた、名古屋でも雨。
接続電車は順調で、京都に予定通り到着、トイレと朝食を取る。
山陰本線に乗り換え、亀岡、園部、福知山、城之崎、浜坂、と乗り継ぎ、予定通りの時間(15時13分)で鳥取に着いた。
さっそく、JR駅レンタカーへ行く。 誰もいないので、車を洗っているおっさんに「車借りたいんだけれども」、と聞くと、にべもなく「全部出払ってないよ、週末の金、土、日だしね」 と簡単に言われてしまった。
ががーん、なんと車がない、ここからがメインの旅なのにー、どうしよう。
一瞬あせったが、「その先にマツダがあるから聞いて見たら」と教えてくれた。
200Mほど歩き、マツダレンターカーに寄ってみる。 幸、乗りたい軽がありました。 保険料ナシで24時間、5770円で借りた。
さー車はOK、天気も晴れ、途中のコンビニで食料を仕入れだ。
カーナビまかせで、最初の目的地、兵庫県新温泉町海上地区にある”シワガラの滝”へ向かう。
途中、100選の滝”雨滝”があるが、ぱっとしないため寄らず、素通り。
カーナビの指示通り走っていたら、細い山道に入ってしまう。通り抜け出来るのだが、すれ違いが難しい山道だった。国道経由の方が良かった。
蒲生峠を越え、兵庫県に入る。国道から昆虫館方向は右折、少し走り、海上地区方向へまた右折、どんどん登って行く。
民家が途切れ、さらに登って行くと、道路の右側にシワガラの滝への案内板があった。
まだ十分明るい、急いで仕度し、滝までの山道を歩く。 沢を渡って登り、段々畑の横から沢に降りて行く。

洞窟手前100Mのところで、沢に降りる。 道は、かなり整備されてきたらしく、洞窟入口まで濡れずにすむ。
滝の姿はまだ全然見えない、ドーム状の洞窟に入ると、ようやく滝が見える。
落差10Mほど、落ち口周辺は、苔のような緑色した草が生い茂り、とても神秘的だ。
意外と落差があり、周囲も特徴ある岩が被さって出来た地形は、なかなか言葉でいい表すことが出来ない。
洞窟の奥から滝を撮るため、光線の加減で、滝自身の撮影は難しい。 また、引くことが出来ないため、上手く収めるためには、28mm以下の広角が必要だ。
30分ほど、写真を撮って、引き上げた。往復1時間ほどかかる。
さー、もう日没だ、今日中に”シワガラの滝”へ寄れたことで、明日の早朝からは、霧ヶ滝へ行くことにし、霧ヶ滝渓谷の入口まで走る。
20分ほどで、入口到着、100Mくらい上で道路が広くなっている場所があり、美味しい水も道路横に落ちている、今宵の宿泊地に決めた。

これで、やっと酒が飲める。薄暗くなった車の中で、睡眠薬のアルコールを飲み、食事をして、眠りに付いた。
今の軽は、わりといい感じだ、全シートが倒れ、一人で寝るぶんには、不自由しない。
夜中、目が覚めると、満天の星、今日もいい天気になるらしいな、もう少しうつらうつらする。
朝方は薄い雲が出ていたが、雨の心配はナシ、今日も晴れて暑くなるだろう。
赤滝までの道がどうなっているかわからないので、早目に出発。 渓谷入口には、赤滝への道は、崩落のため、通行禁止と大きく書いてある。
露に濡れた、沢沿いの登山道へ入る。 水の流れはチョロチョロ、これは、すぐ上で取水しているためだ。
しばらくして、最初の滝”魚止めの滝”が、水量豊に落ちているのに出会う。 落差8Mほど、登山道から見下ろすかたちだ。
ここを小さく巻きながら上がり、沢を何回か渡る。 左岸を大きくジグザグに登り、再び沢に降りる。

もう、この頃になると、蒸し暑く、汗がしたたり落ちてくる。
沢の水で顔を洗い、汗を拭く、冷たくてとてもいい気持ち、丁度絹糸の滝のところだ。
沢沿いをもう一頑張りすると、霧ヶ滝が見えてきた。 なるほど、水量が少なめのため、下部は霧状態だ。
二段、落差は50Mくらいか。 華厳の滝のように、下部側の数ヶ所で涌き水が垂れていた。
しばらくの間写真を撮り、それから、すぐ下に同水量で合流する、赤滝がある沢へ入ってみる。
記録によると、赤滝までは、登山道があったらしいが、目印がないのでわかりにくい。
踏み跡を探しながら行くが、草が生い茂り、なかなか見つからない。 なんとか、左岸にある踏み跡を見つけ、しばらく沢沿いに歩いて見たが、途中で判らなくなった。 もう、先は草ぼうぼう、道があるとは思えない。
ここで退却か?、という考えもあったが、一旦沢に降り、周りの地形を見まわして見た。
少し先に、6Mくらいの滝があり、ここは登れない。 この滝を巻いて見て、先の見通しがつかないようだったら、やめて引き上げることにし、手前左岸階段状の枝沢を登って見る。

途中まで登ると、トラロープが沢に落ちているようになった。
これは登山道が見つかるかもしれない、と思いながら少し登ると、登れそうな斜面の木に、ブルーのテープがなびいているのに気がついた。
枝沢からそこを目指し登って見ると、かすかな、踏跡が現れてきた。 登るとだんだんはっきりし、危なそうな所にトラロープが張ってある。
ジグザグに登り詰めると、目の前に赤滝を望む高台に出る。 道はここでお終いだ、やっと赤滝を見ることが出来感激。
ここまで、霧ヶ滝から1時間を要した。 写真を撮り終え、霧が滝まで戻る。
赤滝までの道は、夏場では素直には見つからない、沢を辿り、6M滝を、手前枝沢から巻いて上がると割合楽に行ける感じだった。
帰り際、岩壁から大量に出ている、赤滝噴出しの冷たい水で喉を潤し、霧が滝前に出る。
渓谷の登山道でマムシを踏みそうになった、足元で動いたのに気づき、あわてて、足を遠のける。
途中、やっと一組のパーティーに会ったのみで、滝見物は終了した。
このくそ暑い中、往復3時間して来るものもいないでしょ、秋の紅葉時期がいいかも。
入口→霧ヶ滝→赤滝→霧ヶ滝→入口(5:55→7:20→8:50→10:10→11:30)。
さてー、思いの他時間が余ったので、餘部鉄橋に寄り道してから帰ることにした。

餘部鉄橋は、来年から架け替えが始まるらしい、コンクリート橋になるようで、そろそろ見納めだ。
比較的すいている道路を餘部まで走る。 土曜日のため、あちこちにアマチュアカメラマンと観光客がうろうろしていた。
二両の電車は鉄橋を徐行しながら通過、あたかも、観光客に写真を撮ってくださいね、といわんばかりの速度でトンネルへ消えて行った。 なかなか、絵になる光景でした。
さてー、鳥取まで戻ろう、カーナビの指示通り、海岸線を走る。 コバルトブルーの日本海がとても綺麗だ。
鳥取砂丘入口を通過、時間はあったが、くそ暑い時に、砂丘はないでしょう、とあっさり、バイパスを走り抜ける。 駅前で給油、1時間早目に車を返す。
さあー、今日は、これから大阪へ出なければならない。 なぜ、大阪かというと、安いカプセルホテルが多くあるからだ。
一ヶ所問い合わせて見たら、特に予約の必要もありません、お気軽にどうぞという。
鳥取から大阪へ出るには、智頭急行経由が一番早く便利だ。 しかし、智頭急行は第三セクターのため、別途1260円かかってしまう。
そのため、予定は、福知山線経由で行くことにしてある。 予定より1時間早い電車があったが、浜坂で1時間待ち、結局予定と同じ電車になってしまう。
まあ、急ぐ旅でもないからいいか、これからは、ビールをがんがん飲めるし。
例の事故の福知山線は結構ハイスピードだ(福知山10分遅れ、女のワンマン運転手、飛ばして5分縮める)、福知山、丹波篠山と乗り換え、快速大阪行きに乗る。
大阪着22時26分(定時)到着。 大阪の電車に乗るのは始めてだ、JR難波へはどうやって行くのだ。
案内を見ながら、環状線の各駅に乗る。
今宮で乗り換え、終点の難波駅に到着。
難波ウォークの地下出口とホテルの地図を見比べるが、方向感覚がわからず、どっちへ行っていいかさっぱりわからない。
人に聞きながら、ようやく地上に出、道頓堀川を渡った。 徒歩5分が15分もかかってしまった。
ラーメンでも食いたいな、なんて思っていたが、目的のカプセルホテル(2700円)へ一旦入ってしまうと出る気もなくなり、一風呂浴びて、すぐ眠りに付いた。
割合隣りの人を気にすることなく、熟睡、5時半に目が覚める。 とりあえず、朝風呂を浴びに行く。
今日の予定は、15時まで、おまけの京都観光をし、一路、横浜まで帰る予定。 今日も快晴、六甲の山並みも遠くに見える。
難波始発で、奈良線経由京都行というのがあるようだが、環状線で大阪へ出る。 新快速に乗り換え、京都に着いた。
山陰本線円町で降り、金閣寺まで歩く。 残暑の京都は暑い、金閣寺まで徒歩40分、9時10分頃着いた。
京都のお寺は8時ころから、拝観できると思っていたが、9時〜5時まで、あまり早く大阪を出なくて良かった。
さすが、有名所、観光バスが早くも来ている。 金閣寺の山吹色は日に映えて、きらきら光っている。
金閣寺から龍安寺、仁和寺と歩き、JR花園駅に着く(仁和寺が一番良かった)。
この近くには、太秦映画村や嵐山があるが、もう一ヶ所、平等院へ行きたかったので、京都駅に戻る。
JR奈良線に乗り、宇治駅に降りた。 徒歩、15分ほどで平等院に着く、平等院と展示館を拝観し、丁度いい時間となる。
ビールを飲みながら、京都駅に戻り、一応みやげ物を購入、15時の新快速に乗った。
電車は遅れることなく、米原、浜松、静岡、熱海と着き、最後の東京行に乗る。
横浜着22時58分、予定通りの時間に着き、青春18キップ・後半の旅は終わりました。
前半の北海道までで2枚、今回で3枚使用し、短い夏は終わってしまいました。
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