奥多摩・惣岳(角)沢と御前山



4月27日(土)曇り時々晴。
車で寝るのは疲れる、なかなか寝返りが出来ないので、眠りが浅くなってしまうんだろう。 酒飲んだ勢いで寝るしきゃないね。
杉林の中、3時ころ目が覚める、少しは眠れたらしい、よかったよかった、寝不足はきくしねー。 少し小雨が降っている、今日は晴れの天気予報はどうなっているんだろう。 車から出ると気持ちいい、軽い体操をして、寝疲れた身体をほぐした。
セブンへ寄り、朝食と昼食の買いだしをする。 まだ暗い道を藤倉にある惣岳沢を目指して、車を走らす。
藤倉バス停から、舗装された林道に入り、林道終点より少し手前の林道に車を止める。 終点の広場は民家に近く、ちょっと車を駐車しにくい感じだ。
朝食を食べながら、夜が明けるまで、車の中で横になって時間をつぶす。 雨はほぼやんだようだが、空のいろは相変わらず重い。
5時40分出発、林道から惣岳沢に降り、沢沿いを登って行く。 沢に入って10分あまりでF1の滝が出てくる。
大きな釜を持った滝で、周りの新緑とあいまって、美しく落ちている。 この滝は通称”雨乞いの滝”と呼ばれている滝だ。 ここは左のガレ場から巻いて登る。
次にF2・4M、2段になっていて、これまたいい感じの滝だ。 ここも左から巻いて上に降りる。
続いて釜を持つF3・5M、F4・5Mの滝が連続して出てくる。 右を巻きながら、二つの滝が見えるところでワンショット。
上に巻き道が見えるので、そこまで登り、仕事道を利用してF4の滝上に出た。
F1からF4までは、連続しているゴルジュで、そんなに大きな滝はないが、きれいなところだ。
ここからはせせらぎのような流れが続き、次のF5までは2時間ぐらいかかった。 途中、ほとんどは沢沿いの仕事道を利用しながら歩く。
右岸に山葵田が3箇所あり、何回かある沢の分岐は水量の多い左の方をすべて選んで登って行く。 最後の二俣のみ右に入って行く。
F5までが長いので、これで本当に本流を辿っているのか、やや半信半疑だ。 沢の水が大分なくなりかけた頃、やっとF5の滝が出てきた。
もうこの辺では一条の筋となる水しか落としていない。 ここは左側を登り、次のS字状の滑滝は右側の脆い壁を慎重に登って行く。
これから先は倒木が多くなり、水はやがて涸れてなくなる。 しばらくは倒木と格闘しながら、本流とおぼしき沢を登って行く。
最後に奥壁と呼ばれるところがあるとあったのでそこを探しながら登る。


ほぼ同程度の涸れた二俣になり、どっちかなあと、しばし考え、左が低く広いので本流と思うが、右もあやしいので 間を登りながら両方の沢を眺める。
右の方はだんだん浅くなって終わりそうなので、左が本流だろうと決め、もう一度沢に戻る。 だんだん沢の形態がわからなくなってきた。
すると真ん中の沢上から水がちょろちょろ流れてくるではないか。 この上に奥壁があるんじゃないかと思い、水の流れ沿いに登っていくと、だんだん水量が多くなる、たぶん間違いない。
上に奥壁とおぼしき5Mくらいの岩壁が見えてきた。 水はその下からこんこんと涌き出ている。
やっと着いた、惣岳沢の源流に。 コップを出し、おいしい水でのどを潤す。 そんなに冷たくはないが、まろやかで非常にうまい。
静かに耳をすましていると、かすかに人の声が聞こえるようだ、登山道までそう遠くないだろう。
右側から巻くようにして、急坂を登っていく。 すこしカタクリの花がちらほら出てきた。
15分ほどあえぎながら、適当に登って行くと、登山者の姿が見え、ロープが張ってある登山道にとびでた。 出たところは、栃寄から登ってきた登山道が上に出るところの少し御前山より。
靴を履き替えているあいだにも、登山者はひっきりなしに続いて登ってくる。 さすが、カタクリが丁度見頃になった午前山だ。
15分ほどで御前山の頂上に到着。

人が一杯いるいる、50人くらいいるか。
お昼ころまでは、まだまだ増えつづけるだろう。 一人だとどこでも座れるのでザックをおろし、さっそくビールをいただく。
ちょっとの間に周りも人で一杯になり、あちこちで食べ物をほうばった中高年のおじちゃん、おばちゃんでかしましい。
カタクリの花は朝方の雨とくもり空でほとんどは閉じた傘のように下を向いている。 少し青空も見えてきたので日がさしてくれば少しずつ開いてくるだろう。
30分ほど休憩し、人も増えてきたところで下りにかかる。 登りはひっきりなしに続いてくる。
頂上付近のカタクリの花は丁度見頃かそろそろ終わりだろう。 やっと雲間から陽射しが出てきた、少し開いた花も少しは見かける。
花はぱらぱらと登山道脇にあるが群生しているところはない。 もう少したくさんあると思ったんだが意外とぱらぱらだ、まあ、花の山なんて、こんなもんなんだろうなあ。
小河内峠まではゆっくりと花や周りの景色を楽しみながら、新緑の中を散策するように下って行く。 一部、広い道もあり、奥多摩の整備された登山道を感じる。
ここまでは月夜見から登ってくる登山者とかなりすれ違い、あいさつはほとんどなし。
小河内峠から陣場尾根道に入ると、静かな山歩きになる。 日も大分さし、明るく気持ちのいい緩い下り、鼻歌気分になる。
途中、すれ違った登山者は一組だけだった。 途中の道標はしっかりしていて迷うことはない、地図にはない道がかなりあるようだ。
藤倉を目指して降りて行くと、頭上2Mくらいのところにある空中看板が出てきた。 ここは左折し、急坂を降りて行く。
小林家の敷地を通り、1M幅の急なコンクリートの道を下って行く。 やがて惣岳沢を渡り、林道終点に出た。
長い沢の遡行と比べ、御前山からの下りは快調、気持ちいい気温と花をめでながらの下りは疲れを感じず、楽しく降りてこられた。 昨日の不調がうそのようである、時間も丁度いい、早く帰れそうだ。
追記、惣岳山があって、惣角沢とはなんで、と疑問に思ったが、やはり惣岳沢が正解らしい。 奥多摩(宮内敏雄著)や奥多摩の尾根と沢では惣岳沢(そうがくさわ)、昭文社地図、奥多摩の沢123ルートでは惣角沢(そうかくさわ)、になっている。 たぶん岳(がく)が、角(かく)の誤植になったのではないか。 日原奥の山を西谷(にしだに)だと思っていたのが酉谷(とりだに)だったように。

 車―――F1の滝――F4上――F5の滝――奥壁――登山道――御前山――――――車

 5:40  5:50   7:00   8:30   9:50  10:05  10:25(11:00)  13:25

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