奥多摩・滝入沢


11月3日(水)晴れ。
週末に降った雨のあとでもあり、まだ水量も多いことだろうと思い、普段水量が少ないと思われる二つの滝を見に行く。
今日は、あまり期待がもてないかもしれない。 なぜなら、滝があるかどうかという点と、水の流れがあるかという点だ。
一つは、前に国道から遠望して見たことがある滝、もう一つは滝記号(宮内氏の奥多摩索引図)だけがたよりの滝。
目的地の丹波山村に向かう。 久しぶりに晴れた休日だ、紅葉の方も大分進んで、里近く降りてきている。
最初に滝入沢を目指す。 丹波山村の中心地を過ぎ、奥秋集落上の国道に路上駐車する。
滝入沢の流れを探しながら、国道を中心地の方向へ歩いていく。 目指す滝入沢らしい沢が、かなりの水量で落ちていた。
沢は丹波山中学のプール横を通り、丹波川に合流している。 他にそれらしき地形はないので、たぶんこの沢だろう。

少し下り、新日本石油のガソリンスタンド横の道に入り、上って行く。 道標があり、閉ざされた山道があった。
この中に入って見る。 道は沢沿いに続き、堰堤のところに出る。
上を見ると、道路と橋が見えたので、下からの続きだろう、道なりに歩いてくればなんということはなかった。 再び道路に出、橋まで歩く。
この道路は、農道だが、2、3台止められるスペースがあった。
橋の横に、沢の名前が書いてある看板があり”上岡沢”と書いてある。 うーん、確か滝入沢のはずだが?。
地形図を出して確認してみるが、どう見ても、この付近にはこの沢しかない。 水量もあり、この沢に決まりだろうと思い、沢沿いに登って行く。
最初、植林帯に入り、沢沿いに歩く。 小屋があり、仕事道が横切る。

この先は、伐採された明るい広場が続く。 沢は真っ直ぐ流れており、上の方に見える細く首になったようなところを目指し、草をかきわけ登って行く。
今の季節だからいいものの、夏場はあまりお勧めできない。 草も伸び、へびがたくさんいそうな気がする。
伐採が終わる所まで登ると、丹波山村の対岸の道路や、紅葉した山々がよく見えるようになった。
ここで靴を履き替え、遡行モードに入る。 少し登り、植林帯が切れるころ、左に涸沢を合わせ、沢は右に曲がる。
滝のような姿が見えて来た。 数段に渡って滝が落ちている。
一番上は垂直に落ちていて、堰堤のようにも見える。 滝下まできて、ようく見れば、多段のすばらしい滝だ。
上も堰堤ではなく、幅広垂直の滝、水量が多いので、すばらしい滝に変身している。
横の岩の上には、小さな祠が二つ、祭られてあった。 里に近いので、おそらく名のある滝なんだろうと思うが、下で聞いてみようと思う。

滝の上の太陽が当たるところは、真っ赤に紅葉しているが、日の当たらない滝前のもみじは、青々として全然赤くない。
もみじの大木が2本もあるんだから、これが紅葉したら、さぞや見事なことだろう。 2週間くらいあとかもしれない、しかし霜で落ちるのが先か?。
少し登り、違った角度から眺めると、二段目が見え、さらにすばらしい、落差20Mはある。 見事な姿が見られたので、満足した気分で、沢を下った。
帰りは、仕事道を使い、降りて行くと、出たところは、林道の終点であるサオラ峠登山道のところ。 沢から50Mくらいのところだ。
野良仕事をしていたおじいさんに、滝の名前を尋ねると「うーん、名前はあるようだが度忘れした」 それと、「沢の名前が上岡沢なんですが滝入沢じゃないんですか」と聞くと、「上が滝入沢、下が上岡沢なんじゃ」と教えてくれた。
スタンドのおじさんは、名前のない無名滝だといい、民家のおじいさんに聞くと、やはり名前はないだろうという。
車に戻り、キノコ屋の下の国道に車を止める。 前に見た滝は、この前と同様に2条の水を落としていた。
今日は下までいくぞ、と覚悟し、山吹橋から丹波川が渡渉できるか覗いてみた。
水は澄んでいるが、かなり流れは激しい、しかし、なんとか渡れそうなところがありそうだ。 対岸伝いには、少し距離があり難しそう、渡れれば、簡単に滝まで行けるのだが?。
以前、ヨケイクボまで行った時、降りたところは、深く流れが激しいので渡れない、もう少し上で渡れそうなところがあった。 流木の杖を頼りに渡り始める。
流れは強く、股下まで水がきたが、なんとか、ズリ足で渡りきることができた。
歩き初めて200Mくらい、川沿いから、滝は見えないが、木の間越しに流れが見えたので、そこに入る。 沢から100Mくらい上に、滝が見えた。
崩れた山葵田あとの石垣を登ると、小さな祠がひっくり返っている。 ああ、ここにも、昔の人の足跡が・・・。
お札の文字をこすって見ると、昭和13年、”奉遷宮不動様”と、書いてあった。
滝は2条で、夕日の滝によく似ている。 落差20Mほど、水量は少ないがきれいな直瀑だ。
今日はこれで散歩もおしまい、早めに引き上げることにした。 次の日、丹波山村役場へ滝名を問い合わせしてみると、滝入沢の滝は無名滝だといい、丹波川右岸の滝は不動の滝だという。 保之瀬の滝と合わせ、名前のよくわからない滝が、また増えてしまった。

車――上岡沢の橋――滝入沢の滝――車――――車――不動滝―――車

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