奥多摩・火打石谷


6月7日(土)曇り時々晴れ。
奥多摩も残り少なくなって来たが、難関な沢が残っている。 今日は、まぼろしの大滝がある、丹波・火打石谷を目指すことにする。
少し早めに家を出、余慶橋手前の駐車帯に車を止める。
火打石谷出会いに行くには、大常木林道を行くか、丹波川を少し遡行し、小常木谷から火打石谷出会いに行く方法とふたとうりあると、 いろんな文献やホームページの記録にはある。 本流遡行はきつそうな感じがするので、我々一般人には安全な巻き道の大常木林道を登ることにした。
林道とは名ばかりの仕事道である。 おまけに入り口には”危険通行禁止”と書いてある看板があった。
入るとすぐに、丹波川に降りる道がある。 そこを横目でみながら、ジグザグに登って行く。
少し行くと小常木谷に降りられるらしい踏み跡が左方向にある。 大常木林道はどんどん登り、木の橋が出てくるあたりで平になってくる。
左下に小常木谷の水流の音を聞きながら、今度はジグザグの下りになる。 降りたところが小常木谷と火打石谷が出会うところだ。
水量比はほぼ1:1だ。 両方の谷とも先は見えなく、奥になにがあるか分からないが、この辺はおだやかな渓相をしている。 大常木林道は小常木谷沿い方向に続いている。
ここで靴を履き替え、火打石谷に入っていく。 予定では、下る道を考えながら進み、大滝まで登り戻れそうならそこから下り、危険で下るのが危ないと思ったら、 大滝を巻き、右から熊倉山の上の登山道へ無理してでも出る予定だ。 まあ、大滝を見ることが目的なんで、出きることなら大滝下で引き返したい。
出会いから少し行くと、早くもゴルジュが出てくる。 両サイドの壁は立ってきて、巻いていけそうな雰囲気はない。
滑、小滝を登って行くと、4Mくらいの滝が出てくる。

ここは右側を慎重に登って行く。
少し逆層の岩が、ステップを切ってあるように階段状になっているので割合楽に登れた。 下るときはどうかを確認し、先に進む。
次に出てくる滝も似たような4Mの滝。 ここはどう登ろうかと眺めて見ると、右上にロープが垂れている。 しかしロープが短く、先にたどりつくまでの岩が濡れていて滑りそうだ。
もっと上から安全に巻けないかと登ってみたが、壁になっていて乗り越せそうもない。 ここは岩壁に出ている木の根にロープを掛け、さきほどの垂れているロープ横まで降り、ロープを慎重に棒で手繰り寄せ 既存のロープ先に自分のロープを結び、少し負荷を掛けて確かめゆっくりとへつる。 このほんの1,2Mがいやらしい、下は深い釜だ。
次のCSの3M滝は左から水をあびながら登り、石の間に挟まっていたロープをてがかりに滝の上に立つ。 この辺は小さい滝ながら、釜が深いので登るのに神経を使う。
しばらくしてまた似たような4M滝が出てくる。 ここも右上の木からロープが垂れている。
背の低い人には先まで届かないので、踏み石が置いてある このロープは比較的あたらしそうな、トラロープだった。 最初の一歩がハングぎみとなるため、これがないと以外と苦しい。
途中の小滝を登るときも、いま一つてがかりがないところでハーケンがあり、助かった。 ここまでの間は尾根に逃げることも出来ないので滝を登るか、小さく横を巻いていくしか方法がない。 簡単に乗り越していける滝はないので、けっこう疲れる。
次に出てくるのは7M直瀑だ。 この滝は両サイドとも立っていて簡単に登れそうなルートはない。
遡行図を確認し左から大きく高巻くことにする。 グズグズの泥ルンゼを登ると台地状になる。
沢に戻るルートはというと、傾斜がきつい。
ロープを取りだし、木にかけて滝の上に降りる。
帰り道はないかと探って見ると、大きな木の根ッこが続いているところがあり、唯一そこが登れそうだ。 ここが一番不安だったがなんとか戻れそうだ。
しばらく滑を進むとまたもや6M滝があるゴルジュ。 ここは滝周辺はぜんぜん登れそうもない。
巻き道はないかと見渡すと右上から巻けそうだ。 100Mくらい戻り右に上がる。
すると、獣道らしい道があったので、沢沿いに登りながら巻いていく。 すぐ上には8M・幅広の滝が見えてきた。
幅広の滝も巻くことを考えながら道をさがす。 そのまま右から巻けそうだったが、左側から簡単に高巻けそうだったことと、幅広の滝を下から見たかったため一旦6M滝の上に降りる。 幅広の滝は簡単に左側から巻けた。
少しいやらしい滑滝は水流を登る、ここで腰まで濡れてしまった。 滑を越すと沢は開け、明るいゴーロとなる。
ゴルジュといやらしい滝が続いたせいか、このゴーロ帯が長く感じる。 実際にも長く、1時間ほど歩く。
この間は人くさく、ドラム缶や腐ったブリキ、小沢には石積み堰堤まで見える。
やがて谷は除除に狭まり、二条10Mの滝を迎える。 この滝は右側から巻き、小沢を横切るといよいよ大滝の出番だ。
6Mくらいの滑滝を前衛にした谷の切れ間から、垂直に落ちている滝の下の部分が見えている。
ここはザックを置き、カメラだけを持って大滝を見に行ってみる。
右から小さく巻いて降りると、すぐに大滝の前の二俣に降りられた。 70Mはあるかといわれる大滝の全容が眼前に広がっていてすばらしい眺めだ。
水量は少ないが、黒々とした垂直の壁だ。 本流には滑滝を前衛とした、これまた大滝が奥に見える。
ざっと見積もったところ、左の大滝は60M、本流の大滝は30Mといったところか。 本流の大滝の横には、朽ちた大木が寄り添い、赤いれんげつつじが花を添えている。
少し尾根を登り、大滝の写真を違う角度から写真を撮ってみる。 この尾根の木には針金が巻きついている木などがあり、かなり古くから登られているらしい。
写真を撮って下に戻り、昼食とする。 正直いって、登ってくる道のりが苦しかったから、大滝も簡単に見られるとは思わなかった。 すばらしい大滝が二つも見れて大満足だ。
どうやら帰る道も、ここからなんとか戻れそうだ。
下りはロープを出来るだけ使い、パズルを解くようにして、多くの滝を慎重に降りた。 火打石谷出会いの木橋が見えてきて、やっと戻れたかと一安心。
靴は履き替えないで疲れた足で一歩一歩ひきずるように大常木林道を登り、余慶橋横に出る。 早く家を出て正解だった、かなり時間もかかり、今日は疲れた。

 車――火打石谷出会――7M滝――8M幅広滝――二条10M滝――二俣大滝―――火打石谷出会――車

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