丹沢・悪沢


6月16日(土)快晴。
西丹沢の悪沢上部の滝を見にいく。悪沢はF5まで入ったことがあるが、それ以上奥はまだ見たことがない。
場合によっては、沢を詰めて見ようと思う。割沢橋脇に車を止め、沢に入る。
水量はほどほどあり、通常水量だろう。F1を見ながら仕事道を登る。
次のF2・20Mは、この沢の盟主だ。ここは少し立ち寄り、写真を撮っていく。
F2、F3とも、右岸の仕事道から巻き、その上流に降りる。
すぐにF4・15Mの滝。上部に日が当っているため、帰りに撮影と考えここはパス、左岸の巻き道を登る。
F4の落ち口から高さを目測で測って見たが、どうみても15M、20Mはないね。
明確な道はこの辺でおしまい、滑滝や滑を辿りながら、以前来たことのあるF5・8Mの滝下まで来た。
ここまでは、比較的楽に来られ、それほど危険なところもない。
さて、このスラブの滝はどうやって巻くのだ。地図や遡行図は持って来なかったので、適当に考えなければならない。
少し周囲を伺い、右側のザレ斜面が登れそうな気がしたため、取り付いて見た。
逆層とぼろぼろの岩のため、意外と危険で難しい。途中で行き詰まってしまった、これは明かに失敗、判断ミス。

降りようにも、バックで降りると滑りそうで降りられない。
強引に登ろうかと思って見たが、ぽろりと剥がれそうで、躊躇する。
さあ、困った、だんだん不安になってくると同時に、恐怖感も出てくる。
5M上にある立ち木へロープを掛けられればいいが、そんな上まで届かない。
その下3M上に太さ2,3CMの木がある。その木はとても全体重を支えるような感じの木ではないが、仮の支えにはなりそうだ。
しばらく投げ縄でトライしたところ、やっとひっかかり、手元に手繰り寄せ、ロープを支えにして、足元が滑らないよう慎重に下まで降りた。
ふうー、喉が乾いた、とりあえずこれで一安心、さてどうやって巻いて行くか?。
少し戻り、右岸の尾根を登って見る。微かな、踏み跡があるようで、ここが巻き道のようだ。
大きく回りこんで、再び沢に降りる。支流を交えたところで、F6・6Mの滝が出てくる。

落ち口にシュリンゲが垂れているが、あまり信用できない。
ここの巻きも考えさせられる。支流を少し覗きこんだが、上に上がれそうな所がすぐ見つからない。 さりとて、右の斜面も厳しい。
大きく右から巻くしかないかなと思い、少し右ガレ沢を登って見たら、丁度斜面に断層のような道があり、それを登るとF6、の上に出られた。
続いて二段・5Mの滝、ここは直登する。この上は、滑と滑滝が続きゴーロはない。
正面に、水量の少ない大きな枝沢の滝が見えると、本流は左に曲がる。
小滝を越えて行くと、二段・20Mの大滝だ。水量は大分少なくなってきたが、それでも立派な滝だ。
ここは、右側を滝を見ながら巻いて登る。この大滝の上に出ると、また階段状の5M滝。ここもシャワークライムで登る。
さらに滝が続いて見えるが、登れないので、左の尾根に上がり大きく巻く。
沢に近づいて見ると、3個くらいの滝が続くゴルジュで、その上は最早源頭の雰囲気。
このゴルジュまで、ゴーロはほとんどなし、滝のオンパレードだ、最後の方になるとF・NOが幾つの滝なのかわからなくなってしまった。
ほとんどの滝が登れそうなので、シャワーしたい方にはお薦めだ。
水も少なくなっていたので、沢には戻らず、尾根を登ることにした。
四角い石の標柱があり、沢から微かな踏み跡もある。
少し登ると、植林帯になり、さらに登って行くと、鹿柵が出てきた。
鹿柵沿いに進むと、もう尾根上で、権現山などが見えてくる。
どうも、権現山と屏風岩山とを結ぶ稜線上の尾根から一つ離れた、東側の尾根にいるようだ。
上に行く気もないので、この尾根をそのまま下ることにした。
鹿柵の下には、見なれない低木がかなりあったので、なんだろうかと見てみたら、葉の茂ったミツマタの群落でした。 これが鞍部になるところまで続いていた。
鞍部から左は悪沢側、右はイデイリ沢側、滝が続く悪沢側へは降りたくなかったので右へ行く。
なんとなく仕事道みたいなのが、山を巻いてあり、イデイリ沢側に続いていたのも、決めた理由だ。
東南方向へ下れば、必然的に集落方向へ出るだろうと軽い気持ちで下る。
そのうちに、歩いている方向が南に向いているのに気がついた。
どこかで、尾根を一つ間違えたかなと思ったが、まあいいや、と思いながら下っていく。
だんだん権現山が正面に見えてきたので、方向修正、ロープを使い、東南方向、沢に向かって降りて行く。
途中、仕事道にぶつかった。この道を東へ下る。100M下には、沢が見え、この道は過去に歩いたことがあるような気がしてきた。
少し下ると思いだした、この道はイデイリ沢大滝を見た帰りに歩いた道だ。
居場所がわかるともう安心、危険箇所などはなし。
イデイリ沢の二股までたんたんと下り、堰堤を二つ巻いて下ると、集落からの道に出る。
茶畑の間の道を下り、県道に出た。あとは、自販機でコーラを買い、飲みながら、ゆっくり割沢橋まで戻った。
あとでわかったことだが、この日、偶然にもマシラさんが同じ悪沢を先行して登っていたのだ。
玄倉で見送った一番バスに3,4人いたのを憶えているが、あの中にマシラさんがいたのだ、お会い出来ず残念でした。

車――悪沢終了点――車

7:15  10:30  12:45

 

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