丹沢・世附大棚


11月10日(金)快晴。
昭和40年代頃の大棚と、現在の写真を見比べると、大分違うことに気づく。
落ち口の様子が違い、水の流れが異なっているのだ。 こりゃ、ひとつ落ち口を確かめねばならないな。
掃除用の移植ごてを持って行こうと思っていたのが、朝になると、ころっと忘れてしまった。
しょうがない、車からタイヤレンチとドライバーを出し、浅瀬から歩き始める。
快晴無風、とても気持ちいい陽気だ。 禁漁期間に入ったので、釣り客もいない。
林道を歩いていたら、山イモのつるが目に入った。

そうか、今ごろがイモを掘るにはベストな時期だったな、子供の頃を思い出す。
持ってきたタイヤレンチをスコップがわりにし、30分ほど格闘、なんとかツマミになりそうなイモを掘あげた。
それからは、周りのツルを見ながら、掘れるかチェックしながら歩く。
なにしろ、タイヤレンチとドライバーだけなので、掘れそうな山イモは限られてしまう。
水の木までに、もう1本掘る。 今日は、土木作業に来たようなもんだ。
イモ掘りしながら、大棚まで歩いたので、2時間半もかかってしまった。
大棚の入口看板を横目で見て、そのまま林道を歩く。
上から、落ち口に降りられそうな場所を探すと、すぐ上に降りられそう。
ロープを出し、林道から、落ち口の10Mくらい上に降り立った。

落ち口は複雑な一枚岩の滑になっている。 両サイドからほぼ同量の水が落ちこんでいる。
注意しながら、下を覗きこむと、かなりの落差があり、尻がむずがゆくなる。
昔の流れは、中央付近からも落ちているので、なんとか再現できないかと考えてみたが、石の位置などが変わったためなのか、大きく左右に分かれた 水は、中央付近の滑を越えていくほどない。

少し石の位置を変え、中央にも行くようにしたら、少し右岸側を簾のように垂れるようになった。
しかし、昔の写真にあるような、中央付近から、かなりの水量が流れ出すような状況にはない。
水量が増し、水かさが2,3cm増えないと、滑を越せないのだ。
たぶん、かなり大きな石が動き、流れそのものが変化したのだろう。
落ち口の滑自体は変わっていないと思うが、少し上の石の配置により、水が分けられているようだ。
これを変えるには大規模な土木工事が必要、自力で変えるのはあきらめた。
さて、滝下へはどうやって降りようか。
左岸の岩壁下が行けそうなので、少し登って見ると、巻き道のような、踏み跡があった。
小さなガレを横切り、篠笹をかき分け、滝を見ながら降りて行く。
中間で丁度写真を撮れるいい場所があった。 水量が多く迫力があるなあ。
滝下へ続く尾根から、ロープを出して下に降りる。古くて細いロープが、岩壁沿いに1本垂れていた。ここは下の二段小滝の上。
残置ロープはちょっと使う気にならないので、写真を撮り終えてから、もう一度登り、もう一つ下の小尾根からさらに下の沢床に下りる。
ここは、滝壷からもろに爆風スランプ、付近はかなり濡れている。 カメラはすぐに水滴が着き、セルフでは撮れない。
時計を見るともうすぐお昼だ、ビールを飲める場所を探さなくては。
林道に戻り、もう1本、山イモを掘る、短時間に掘れた割には、下が大きくいいイモだった、これで家族の食事ぶんになるかな。
林道から少し下った本流に陽の当たるいい場所があった。
ビールを飲みながら、昼食のおにぎりを食べる。ああ幸せ・・・。
近くの深い淵には山女が2匹悠々と泳いでいる。
あとは、酔いをさましながら、ゆっくりと、浅瀬まで戻るだけ、気持ちのいい一日でした。

車―――世附大棚―――車 

7:30  10:00   15:00 

 
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