丹沢・湯本平の沢


7月5日(土)晴れ。
マシラさんの記事にあった、湯本平の無名沢に行って見た。
里に近く、短い時間で歩け、なおかつ、大滝があったとある、これは行かねばなるまい。
雨もかなり降ったことだし、丁度いいころあいだ。
道の駅で、登る準備をしてから、湯本平へ行く。
車を、棚沢キャンプ場入り口近くの路上に止め、県道を歩いていく。
県道から、沢沿いに上がる町道に入り、左又に掛かる橋の袂まで歩く。

橋から眺める沢の様子は、貧相で、水も少なく、とても上流に滝があるような沢には見えない。
紹介記事でもなければ、とても入渓しようと思わないだろう。
左岸から、沢沿いに登ると、かすかな踏み跡があったので、それを頼りに登ると、堰堤の下に出た。
さらに、続く二つの堰堤は、ガバホールドを利用し、登って行く。
水流もそれとなく出てきて、滝の期待が高まる。
F1・5Mの滝が出てきた。
これからの巻きは相当厳しいらしい、気合を入れて登ることにする。
F1の巻きは、右から登り、落ち口上に降りた。
下から見ると、F1のすぐ上に見えたF2・6Mの滝が、少し右に曲がったところに掛かっていた。
この滝はどっちから巻けば登れるだろうか。
上の様子は、右を登った方が良く見えそうだったので、右尾根を少し登ってみる。
すると、見えました大滝が、沢は左に曲がり、樋状の狭い廊下の先に、2Mの滝があり、さらに、その奥に大滝が見える。

左右、どちらも切り立ち、簡単に大滝下へ辿り着くことが出来ない。
周りを眺めながら、なんとかF2の上に降りることが出来ないか、考えてみる。
右側は垂直の壁で、懸垂下降が必要、こっちはあきらめ。
左側は狭い尾根ながら、なんとか行けそう。
グズグズの斜面をトラバースし、F2落ち口近くまで寄る。
しかし、小さく狭い壁が越せない、落ちるとF2下へまっさかさまだ。
細い木があったので、ロープを掛け、あまり体重をかけないようにして回り込み、なんとかF2上に降りた。
ここゴルジュ越しから眺める大滝の姿は、ちっぽけな沢とは思えない印象だ。
大滝下へ上がるには、手前の滝を登らなければならない。
高々2.5Mくらいの滝なんだが、手がかりがなく、以外とすべすべしていて登ることが出来ない。
なんとか上へ行く手段はないだろうか、周りを見回して見ると、左側の狭いリッジ状の尾根に、利用可能そうな、立ち木が目に入った。
その下の斜面はなんとなく、緩やか、ロープを出せば、なんとか降りられそう。

右側は、自分のレベルでは不可能だ。慎重に落ち口から戻り、立ち木へのルートを探る。
しかしながら、この斜上もかなりつらい。ロープを出しながら、脆い岩場をゆっくり登る。
やっと狭い尾根に辿り着く。脆いので足場は慎重に選び、なんとか、目指す立ち木(15cm位)まで登る事が出来た。
ロープを掛け、ゆっくりと下へ降りる。やっとのことで、大滝下へ降り立つことが出来た。
いやぁー、苦労しただけあって、感無量。
大滝下は、井戸底のような感じで、人を寄せ付けない感じがあり、異空間だ。
左は非常に高い壁、右側もきつい壁だが、もし降りてくるとすれば、ロープ使用で可能かな、てな所だ(脱出ルートとしても可能)。
壁が高く、脆いので、落石が怖い。
十分、注意しながら、滝の写真を撮る。
落差は20M、下段は滑滝、上段は垂直になって落ちている。
水量も多く、丁度太陽が滝上にあり、飛沫がキラキラ光っている。
しばらく写真を撮った後、ロープを手繰り狭い尾根上に戻る。
ロープを出しながら、一旦F2下へ降りる。

さぁー、次はどうやってここを巻いて登るかだ。
右尾根の方が登りやすそうだが、道路が左側の方にあり、なんとなく逃げるには、左尾根の方がよさそう。
左尾根に取り付いて見る。この登りも簡単ではない、たぶん、マシラさんが歩いた跡だろうか、かすかな踏み跡が付いている。
途中、左尾根越しに、大滝の姿を見ることが出来る。
上部に出ると、左、道路方向から、かすかな踏み跡が降りてきている。
その道を利用しながら辿ると、F4・5Mのさらに上の沢に降りることが出来た。
大滝から続くゴルジュは、ものすごく、F4下へも降りることは出来なかった。
明るい沢上へ降りて、やっと一息。すぐ上は、小さな二俣、水流のある左に入ると、F5・5Mの滝。
その上には堰堤が見え、もう沢登りの終焉だ。
滝下から左に登ると、細い取水パイプがあり、踏み跡が出てくる。
その道を登ると、林道の終点に飛び出た。
この枝林道を登ると、私有地と書かれた無人の小屋がある。
道は沢方向へも続いているが、もうおしまいなので、左に曲がり、林道を下る。
大野山登山道を右に見て、どんどん下る。
猟犬がいっぱいいる民家の前を過ぎると、ゲートがでてくる。
帰りは、あっという間だ。短い沢ながら、大滝あり、厳しい巻きありと、面白かった。

車――――林道――――車

9:20  12:20   13:00

 

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