湯ノ沢
西丹沢の秘境、湯ノ沢について書こう。(四年前の記録)
湯ノ沢は、中川温泉旅館街で中川川に合流している支流だ。
[およそ沢登り場としての丹沢をおもう者で、西部の中川湯ノ沢を知らないひとはないだろう。
戦後出たおびただしい数のガイドブックには、たいていのっているので、実際に
入った事の無いものでも、およその見当はつくというもの]丹澤記より。
丹沢の沢を愛した吉田さんの記事からも興味をそそられる。
湯ノ沢は、一ノ沢から十二の沢までの枝沢を有する、本流のはっきりしない沢だ。
その短い流程のなかに、多くの滝が秘められている。
また周りの岩の色から、黒棚、赤棚と固有の名前がつけられているのも面白い。
通常水量があまりないので、多めのときがいいだろう。
車で最初の大きな堰堤の前まで入り、そこに駐車する。
道路は堰堤の上まであり、そこから沢に入る。
最初に出てくるのがニノ沢、右岸に合流し、F1(8M)の滝が見える。
F1の滝を登って行くと、すぐF2(25M)の直瀑が現れる、これは見事な滝だ。
ここからまた本流に戻る。
しばらく沢を歩いていくと、右岸にあまり水量のない三ノ沢が合わさる。
大きな滑滝で水量があればいいのだが。
またしばらく行くと、本流に幅広のきれいな3Mの滝がかかっている。
その滝の上に左岸から十二の沢が合流している。
その上は大きな深田堰堤だ。
なぜ固有の名前がついているのか知らない。
左から巻いて登る。
しばらく行くと、左岸から広いゴーロの十の沢が合わさる。
ここは左へ行く。
少し行くと八ノ沢、九ノ沢が左岸から合流する。
八ノ沢は、高さがわからないくらいの高さの滝で落ちている
おしむらくは水が少ない。
またしばらく行くと、沢は二俣に分かれる。
水量は同程度、正面が四の沢で、黒棚が奥にでんと直立している。
黒棚下部まで行き堂々とした滝を間近に見上げる。
また二俣に戻り、右に入る。
少しいくとほぼ三俣になっていて五、六、七、ノ沢が合わさっている。
それぞれが大きな滝で合流していて、五の沢には赤い色をした赤棚がかかる。
この辺は実に不思議な見ごたえのあるところだ。
ここを最後に戻る。
沢沿いにかすかな踏跡があり、帰りはそこを下る。
中川温泉で湯に浸かって、山行を振り返るのがまた楽しい。
車――七ノ沢大棚――車(約5時間)
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