-ゴスドラマ過去ログ:14601-14700-
酒井雄二「いやいや。」
黒沢カオル「俺も喘息持ってたよ、小さい頃だけど…。」
北山陽一「酒井が言いたいのは『黒沢さんならわかるけど…村上さんは…』って事だろ?」
ト書き「黙って頷く酒井。」
村上てつや「どう言う意味だよ、酒井!?…ゲホゲホ…っぅ…。」
黒沢カオル「ほら、村上!まだ絶対安静なんだから…落ち着けって。」
安岡優「まぁまぁ、世の中色んな事が起きてる時代だしね、リーダーが喘息になる位おかしくないよぉ♪」
ゴスペラーズ「(安岡以外)>………。」
安岡優「はにゃぁ?…なんか俺、ヘンな事言ったぁ?」
村上てつや「ヤス、お前…俺が元気になったら…覚えとけよ……。」
ト書き「一同が唖然とする中、安岡は首を傾げ、村上は布団の中で拳を握っていた。」
黒沢カオル「…ま、まぁ、病み上がり何だし今日はもう寝ろよ。な?村上。」
ト書き「黒沢に優しく声をかけられリーダーの怒りも少し収まった。」
村上てつや「…おうっ…。なぁ…黒沢……。」
ト書き「村上は言葉をためらい線を外した。」
北山陽一「…行くぞ…。」
ト書き「北山は、安岡、酒井、バリ”K”〜んを連れ部屋を後にした。」
黒沢カオル「おいっ…北山…みんな…。」
ト書き「一人置き去りにされた黒沢はイスを引き出し座った。」
村上てつや「…黒沢…色々、ありがとなっ……。」
黒沢カオル「なんだよ…村上らしくない…。」
村上てつや「…こう言うときじゃねぇと…言うの照れくさいだろ…。」
ト書き「黒沢から目線を外し少し照れくさそうな村上が言った。」
村上てつや「11年間ぐらいかぁ…長いよな…。…お前にはたくさん迷惑かけた」
黒沢カオル「そんな事ないよ!…俺のほうが村上に迷惑かけた…。」
村上てつや「…俺がお前を色んな事に巻き込んだからな…。」
黒沢カオル「最初は”恐そうな人”だと思ってた。でも、全然違った。俺の世界を広げてくれたの…村上、ありがとう。」
村上てつや「まっ、これからもヨロシクな…公私ともども…。」
黒沢カオル「うん……。」
ト書き「2人は照れくさそうに笑いあった。」
黒沢カオル「でもさ、『友情!』とかウリにしてる漫画だとこういう場面じゃ堅ぁく握手するんだろーね。」
村上てつや「そっ、そうだな、ハハハ(笑)。(って俺らは友情以上だよなあ、カオル…」
黒沢カオル「さてと…明日には退院できそうなんだから、今日はゆっくり寝てて。俺」
ト書き「言葉を突然止める黒沢。」
黒沢カオル「あっ、ゴメン…。ともかく、俺もう帰るから…うん。村上今日は大人しく寝てろよ!」
村上てつや「…あぁ…。」
黒沢カオル「そんな寂しそうな顔するなよぉ!また明日来るから。」
村上てつや「おぅっ。」
黒沢カオル「じゃあね!」
ト書き「微笑みながら黒沢は部屋を出て行った。」
ナレーション「部屋の側にあった広いフロアに居る酒井、北山、安岡。」
黒沢カオル「あれ?バリ”K”〜んは?帰ったの?」
安岡優「うん。『また村上が元気になったら飲みに行こう!』ってさぁ。」
黒沢カオル「ふ〜ん、そっか……。」
酒井雄二「村上さんは?」
黒沢カオル「うん…少し話したけど、疲れてるみたいだから寝かした…。」
北山陽一「…寂しかったんじゃいですか?…村上さん……。」
ト書き「窓の月明かりを見ながら静かに言う北山。」
北山陽一「長い時の中で、唯一彼を見つめてきた黒沢さん…時の流れと共に彼は黒沢さんをどれだけ求めてきた事か…。」
黒沢カオル「村上を求めていたのは俺のほうだよ、北山。…礼を先に言わなくちゃいけないのは俺の方だったのに…。」
北山陽一「…彼はあなたを【友達以上】と認めているのでしょう…。」
黒沢カオル「友達以上…かぁ…。俺も村上は友達以上だと思ってる…大親友だよ。」
安岡優「…なんか今日はやけに語りモードだね…北山…。」
酒井雄二「…うん…これは大人しく聞いているしかないですな…。」
ト書き「北山の真面目な語りをそっと見守る安岡、酒井。」
北山陽一「……あっ。しまった、望遠鏡忘れたよ…。」
黒沢カオル「望遠鏡?…何に使うんだ?」
酒井雄二「小道具使う気だぞ…(汗)。」
北山陽一「今日は星がよく見えますよ。」
安岡優「…あ、ホントだ。結構見えるもんだねぇ…。」
酒井雄二「おいおい…。もしや歌う気じゃあ…。」
安岡優「歌うって…。あの歌?」
ト書き「まさか、と顔を見合わせる二人。」
北山陽一「歌いませんよ!ここは病院ですよ!?」
ナレーション「そうそう。こんな所でネタバレしないようにっ!」
酒井雄二「教育的指導!!」
北山陽一「ともかく…これからも村上さんの側で見守っていてあげて下さいね…。私たち3人も年下ですが、見守っていくので…。」
安岡優「うん、俺ら年下で生意気だけど…。」
酒井雄二「これからも、一緒にゴスペラーズとして頑張っていきましょう。」
黒沢カオル「うん、ありがとう。村上の事も、俺の事も…これからもずっとよろしく。」
ト書き「大学生だった頃のように無邪気に笑いあう4人。」
酒井雄二「…とりあえず、今日は帰って、休みましょうか。明日はめでたくうちのリーダー村上てつやが退院しますし。」
黒沢カオル「そうだね。そうだっ!明日俺の家で退院パーティーしようよ!」
安岡優「やったぁ〜!久々に黒ぽんの美味しい料理が食べれる!」
北山陽一「あくまでも”リーダー村上てつや”の退院パーティーだからな、ヤス。」
安岡優「わかってるよぉ!!」
ト書き「ふくれっつらの安岡、それ笑う黒沢と酒井、北山。」
安岡優「ねーねー、何つくってくれるのぉ〜?」
ト書き「すぐに機嫌が直ってしまう、単純な安岡であった。」
黒沢カオル「そうだねぇ…村上の好きなモノ作ってあげたいけど…病み上がりだしなぁ…。」
北山陽一「俺達が騒ぐ為のパーティーじゃないですから……、酒もごちそうも必要無いと思いますよ?」
安岡優「えぇ〜?それって『パーティー』って云わないよぉ!」
北山陽一「代わりに……。」
ト書き「北山は、ずずい、と携帯電話を取り出す。」
北山陽一「…仕事をしばらく休むんですから、誰かとひっついて事務所所有の建物に療養に向かってはどうでしょう?」
安岡優「事務所って…別荘とか持ってた?」
酒井雄二「それ以前に…俺は『誰かとひっついて』というのが気になるんだが。」
黒沢カオル「どういう事?北山?」
ナレーション「小首を傾げる黒沢薫。」
北山陽一「女の子と一緒…の方がてっちゃんも嬉しいでしょう?」
安岡優「賛成、賛成!!きっと喜ぶよリーダー!」
酒井雄二「ヤスが1番喜んでないか?」
黒沢カオル「女の子って……。真理さんとか?!」
北山陽一「………それはどうかと…。」
酒井雄二「再起不能に陥りそうですな…。」
安岡優「真理さんはすでに『女の子』とはいわないんじゃあ…。」
佐々木真理「あんたたち…。いないと思って好き放題言ってくれるわねー!ったく、ゴスペラーズで可愛いのは黒沢君だけだわ…。」
黒沢カオル「えぇ〜、俺『可愛い』よりは『格好良い』の方が良いんだけどなぁ」
佐々木真理「確かに『格好良い』もあるんだけど…。どっちかって言うと『可愛い』のほうが合ってるのよね、黒沢君には。」
酒井雄二「いや、今はそういう話をしてるんじゃなくてですね…。」
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