-ゴスドラマ過去ログ:26301-26400-
村上てつや「そういやー遅過ぎるな、まさかなんかあったか?」
黒沢カオル「なんだかさっき、お陽ちゃんの声が聞こえたような気がするんだ・・・。「助けて」って・・・。」
村上てつや「…もし安岡の身に何かあったとしたら…気のせいじゃねぇかもしれねぇな…!」
黒沢カオル「どうする?てっちゃん…。」
村上てつや「お陽さんが捕まったなら先に助けださねぇーと。旦那になにを仕掛けてくるかわかりませんよ!!?」
黒沢カオル「安がしっかりお陽を屋敷に連れて行ってくれたんじゃないのか?」
村上てつや「念には念をって言うし…ヤスが帰ってこないのも気にかかる。」
酒井雄二「(はあはあ・・・)すいません、遅くなって・・・?どうしたんですか、2人共??」
ト書き「息を切らして駆け寄る酒井。驚いてまじまじと酒井の顔を見る2人。」
酒井雄二「ちょっと、どうしたんですか?本当に・・・。そう言えばさっきヤスに会いましてね、ここに来たって訳なんです。」
村上てつや「・・・お陽さんと一緒だったか?」
酒井雄二「えっ・・・?はい、一緒でしたが・・・それが?」
黒沢カオル「いや、なんでもないんだ。ごめん酒井。ちょっと俺気が高ぶってるみたいだな(苦笑)お陽の声が聞こえたなんて・・・。」
酒井雄二「それはいつ頃の話です?」
黒沢カオル「えっ?えっと半刻前ぐらい・・・だけど・・・。」
酒井雄二「・・・私と分れたのが大体一刻前。ヤスのことだから大丈夫だと思うが・・・もしかしたら!」
ト書き「全員顔を見合わせる」
酒井雄二「私ちょっと旦那の屋敷、見てきます!!」
村上てつや「わかった!黒沢、俺たちはいっこくもはやく小林の城へ!!」
北山陽一「う・・・うん・・・?ここは?・・・私捕まっちゃったの?・・・足手まといになりたくないって・・・思っていたのに・・・。」
田辺恵二「まったく逃げ出すなんて・・・。女だと思って油断したな。でもこれで黒沢達が来てるって事がわかっただけでも良しとするか(高笑い)」
ト書き「ちょうちんの中の炎が、まるで北山の心を映し出したかのように妖しく揺れる。」
北山陽一「あっ彼方はこの国のお代官の…!黒沢様をどうなさったのです?!他の皆様は…?!」
田辺恵二「ふふふ…安岡、という男は、もう斬ってやったよ」
北山陽一「・・・切った・・・?・・・私の・・・私の所為・・・?」
田辺恵二「他の者たちも時間の問題だな。お前がおとなしくしていればこんなことにはならなかっただろうに・・・ふふふ(含み笑)」
北山陽一「・・・。どうすれば・・・どうすればあの方達を助けることが出来るのですか・・・。」
ト書き「ろうそくの炎がジジッと鳴った。北山の目は(何かを決意したように)まっすぐに田辺を見つめた。」
北山陽一「(私が、私がもっとしっかりしていれば・・・あの方達を危険な目に遭わせることなかった・・・。今度は私があの方達、黒澤様をお救いする番です!)・・・教えてください!」
田辺恵二「…見た目よりは度胸のある娘さんだねぇ…なんなら殿直々に訴えてみるかい?用件は…そうだな、『殿との縁談の了解』とでもいこうか。」
北山陽一「・・・それで本当にあの方達を助けていただけるのですね・・・。」
ト書き「北山の瞳に涙がにじむ。自分の中で、黒沢に対する想いが大きくなっていくのがわかるのだ。」
田辺恵二「(にやり)悪くない条件じゃないか。それで好きな男を救えるんだぞ?」
北山陽一「・・・それで・・・それで本当に助けてくださるのなら・・・!!・・・私・・・殿と・・・(声に詰まる)」
田辺恵二「お〜そうかいそうかい。じゃあ早速殿と会っていただこうか。」
黒沢カオル「…その必要は、ないよ。」
ト書き「唐突に、静かだった部屋に声が響く。」
北山陽一「・・・えっ?黒・・さ・わ・・・様・・・?」
村上てつや「部屋に鍵をかけておかなかったのが甘かったな、お代官さんよぉ。」
黒沢カオル「お陽ちゃん、ごめん・・・。怖い目に会わせちゃったね・・・。」
田辺恵二「なっ…安岡というヤツを斬って油断したか…!」
北山陽一「・・・なんで・・・なんでここに来たのですか?・・・私、私・・・。」
黒沢カオル「あの時…4年前に約束しただろ?『ずっと守る』って…。」
村上てつや「そこっイチャつくのは後回し!それよりお前…安岡を斬ったってのは真か?」
田辺恵二「ああ、俺がこの手で切った(高笑)」
黒沢カオル「ヤスが切られるなんて・・・こいつっ!」
ト書き「その時。誰も居ないはずの障子に、小柄な影が映る。」
安岡優「…あのねぇ、斬られたと死んだを一緒にしちゃぁダメだよぉ★」
村上てつや「ヤスっ!お前っ!!」
酒井雄二「すいません、遅くなりまして。間に合いましたかな?」
黒沢カオル「酒井!安岡は一体どうして・・?」
村上てつや「ったく、結局全員集合かよ。ヤスの頭の包帯は後でワケを聞くとして…お陽さん返してもらおうか。」
田辺恵二「…残念だがそんなに簡単にこの娘を返すわけにはいかないな。」
ト書き「田辺が手を叩くとどこからともなく人がわらわらと出てくる。」
田辺恵二「…さて、お嬢さんは私と一緒にきてもらおうか。」
黒沢カオル「そうは・・・いかないっ!!」
村上てつや「っ!!これじゃあ切りがねえ。旦那、先を急げ!」
ト書き「駆け出す黒沢。が、しかし、その場に田辺とお陽の姿はなかった。」
安岡優「さーて、俺イライラしてるんだよね〜。サクってやっつけちゃおっか(にっこり)」
酒井雄二「怪我してるんだから程々にしておきなさいね。」
村上てつや「(旦那は・・・追いついただろうか)早くやっつけて追いかけるぞ!」
安岡優「あっいあっいさ〜★」
黒沢カオル「ちっくしょお〜っ!どこにいるんだ?!」
ト書き「廊下をウロウロしている黒沢。それを見つけた侍が襲い掛かる。」
黒沢カオル「・・・っ!!俺・・・人切るの・・・苦手なんだよねっと。」
ト書き「そういいながらミネウチをしていく黒沢。ふと北山の声がきこえた。」
黒沢カオル「お陽ちゃん?!(襖を開ける)お前は・・・。」
ト書き「その場に見えたのは小林殿に無理やり押さえ込まれそうになっている北山。それを見て黒沢は怒りを押さえられない自分を感じていた。」
北山陽一「黒沢様!!離してください・・・っ!嫌、いやあ〜!!」
黒沢カオル「お陽!!殿だからといって容赦はしない・・・お陽を離せ!!」
ト書き「音もなく、黒沢は刀の切っ先を小林の首に突きつける。」
小林社長「…甘いな。」
ト書き「と、その瞬間、小林の足元が二つに開く。どうやら隠し扉のようだ。」
北山陽一「黒沢様?!」
小林社長「強がっていられるのも今のうちだ。」
ト書き「足元を小林がドンと踏むとぱっくりと床が落とし穴の様になった」
黒沢カオル「危ないっ!!ちくしょう、こんなのに引っかかっちまうなんて(唇をかみしめる)」
小林社長「逆転・・・とはこのことだな・・・。落ちろっ!!」
ト書き「だんっ!という音とともに、淵に捕まる黒沢の手に小林の足が踏み落とされる。」
北山陽一「やめてええええええええっ!!」
ト書き「その声もむなしく…黒沢の姿は、深い闇へと消えた。」
村上てつや「…よーしっ、これでとりあえず一段落着いたな。…ってオイ、安岡?!」
ト書き「ふらふらと足をふらつかせる安岡を見て、慌てて村上と酒井がかけよる。」
安岡優「だいじょ〜び、だいじょ〜び・・・。あれ??」
酒井雄二「本当に無理する人ですね、あなたは。」
村上てつや「ったく…そーいやぁお前、あの代官に斬られたってマジだったのか?」
安岡優「えっ?あ〜、うん。あんまり良く覚えてないんだよね〜。後ろからいきなりだしさ〜。」
酒井雄二「バリさんから聞きましたよ、3日間は安静なのに…」
安岡優「だって…また約束破って辛い思いするのは嫌だし…(ボソっ)」
村上てつや「ん?なんか言ったか??」
安岡優「ううん、なんでもな〜いよ★さて黒沢の旦那でも追いかけようか!」
黒沢カオル「あ、ああ…」
ト書き「安岡の傷に二人は不安を抱きながらも、三人は黒沢が走っていったほうへと向かった。」
黒沢カオル「うっ・・・いてててて。ここはどこだ?」
ト書き「ゆっくりと上を見上げるとそこはもう開いてはいなかった。」
黒沢カオル「んー…暗いし寒いし…」
ト書き「と、その時、暗闇の中に、かすかに揺らめく炎が見えた。」
DJバリ"K"〜ん「あっ…もしかして、黒沢の旦那じゃないですか?!」
黒沢カオル「ああ〜!!バリだ〜、良かった〜。」
DJバリ"K"〜ん「どうしたんです?こんなところで。」
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