-ゴスドラマ過去ログ:27501-27600-
一般人(男)「わかった!話すから…話すからこの男をなんとかしてくれぇ!!(涙目で村上に訴える。)」
村上てつや「だってよ、酒井…。」
酒井雄二「せっかく面白い所だったのに…仕方ないですね、ではチャンと話して下さいよ。」
ト書き「酒井は侍から離れると少しつまらなそうにしていた。」
村上てつや「で?何処行ったんだよ城主の野郎は?」
一般人(男)「呉服屋の娘のお陽とやらを正妻にするんで屋敷の方に向かいました。ついでに黒沢家も行くとか…。」
村上てつや「酒井!!」
酒井雄二「どちらにしても危ない状態なのは確かです…早くヤス達に伝えなくては!」
村上てつや「素直に吐いてくれてありがとうな!もう、用無しだ!」
ト書き「腹を殴り侍を気絶させる村上。」
酒井雄二「急ぎましょう!!たぶんこの上に居ると思います。」
ナレーション「一方、安岡、黒沢、お陽たちは…。」
安岡優「多分ココが城主の部屋だと思うよ…どうする?黒沢の旦那。」
黒沢カオル「決まってるだろ?行くぞ、ヤス!」
効果音「バタン!!」
安岡優「お前の命、この安岡優が貰った!!」
佐々木真理「なに奴?!誰か!」
安岡優「お鈴!!」
黒沢カオル「ちょっと待って…真理さんじゃないの?」
安岡優「(…お鈴はもう、居ないんだったな…)真理さん、何故ここに?」
ト書き「聞き覚えのあるその声に、真理の頭の中で一つの光景が浮かび上がる。」
ナレーション「〜回想〜」
安岡優「なぁお鈴、俺達ずっと仲間だよね!」
村上てつや「あったりまえだよ!もしお鈴に何かあったら…絶対俺達が助けてやるぞ!!」
安岡優「今度みんなで蛍見に行こうよ!すっごく綺麗なんだよ!」
村上てつや「お鈴まだ蛍見た事ないだろ?すごいぞ!」
佐々木真理「…私…貴方を知っている…貴方は誰?」
北山陽一「カオルさん安岡様…昨日会った真理さんと少し違いますわ…。」
ト書き「目の前の女の様子や顔、姿を見て不思議に思うお陽。」
安岡優「違う…?」
酒井雄二「ヤスー――!黒沢の旦那〜!お陽さ〜ん!」
黒沢カオル「酒井だ!」
ト書き「振り返ると息を切らした酒井と遅れて村上が姿を見せた。」
佐々木真理「貴方は…夢のお方!!」
酒井雄二「あれ?あの女性は…真理さんではないですかな?」
村上てつや「真理さん?何故ここに?」
佐々木真理「…あなた達は一体誰なんです?」
ゴスペラーズ「えっ…!!?」
北山陽一「やっぱり真理さんではないのでは…?」
佐々木真理「私の名前は確かに”真理”でございます…ですが、あなた達の事は存じ上げません…夢でしか。」
村上てつや「真理さんじゃない…?!…まさか!!」
ト書き「真理の傍に近寄り顔を覗き込む村上。」
佐々木真理「…貴方は…私の夢にいつも…。」
村上てつや「…お鈴か…?」
佐々木真理「…お鈴…(私の夢でいつもこの方は私の事をお鈴と呼ぶ…今も…)。」
村上てつや「違うのか…?」
佐々木真理「私は…私は…?わからな…!」
村上てつや「…なら…思い出させてやるよっ!!」
ト書き「そう叫ぶと、村上はぐいと力任せに真理を抱き寄せた。」
佐々木真理「私…この感じ…知ってる…貴方は…貴方は…?」
村上てつや「思い出してくれ…てつやだ…村上てつやだ…。」
佐々木真理「…村上…てつや……(てっちゃん…)。」
村上てつや「お鈴…逢いたかった…。」
佐々木真理「…てっちゃん…私…。」
村上てつや「済まなかった…苦しい思いをさせて…守れずにずっと3年間ココに居たなんて…もっと早く気がついてれば。」
佐々木真理「…思い出した…私はお鈴…この方は…てっちゃん。」
村上てつや「もうお前を離したりしない…ずっと俺の傍に…俺がお前を守るから…!!」
佐々木真理「…ずっと待っていました、きっと助けに来てくれるって…お鈴はずっと…。」
安岡優「生きてたんだ…!!お鈴は生きてたんだ!」
黒沢カオル「村上…。」
村上てつや「覚えてるか?この簪…俺がお前にあげたヤツだ…安もんだけどな。」
佐々木真理「覚えていますわ…お鈴は…お鈴は…。(涙)」
村上てつや「お鈴!!」
ト書き「村上は、真理を…いや、お鈴を強く強く抱きしめる。」
佐々木真理「あ・・・・あ・・・・村上さま・・・・・・・」
村上てつや「もう、離さねぇ…!お鈴…俺は、お前が好きだ…ずっと昔から…そして、これからもずっと…!」
佐々木真理「村上さま・・・!!」
村上てつや「思い出したんだな!!!お鈴!!!」
ト書き「その様子を複雑なカオで見ているヤスとお陽」
酒井雄二「良かったですね…ねぇ、ヤス!?」
安岡優「ん?…うん…そうだね…安心したよ…良かった…。」
ト書き「引きつった笑顔を見せると安岡は廊下へ出た。」
黒沢カオル「お陽…村上、凄く幸せそうだな。」
北山陽一「えっ…えぇ、とても幸せそうですわ…良かった御無事で…。」
ト書き「お陽は黒沢に微笑むと少し淋しげに村上とお鈴を見た。」
村上てつや「どうしてお前はココに居るんだ?何故、小林の部屋に…。」
佐々木真理「あの、それが…」
ト書き「山賊の事、自分が記憶を失っていたこと、お鈴はすべてのことを洗いざらい話した。」
村上てつや「…アイツ…絶対に許さねぇ!!お鈴をこんな目に合わせやがって!!」
酒井雄二「アッ!村上さん、早くしなくては!」
村上てつや「忘れてた!小林達はお陽さんの屋敷へ向かっているんだった!黒沢の旦那の屋敷も危ねぇ!」
北山陽一「…お父様とお母様が!!」
安岡優「大変!!町の方で人が凄い騒いでるよ!!」
黒沢カオル「急ごう!アイツ等の好きにさせたくはない!!」
村上てつや「お鈴、俺の傍から離れるなよ!!」
ト書き「村上はお鈴の手をシッカリと握ると、みんなの後へ続き部屋を出た。」
佐々木真理「…(村上様…。」
北山陽一「村上さま……。」
ト書き「大通りに入ると町の騒ぎがだんだん大きくなって聞こえてきた.」
酒井雄二「急がなくては!!」
安岡優「すいません、ちょっと通してください!」
北山陽一「ああっ!・・・お父様・・・お母様・・・。」
黒沢カオル「お陽?!しっかりするんだ!お陽っ!!」
ト書き「そこで」
ナレーション「メンバーは信じられないものを目にした。」
安岡優「あ・・・あれっ!!」
ト書き「そこにはお陽の両親が木に張り付けられていた」
北山陽一「キャァ〜〜!!」
ナレーション「お陽はショックのあまり倒れそうになった。」
北山陽一「お父様、お母様・・・。なんてひどいこと・・・。」
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