-ゴスドラマ過去ログ:27701-27800-
佐々木真理「ヤスくん・・・ごめんね(悲しげな微笑み)。では皆様・・・失礼いたします!」
ト書き「そう言って走り出すお鈴。顔を伏せたままの安岡の肩に手を乗せる村上。」
村上てつや「お鈴はけじめをつけにいったんだ。俺は・・・俺らはアイツを見ていなくてはいけないと思う。そうだろ?」
安岡優「・・・分かってる、分かってるんだよ!!でも・・・。」
村上てつや「だから信じてまとう・・・」
安岡優「うん・・・・」
ト書き「安岡の心は、未だに晴れない。」
安岡優「(ほんとに、大丈夫だろうか・・・。また同じことが・・・。)」
北山陽一「安岡様・・・私にも言ったことありましたね・・・。心配で泣き出してしまった時信じていれば大丈夫だって。難しいかもしれませんが信じましょう・・・ね?(微笑み)」
ト書き「コクン、とうなずく安岡。しかし…心が晴れない理由は、安岡自身も気づいていない。」
安岡優「(俺、まだお鈴の事好きなのかなぁ…ううん、まさか。大体、お鈴はてっちゃんのことが…)」
黒沢カオル「yasu」
安岡優「ん?何?」
黒沢カオル「彼女…お鈴さん、だっけ? やりたいようにやらせてやれよ。」
安岡優「俺は…っ。」
黒沢カオル「理由はどうであれ、生きてるって信じてたら、又生きて逢えたんだろう? …それの延長線で、『無事に帰ってくる』って、信じてやれよ。」
安岡優「…俺は…。」
黒沢カオル「ヤス…自分の気持ちに嘘ついちゃいけない。お鈴さんにも、ちゃんと言わないと…その為には、まず信じないといけないだろ?」
酒井雄二「旦那キズ平気ですか?」
黒沢カオル「あぁ、大丈夫だよ。」
安岡優「・・・俺っ!!(ぐっと目を瞑る)・・・俺もけじめをつけるよ・・・自分の気持ちに。」
ト書き「安岡はそう言って黒澤をまっすぐに見つめた。その瞳は何かを決心したかのようだった。」
田辺恵二「・・・こんな所にいるとはな。ふふふ、飛んで火にいる夏の虫とはこのことだな。」
ト書き「突然背後から声がして振りかえった5人。不敵な笑いを浮かべて田辺が立っている。」
村上てつや「田辺・・・代官が何故ココに?!小林と一緒ではないのかっ!」
田辺恵二「私は黒澤という輩を倒すように殿から言い付かってねえ。さて、早速始末してしまおうか(不敵な笑)」
酒井雄二「旦那は下がって下さい!こんな奴は俺達で」
安岡優「(遮るように)俺が・・・俺が倒す・・・。雄二、悪いんだけど俺けじめつけないとさ・・・お鈴ちゃんに見せる顔ないんだ(苦笑)。」
黒沢カオル「やす!これは、俺の問題だ!おまえのけじめではないぞ!勘違いするな」
安岡優「旦那・・おれは・・!」
黒沢カオル「ヤス…!!」
田辺恵二「何をごちゃごちゃいっておるのだ!行くぞ!!!トイヤーーーー!!!!!」
村上てつや「ヤス!旦那!!」
効果音「カキーン!(刀のぶつかり合う音)」
黒沢カオル「俺だってそんなに馬鹿じゃないんだよっ!!」
ト書き「刀を受けた衝撃が傷に響いて、黒沢は少し顔をしかめた」
酒井雄二「旦那っ!!」
黒沢カオル「…(まだ、イケるか…?…そうなら、良し。)」
田辺恵二「傷を負っているのか?…都合の良い…。」
ト書き「悪人特有の笑いを浮かべた田辺へ、黒沢は人好きのする笑みを向けた。」
田辺恵二「なにを笑っている…。」
黒沢カオル「あんた…“街角まがない師”に占って貰えよ。 『死相が出ているので、外出は控えましょう』って忠告されるから。」
ト書き「田辺が刀を上段に振り上げた瞬間、黒沢が刀を捨て、懐に飛び込んだ。」
田辺恵二「ぐっ……?…」
ト書き「痛みに、呆然とする田辺の身体を、蹴って自らと離れさせる。」
黒沢カオル「…つくづく、この感触に…慣れそうもないなぁ…。」
ト書き「黒沢の左手には、僅かばかり血が付着している短刀が握られていた。」
北山陽一「…っ…(薫さん…」
ト書き「田辺がゆっくりと倒れこみ、黒沢へ北山が駆け寄った。」
黒沢カオル「あいたーっ。…ってふざけてる状況ぢゃないね。」
北山陽一「薫さん…ひとを、人を…斬って…?」
黒沢カオル「殺しちゃいないよ。こいつは罪を償わなくちゃいけないからね。」
安岡優「俺だったら・・・。確実に殺してた・・・。」
黒沢カオル「…これに付いてるのは、俺の血だよ。正真正銘。」
北山陽一「? は?」
村上てつや「それはどういう意味だ??」
黒沢カオル「柄を握ったまんまの手で、急所を殴っただけだ。気は失っちゃいるが、命に別状は無い。」
ト書き「そういって黒澤は安岡を見た。」
黒沢カオル「殺したいお前の気持ちも分かる。あんな怪我させられたんだしね(苦笑)でも殺しちゃおなじになっちまう。そうだろ?」
酒井雄二「旦那・・・ヤスも分かってますよ(微笑)。ただ気持ちが空回りしちゃっただけです、な?」
安岡優「俺、あいつ等と同じとこするところだったんだね・・・。ゴメン、旦那の気持ちに気がつかないで。」
村上てつや「それに気がつけばいいんだろ?クヨクヨしない!!・・・ん?」
北山陽一「?村上様??」
ト書き「村上は何かに気がつき突然走り出す。その様子を見ていた4人はゆっくりとその方向を見ると。」
安岡優「お鈴ちゃん!!」
酒井雄二「無事だったんですな。よかったな、ヤス・・・。」
北山陽一「村上様も幸せそうですわ(微笑み)。」
黒沢カオル「お鈴さんが苦しそうだよ(苦笑)てっちゃんそのくらいで放してあげないと・・・。」
ト書き「和気藹々と話しているところに1人の男が話掛けてきた。」
平見文生「黒澤・・・カオルさまでいらっしゃいますね(微笑み)」
黒沢カオル「え・・?ええ、そうですけど?」
安岡優「・・・誰?この人・・・。」
酒井雄二「しーっ!静かに・・・。」
平見文生「あなた様のおじい様からのお手紙を預かってまして・・・。おじい様のことはご存知ですか?」
黒沢カオル「え・・・ええ。父や母から話しは・・・。今更何の話しなんだろう。」
村上てつや「どういうことなんだよ!俺は話しが見えないぞ?!」
黒沢カオル「えっと、俺の両親は・・・実は駆け落ち結婚なんだよね〜(苦笑)。結婚に反対されたとかで出てきちゃったんだって。」
北山陽一「カオルさん・・・。」
黒沢カオル「それでおじい様はなんと言っているんです。あなたなら知っているでしょ?番頭さん・・・いえ、大目付殿・・・。」
安岡優「ええ〜?!大目付ってことは・・・?」
酒井雄二「しがない若旦那ではなくて、まあ分かり易くいえば王子様って所ですかね。」
村上てつや「何ぃぃぃーーー!!??」
安岡優「ちょちょちょっちょっと待って!!え?え?え〜〜〜?!」
村上てつや「…知らねぇのは俺とヤスだけか?ちゃんと説明してくれよっ!!」
酒井雄二「まあ・おちつきなされ!ちゃんと説明を・・」
黒沢カオル「わかった、これから説明するからちょっと落ち着けよ。」
村上てつや「お、おう。わかりやすくたのむぞ、黒沢の旦那。」
黒沢カオル「あのな・・・」
ト書き「そういって説明しだす黒沢」
黒沢カオル「…っつうわけなの。わかった?」
村上てつや「(・◇・)・・・(絶句)」
安岡優「…ってちょっと待ってよ!省略しない!!わかんないよぉっ!」
黒沢カオル「簡単に言えば親父が次期当主だったんだけども〜、お袋が平たく言えば使用人だった訳さ〜。」
酒井雄二「そこで恋に落ちて結婚しようとして反対されて駆け落ち・・・でしたね?あれ?勘当でしたっけ??」
安岡優「っていうか〜、なんで雄二知ってんだよこの事!!ええ〜?!なんでだよおっ!!」
ト書き「あまりの驚きに酒井に詰め寄る安岡。」
酒井雄二「ま、まってくださいって。今説明しますから。」
村上てつや「分かり易く、かつシンプルにだっ!」
酒井雄二「ん〜・・・簡単に言えば遠縁の親戚ですね。」
安岡優「まさか雄二・・・お前も王子様なんて事は・・・?(恐る恐る)」
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