-ゴスドラマ過去ログ:11501-11600-
07/28 14:49 ト書き「3人は、洞窟に入っていった」
07/28 14:50 一般人(男)「・・・。」
07/28 14:51 ト書き「3人が洞窟へ入っていくのを確認すると、木陰から、一人の若い男が姿を現した」
07/28 14:52 一般人(男)「・・・村長に報告しないと」
07/28 14:52 ト書き「そう呟くと、村の方へ引き返していった」
07/28 14:54 酒井雄二「…人の手が、加えられてます、かね。…ここの洞窟は」
07/28 14:55 ト書き「自然物には有り得ない程、滑らかな洞窟の岩壁を触り、酒井は呟いた。」
07/28 15:00 北山陽一「でも。…天井高いですね…まぁ、ドラゴンが通ったんなら、当たり前なんですけど、入り口が…こんなに狭いなんて…」
07/28 15:00 黒沢カオル「どう言う事?」
07/28 15:02 北山陽一「いえ、今は…まだ、確実な事が言えないので…」
07/28 15:05 ト書き「静かな洞窟の中を5分程歩き続けると、歩き続けていた通路とは違う、ひらけた場所に出た」
07/28 15:06 黒沢カオル「何にも見えない…。」
07/28 15:07 酒井雄二「松明出しますか…」
07/28 15:08 ト書き「荷物を手探りであさる酒井の頬へ、小さな空気の流れが感じられた。」
07/28 15:09 酒井雄二「…陽一?」
07/28 15:09 北山陽一「…………。すいません、失礼します」
07/28 15:10 黒沢カオル「『そこ』に、居るの?」
07/28 15:10 北山陽一「ええ」
07/28 15:12 ト書き「たいまつに火を灯し、酒井が暗闇に浮かび上がる北山の近くに寄ると、小山だと思っていた物体は。」
07/28 15:13 北山陽一「…もう……」
07/28 15:14 ト書き「目を伏せ、北山は首を横に振った。床に、朧げに見えるどす黒い染みは、ドラゴンの血、と伺える」
07/28 15:18 酒井雄二「…ここに、優が居なくて良かったかもな。」
07/28 15:20 ト書き「小山のような巨体の周りを歩いたり、鱗に触れてみたりして、北山は死んだ原因を見ているようだった」
07/28 15:23 黒沢カオル「なぁ…ドラゴンは、呪いをかけられて死んだんじゃないよ。」
07/28 15:24 北山陽一「はい。」
07/28 15:25 黒沢カオル「もし、呪われてたんなら、石が反応すると思う。ドラゴンを呪う位だからそりゃあもう、すんごく。」
07/28 15:26 酒井雄二「…魔力が、その痕跡を残すくらい?」
07/28 15:26 黒沢カオル「ああ。」
07/28 15:27 ト書き「暗闇の中、北山が、ドラゴンの身体に這い登り、一つの物体を目にした。」
07/28 15:28 酒井雄二「どうした?」
07/28 15:28 北山陽一「薫さん、ちょっと…石を持って、こちらに来て貰えますか?…魔法は使わずに。」
07/28 15:30 ト書き「酒井と黒沢も、少しためらいながらドラゴンの身体を登って、北山の元へ向う」
07/28 15:31 北山陽一「これが、原因だと思うんですが。石を近付けて欲しいんです」
07/28 15:33 ト書き「ドラゴンの首の辺に、鉄の棒が刺さっているのを見て、黒沢は息を飲んだ。」
07/28 15:35 北山陽一「…お願いします。」
07/28 15:37 黒沢カオル「うん。」
07/28 15:38 ト書き「ポケットを探って石を掴むと、それを鉄の棒へと近付ける。手がわずかに震えていた。」
07/28 15:38 酒井雄二「何も、起こらないな…」
07/28 15:40 北山陽一「…魔法は使われていない…ドラゴンの死因は、これです。」
07/28 15:42 ト書き「黒沢は何も言わずに、石をしまった。」
07/28 15:45 ナレーション「堅い鱗の隙間に、突き刺さっている棒を、しばし眺めて3人はドラゴンの身体から降りた。」
07/28 16:37 酒井雄二「…村長の言っていた事は、嘘だったな。」
07/28 16:38 北山陽一「それに、村人全員がこの事を知っている…んでしょうね。多分、死因も。」
07/28 16:39 酒井雄二「だから、断られる事を知って、宿屋の主人はヤスを村長の所へ出向かせた?」
07/28 16:40 北山陽一「彼は…ヤスの悲しむ顔が見たくなかったんだと思います。結構、ここに訪れていた様でしたしね」
07/28 16:42 ト書き「洞窟を、来た時とは逆に辿って、外に出る。先頭を歩いていた酒井が、不意に足を止めた。」
07/28 16:42 黒沢カオル「あて。」
07/28 16:43 ト書き「酒井の後ろを歩いていた黒沢が、酒井の背中にぶつかって声を漏らす」
07/28 16:44 黒沢カオル「どうした……?」
07/28 16:44 ト書き「見てみると。結界の向こう側に、村長と見た事のない顔が並んでいた。」
07/28 16:46 酒井雄二「御っ丁寧に、お出迎えデスカ?」
07/28 16:47 北山陽一「まぁ、彼等が勝手に定めた『法』を破ったのはこちらですからねぇ。…素直に捕まってあげましょうか。」
07/28 16:48 黒沢カオル「俺、あんまり…勝手な言い分って聴きたくない…。」
07/28 16:50 酒井雄二「黒沢も中々言うねぇ。」
07/28 16:51 ト書き「向こうから小さな札を片手に、数人歩み寄ってくるのを見ながら3人は自分達にしか聴こえないような声音で、そうやり取りした。」
07/28 16:55 村上てつや「しかたねぇな。捕まりますかぁ」
07/28 17:00 田辺恵二「きさまら・・・・あれほどいったのになぜこの中に入った」
07/28 18:08 村上てつや「だってよ・・・。」
07/28 18:11 安岡優「どうしてドラゴンに近づいちゃいけないんですか?」
07/28 18:18 田辺恵二「あんたらは知らなくていい事だ」
07/28 18:29 黒沢カオル「そんな言い方あんまりです・・」
07/28 18:35 北山陽一「ちゃんと説明してもらわないとこちらも納得できませんよ?」
07/28 18:47 酒井雄二「てか、何時の間にあなたがた戻ってきたんです?違うドラゴンと一緒に消えたはずでは…」
07/28 18:49 田辺恵二「・・言う必要は無い」
07/28 18:52 酒井雄二「(話に戻りますか‥)我々は、一応、その、ここと程近い場所の国王から依頼をされてまして。」
07/28 18:53 北山陽一「依頼を証明するものもあります。」
07/28 18:54 田辺恵二「俺達が頼んでもいない事を……。『国王の命令』だと?」
07/28 18:55 北山陽一「ええ。書簡に。その旨と、サインも記されておりますが。」
07/28 18:56 ト書き「北山は、書類の入った容れ物を取り出すが、村長には渡さずに、見せる」
07/28 18:58 田辺恵二「ドラゴンの死因と、犯人を見つける事を。向こうはわざわざやってくれるというのか。…いいだろう。」
07/28 18:59 ト書き「にやり、と口元が非好意的に歪んだ」
07/28 19:04 田辺恵二「あんたらに、ドラゴン殺しの犯人を探す事を、頼もうじゃないか」
07/28 19:04 北山陽一「恐縮です。」
07/28 19:05 ト書き「形ばかりの礼をもって、北山は答えた」
07/28 19:06 田辺恵二「だが、犯人が見つからなかった場合は。あんたらを犯人にさせてもらう。それが、条件だ」
07/28 19:06 酒井雄二「なんとっ」
07/28 19:07 黒沢カオル「えっ!?」
07/28 19:07 北山陽一「良いですよ?」
07/28 19:08 ト書き「北山が、即座に答えたので、村長も酒井も黒沢も、ぶったまげた」
07/28 19:10 黒沢カオル「ちょっ…勝手にっ、良いの?」
07/28 19:10 北山陽一「ええ。」
07/28 19:11 田辺恵二「ならば…。時間は、半年。その間に、犯人を連れて、この村に戻ってきてもらおうか。」
07/28 19:12 北山陽一「半年……はい、難しいですが、何とかやってみましょう。」
07/28 19:14 田辺恵二「今夜、うちに来てくれ。…逃げられると困る。」
07/28 19:14 北山陽一「逃げません逃げません。何を根拠に。」
07/28 19:15 ナレーション「村長が馬にまたがって帰っていくのを見届けると、北山は酒井と黒沢を振り返った。」
07/28 19:15 黒沢カオル「あ〜あ…。」
07/28 19:16 酒井雄二「この男は…やっちゃったな、もお…」
07/28 19:18 北山陽一「どうしてです?密室殺人…じゃないな、殺されたのは、竜か。」
07/28 19:18 黒沢カオル「俺、犯罪者になりたくない。」
07/28 19:19 北山陽一「だから、どうしてそんなにも後ろ向きなんですか。犯人を、見つければ良いんでしょう?」
07/28 19:20 酒井雄二「……一先ず、宿屋に戻るか……。」
07/28 19:21 ト書き「北山の肩を二度三度叩くと、酒井はぐったりとした歩調で村へと向った。」
07/28 19:22 ナレーション「場面転換、竜と共に消えた村上と安岡は……」
07/28 19:24 村上てつや「………。」
07/28 19:24 安岡優「………。」
07/28 19:25 ト書き「竜のねぐら、とも思える場所で、竜と向き合っていた。」
07/28 19:26 安岡優「え、と…こんにちは。僕は、魔物使いの、安岡って言います。」
07/28 19:27 ト書き「竜は閉じていた瞳を開き、安岡を一瞥すると、また閉じてしまった」
07/28 19:28 村上てつや「…(何だ、この威圧感……」
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