-ゴスドラマ過去ログ:8401-8500-
小林社長「…どうした、村上?」
村上てつや「なんで・・・どうして彼女を地獄にいかせたりしたんだよ・・・あいつは、本当は黒沢をかばって死んだんだろ?!だったら・・・だったらなんで地獄なんかに・・・!」
黒沢カオル「僕・・・。ちゃんと見たんです!となりで一緒に飛び込んでいく女の人・・・。(涙)」
村上てつや「あんたが・・・あんたが何がしたんじゃないだろうな・・・?(ちょっと怒っている)」
黒沢カオル「違っ!」
酒井雄二「村上さん、落ちついて。小林さんに話を聞くんでしょ。」
小林社長「・・・・・・・・彼女が黒沢を助けようとしたんじゃないんだ・・・・彼女が・・・・」
北山陽一「まさか彼女が・・・・・・黒沢さんを巻き込んだ・・・・?」
村上てつや「てめぇ!!!(北山のえりをつかむ)アイツがそんなことする事ねぇだろ!!!(北山を殴る)」
安岡優「だからやめてよ!!(村上が動けないようにしながら)なんでそんなにけんかになるの!?やめてよ・・・・俺・・・もう人がけがしてるところ見たくないんだ!!だからやめてよ!」
小林社長「話は最後まで聴け…死にたいとまで思いつめていた彼女が、バランスを崩して倒れた所に黒沢がいたんだ。そのまま、車道に出てしまったんだろう。…死ぬ事が出来て、良かったと彼女は思っていた。」
北山陽一「え・・・・・・・・?」
黒沢カオル「なにそれ…」
村上てつや「あいつが、死ぬ事が出来て良かっただなんて思うわけないだろっ!!」
小林社長「これは検分報告書だ。…彼女が死んだ時、ヒールの高い靴を履いていた。それに…村上、お前が死んだ事で後追いを考えていて、思考も正常じゃあなかった。……死ぬ間際「私もこれで死ねる。」と思い、痛みの恐怖よりも死ぬ喜びが勝っていた。それ程にお前の事が好きだったんだな。…黒沢は、完璧に事故に巻き込まれた死だ」
村上てつや「そんな……(俯く)」
ト書き「社長の口から発せられた、予想外の事実に、驚愕の表情を隠せない面々。そしてこの状況に見合う言葉を誰一人として見つけることができないまま、静かに時間だけが流れて行った。」
安岡優「北山さん、起きてる?あのさ、本当の事が分かったからこれでよかったんだよね?」
北山陽一「・・・そうだね・・・事実を知った事で、今までより一歩先に行けたはずですからね、確実に。」
酒井雄二「しかし・・・予想外の事実に・・・なんて言ったらいいか・・・」
安岡優「・・・・・・・・」
小林社長「…もう良いだろう。彼女が地獄送りになったのは、本来ならば還る事が出来たのに、それをしなかったから。…ここに来た時間のラグがあるのは、怪我の違いからだ。」
村上てつや「・・・悔やんでも・・・もう遅いってこと・・・か・・・そうだよな、どうあがいたって、もう元には戻せないよな・・・。・・・スミマセン、ちょっとひとりにさせてください。」
北山陽一「村上さん・・・。」
黒沢カオル「あっ・・・。(何かを言いかけたがやめる)」
安岡優「どうしたの?黒沢さん。まだ何か覚えがあるの?」
黒沢カオル「村上さんっ!(と言っておいかける)」
安岡優「(はぁ・・・、僕らいつになったら天使になれるんだろ?)」
村上てつや「り」
黒沢カオル「(途中で投稿しちゃったんだね。)すいません。ちょっといいですか?お話したいことがあるんです。」
村上てつや「なんだよ・・・。・・・つまんねぇ内容だったらマジで怒るからな。」
ト書き「視線を黒沢から外したまま、ボソっとつぶやく村上の横で黒沢はちょっと言葉を選ぶように考える仕草を一瞬見せ、再び村上を見つめた。」
村上てつや「・・・・怒らないからさ・・・。」
黒沢カオル「うん・・・じゃあ、話すね。」
ト書き「村上と視線を合わさずに下を向いて、今心の中にあるものを伝えようとする黒沢。」
黒沢カオル「・・・・・・俺・・・嘘ついてた・・・俺・・・・・知ってたんだ・・・・彼女が・・・・・・」
村上てつや「彼せ」
黒沢カオル「えっ?」
村上てつや「返せよ!!あいつ返してくれよ!!!」
黒沢カオル「!!・・・・・じゃあ言ってやる!!俺の命かえせよ!!俺は彼女に押されたのわかったけど、死にたくなんかなかったんだ!!返してくれよ!!・・・・・っ・・・・ごめん・・・俺・・・ごめん・・・・」
村上てつや「ちがっ…俺、最低だな……黒沢のせいじゃないのに…ごめん。」
ト書き「泣き出してしまった黒沢の頭にぽんと手を乗せ、あやまる村上。」
北山陽一「(無言でハンケチを差し出す)」
安岡優「…顔、拭けば?黒ポン。…」
酒井雄二「誰だって、そう考えるんスよねぇ。どうして死ななきゃならなかったのか…なんて。不幸のランク番付で自分が何番目に入ってるか考えて、自己満足するぐらいの結果しか得られないのに。…黒沢、俺の死因はお前並みに理不尽だったですよ。」
黒沢カオル「すいません・・・・・・ごめんね、みんな。俺、天使になんてなれないよね・・・北山さんハンカチ、ありがとう(走って行ってしまう)」
安岡優「あっ・・・・・・。黒ぽ・・・・・・・ん」
北山陽一「酒井さん・・・それは今いうセリフじゃなかったと思いますけど?」
酒井雄二「・・・・ごめん・・・俺もきっとどうかしてんだわ・・・・頭冷やしてくる。(といって顔を伏せ、走り去る)」
北山陽一「・・・ここにいる人達はみんな、心のどこかで「自分の死」を受け入れることが出来ないんでしょうね。僕達のような理不尽な死に方をした人は、なおのことそうなんでしょうね(呟き)」
安岡優「そうだね・・・。ねぇ、北山さん。今こんな事言うのも何なんだけど、酒井さんってどうして死んだんだと思う・・・?」
北山陽一「ホントに理不尽だね。(苦笑)・・・でも、確かに気にはなるな。僕達今回の事で、お互いの事情はだいたいわかりましたけど、唯一わかってないのが酒井さんですからね・・・。」
安岡優「うん・・・。酒井さん、黒沢さんに「俺の死因はお前並みに理不尽だった」って言ってたの、すごく気になるんだよね。でも、今の状況じゃ聞くにも聞けないし・・・。」
北山陽一「とにかく、今はそっとしておきましょう・・・。たぶんあの3人は、僕等以上に気持ちの整理がうまく出来ないんだと思うよ。落ち着いて見えるけど、僕等だって・・・ね?」
安岡優「そうだよね・・・。気持ちの整理なんて、そう簡単に出来るものじゃない・・・。ゆっくり時間をかけて、自分の中で消化してくしか無いんだから・・・。でも、腹割って話したほうが良い時もあるかもね?(少し笑顔になる)」
北山陽一「確かに。(微笑)お互い、思っている事をぶちまけるのも、また良いかもしれませんね。あの3人にはそうした方が、薬になるかも・・・。あまりにも自分の中にためすぎですからね。」
安岡優「ほんとホント。胃に穴空くぐらいまで悩んだりとかね。・・・あっ!まさに今の状況か。(いつものヤングスマイルで笑う)」
北山陽一「そういう事です。(ハハハと笑う)・・・さて、今の話のように、あの3人にぶちまけてもらいますかね?もちろん、私達もですけど・・・。」
村上てつや「…ぶちまけるってさぁ…?お前…。しっかし、何だかなぁ…雄二の奴は」
安岡優「それより、あの二人、探さないと。」
村上てつや「俺・・・雄二を探すから・・・そっちは黒沢を探してくれ」
ゴスペラーズ「(北)うん。・・村上も・・あんまりムリ、すんなよ。(安)黒ポンは俺らにまかせて。」
村上てつや「おう・・・んじゃ、また後でな。(そう言ってどこかへ走り出す)」
安岡優「(走りながら)・・村上、ムリしてたな・・・。・・あれっ黒沢じゃない?」
ナレーション「かすかに『誓い』が聞こえてきた。そして黒ポンがうずくまっている。」
効果音「せぇかぁいがぁ〜かたりぃつくしたぁ〜♪・・・・・えっぐ・・・えっぐ・・・(黒ぽんが泣いている)」
安岡優「う〜ん…普通泣きながら歌うかなぁ…?呼吸困難なのに。鼻つまってるのに。何気に凄い人?黒ポンって」
北山陽一「普段からいろんな意味ですごい人ですけどね・・・。(黒沢に近づいて)黒沢さん?黒沢さん?」
黒沢カオル「ん゛・・・・・?(おもいっきり泣いてる顔でふりかえる)」
安岡優「大丈夫?何で泣いてるの?」
黒沢カオル「べ・・・別に・・・(涙を洋服の袖でふく)何でもないよ・・・北山と安岡が心配しなくてもいいよ・・・」
北山陽一「・・・そんなに泣いてるのに、心配するなって言うほうが無理ですよ(微笑)。さぁ、行きますよ。」
黒沢カオル「いや・・・。行きたくない・・・。」
安岡優「なに子供みたいな事言ってるの、黒沢さん。」
黒沢カオル「だって・・・俺・・・村上さんや酒井さんに・・・あんな事言っちゃって・・・(また泣き出す)」
北山陽一「(ハンカチを差し出して)・・・大丈夫ですよ。村上さんも酒井さんも鬼じゃないし、きっと許してくれますよ。そう信じましょう?」
安岡優「そうだよ、黒沢さん。それに、思ってることは自分の中にためないで、吐き出しちゃった方が良いよ。1回、ちゃんと5人で話そう。ね?」
黒沢カオル「・・・・うん。わかった。」
北山陽一「それじゃあ、行きますか。今頃村上さんも、酒井さんを連れてきているでしょうし。」
ナレーション「そして3人は、先ほどいた場所に戻っていった。その頃村上と酒井は・・・」
村上てつや「どこいったんだよ、あいつ!・・・・・・あ!いた!おーい!酒井ー!!」
酒井雄二「かたちぃのちがぁう〜からだぁとあい〜でぇ〜♪」
村上てつや「酒井?おい、酒井!どうしたんだよ、お前まで。(体をおもいっきり前後に揺さぶる)酒井ー!正気を取り戻せー!!(酒井を殴ろうとこぶしを振りかざす)」
酒井雄二「〜♪・・・ん?ぎゃあ〜〜!!何しようとしてんですかっ!!あんた!!」
村上てつや「あんた!!って、心配で探しにきたんだよ!!ぽら帰るぞ!!」
酒井雄二「()」
ト書き「酒井は複雑の顔をした。」
村上てつや「ほら、帰るぞ!(動こうとしない酒井の腕を引っ張る)」
酒井雄二「・・・・・・嫌です!!!(子供のように、駄々をこねる)」
村上てつや「ばかたれ!黒沢も安岡も北山もみんな心配してんだよ!(酒井の頭を殴る)」
酒井雄二「いって〜!なにすんですか!!あ・・・俺は帰りませんから!!(そこに座りこむ)」
村上てつや「お前はなぁ・・・だめだ帰るぞ!!何が何でも連れて帰る!」
酒井雄二「嫌ですったら嫌ですっ!!(村上を遠ざけるように押してから俯いた。目にはうっすらと涙が浮かんでいる)」
村上てつや「酒遺」ゥゥ?」
酒井雄二「・・・・お願いだから・・少し一人に・・・させてくださいよ・・・。」
村上てつや「だからぁ、みんなおまえのことを心配してんだってほら、帰るぞ!!」
酒井雄二「少したったら村上さんたちのところへ行きますからちょっとでいいから一人にさしてくださいよ・・・(と言い飛んで行ってしまった)」
村上てつや「あ、酒井ーーー!!あの、バカ!!おーーい!待てコラ!!」
ナレーション「追い掛ける村上てつや。」
酒井雄二「(走りながら)ほっといてくれぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!(エンジン全開)」
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