-ゴスドラマ過去ログ:11401-11500-
酒井雄二「それでは薫さんの本当のご両親は・・・?」
北山陽一「城主だったのさ、ここなんかよりでかいな・・・・薫はまた売られる運命なんだよ。その事を知っている江戸の城主・・・薫の両親を殺した奴にな。」
酒井雄二「そうだったのか・・・・。」
黒沢カオル「・・・・。」
ト書き「話を聞いてしまった薫。「本当の両親」そして「また売られる」その言葉で、育ててくれた両親に自分が売られたのだと気がつく。そしてこれから自分の身に起こるであろう事にも。」
村上てつや「薫ちゃん、大丈夫だよ。薫ちゃんは俺達が絶対に護るから!」
ト書き「「頼まれたから、義務だからとかいうんじゃない、俺がそうしたいんだから、な?」とほっぺをぺちぺちと叩くと、少しだけ微笑む薫。」
村上てつや「うん、可愛いぞ。そうやって笑ってなさい。(今度はほっぺ撫で撫で)」
黒沢カオル「ふにゃ・・・・」
村上てつや「(このまま売られちまうなら逃げるしかないな・・・っと、酒井を置いてったら呪われるな、今は無理か・・)薫ちゃん、俺たちと逃げてくれるか?危険があるかもしれない、いや、もちろん全力で守るけれど、それでも危険なことには変わりないから・・どうかな?(薫だけに聴こえる声で)」
黒沢カオル「・・・・・・・(何かを耐えるようにぐっと力を入れる)・・・・ありがとうございます・・・でも、これ以上は迷惑かけられません・・・・・」
村上てつや「こーら誰が迷惑なの、言ったでしょ?「俺がそうしたいんだ」って。酒井だってそうだよ。・・・・・な、俺に・・・・俺たちに・・薫ちゃんを守らせてくれますか?」
黒沢カオル「・・・・・っ(村上の腕にすがりつき顔をかくす)」
村上てつや「大丈夫だよ。絶対守りきるから・・・・絶対・・・・・。」
ナレーション「酒井、北山、安岡の話を聞いてしまった2人。そうとは知らず、話を続ける北山。」
北山陽一「私は薫を守りたくて、彼女を正妻にしようとした。でも、彼女から見れば、無理やり結婚を申し込んでいるようにしか見えないだろう。それでも良いと思った。何とかして彼女を守りたかったんだ・・・・・。」
酒井雄二「あの・・・まったく関係無いんですけど、1ついいですか。そうまで考えているあなたが、どうして村上さんのお姉様を殺したりしたんですか?」
北山陽一「彼女も・・・薫と同じように売られそうになっていたんだ。だから・・・・」
酒井雄二「でも・・・そうだったとしても、殺すなんて・・・・(うつむく)」
ト書き「口をつむいだまま黙りこむ北山。」
安岡優「・・・・!(何かを決めたように酒井を見つめ)酒井殿、聞いてください。村上殿のお姉様は私達が殺したと思いでしょうが、彼女は死んではおりません。生きてこの城の中におります。」
北山陽一「安岡!!それは・・・・・」
酒井雄二「安岡殿、それは本当ですか!?」
安岡優「村上殿のお姉様だけではありません。世間では死んだとされている娘たちが、この城の中で腰元として働いております。その娘たちはみんな、どこかへ売られそうになってた者で、殿が彼女達の了解を得て死んだように見せかけ、ここで働かせているんです。」
酒井雄二「そういうことだったんですか…。」
安岡優「お姉様はその中でたって1人殿の妻としてここにいらっしゃいます・・・ただ、「死んだ人」であり、認められているわけではない、だから殿のにも正妻をと・・・それなら薫様がと・・・でも、江戸の城主は本気です。本気で薫を・・・・このままでは殿の命も危ない・・・・」
北山陽一「彼女は妻として一生愛する・・・薫は・・・・・・どうするればいいんだろうな・・・・・」
酒井雄二「(知らなかった・・・俺はどうすれば・・・)」
村上てつや「北山・・・・。」
北山陽一「!?聞いていたのか・・・・薫も・・・・・・・」
佐々木真里「あなた・・・・・」
村上てつや「姉さん!!」
北山陽一「てつや・・・・久しぶりね?」
佐々木真里「↑・・・・こわいわ・・・あなた・・・私の台詞とらないで・・・・」
北山陽一「あ!! つ、つい...。ははははは〜(低い笑い)」
佐々木真里「てつ・・・・・元気だった?」
村上てつや「え?…う、うん…(さすがに、動揺を隠せない)」
佐々木真里「彼女が正妻に迎えられる薫さん?」
黒沢カオル「あ・・初めまして・・・」
佐々木真里「初めまして。てつやの姉です。」
黒沢カオル「初めまして・・・・」
佐々木真里「そんなに怖がらないで?殿の正室になったからって、いじめたりしないから。というより、私が追い出されてしまうかもしれないって、びくびくする立場なんだから、ね?」
黒沢カオル「そんな追い出すだなんて…!!」
村上てつや「薫はそんなことしないよ、姉さん。そんな事させないぐらい、俺と薫はずっといっしょにいるつもりだから。」
ゴスペラーズ「北山)・・・・俺には渡さないって事ですか? 安岡)・・・・・まぁわかってたけど・・・ 酒井)俺はやっぱりイイ人なんだなぁ・・・(遠い目)」
佐々木真里「・・・・・・あんた、それはプロポーズなわけ?それとも既によい返事はもらってるわけ?」
村上てつや「あ・・・いやぁ。(照)か、薫ちゃんさえ良ければの話しだよ。」
北山陽一「はーい。もういい、俺の奥さんは1人でいい。でだ・・・薫を守るなら本気で覚悟が必要だと思う。」
酒井雄二「あーあ(ちょっと涙)本当ですよ、村上さん。私も微力ながら応援させていただきますっ。」
村上てつや「酒井…お前・・・・・」
酒井雄二「なんですか、村上さん。こんな可愛い娘がいたら私だって恋の一つや二つ、ってもういいんです。ところで薫ちゃんの気持はどうなんです?」
黒沢カオル「え・・・えぇと・・その・・・私でよろしければ・・・」
酒井雄二「え?俺?(村上にどつかれる)冗談じゃないですかぁ。いやぁ、でもホントに良かったですね、村上さん。いやぁおめでたい!(とかいいつつちょっと涙)」
黒沢カオル「でも・・・・やっぱり迷惑なんじゃ・・・・・・・・(村上を見上げる)」
村上てつや「こら(でこぴん)もう言わないの。「俺がそうしたいからだ」ってずっと言ってるじゃんか。な?(にか)」
黒沢カオル「あぅ・・・(真っ赤になっておでこを抑えてる)」
北山陽一「はーい、はい。2人の世界作らないの!!・・・・まずは逃げるんだろう?」
安岡優「(まったくこの2人どこまで芝居なんだか・・・)さて、作戦会議でも開きますか?」
黒沢カオル「すいません。私なんかのために、熱心になっていただいて・・・・・」
酒井雄二「薫さん、これからはそういう事言わないでくださいね?約束ですよ。」
黒沢カオル「はい、すいません・・・・・。」
酒井雄二「・・・私も含め、みんなあなたの事を大事に思ってるんです。「迷惑」とか、絶対そんな事を考えないでください。」
黒沢カオル「酒井さん・・・・・(目に涙を浮かべながらも笑顔で)はい、わかりました。」
村上てつや「さて・・・・・北山。お前、江戸の城主がどんなヤツか知ってんだろ?・・・敵の事なんも知らないってーのはヤバイから、俺達に教えてくれよ。」
北山陽一「・・・わかった。江戸の城主は小林殿といって、表向きは真面目に政治をしているお方だ。しかし裏では、若い娘をさらって外国へ売るという商売をやっている。はむかう者は、片っ端から殺されているようだ。」
村上てつや「ひでぇヤツがいるもんだな。」
酒井雄二「えっっ・・・!!小林!?・・・・もしかして・・・。」
北山陽一「小林殿が、どうかしましたか?」
村上てつや「???」
安岡優「酒井さんは小林殿のことを知っているのですか?」
酒井雄二「ええ、まぁ……。」
黒沢カオル「酒井さん・・・何か知ってるんですか・・?」
酒井雄二「あっ・・・・いや・・・・それは・・・・・・・(うつむく)」
村上てつや「そういえばお前、俺んとこ来る前って、江戸で腕磨いてたって言ってたよな・・・。まさかその時に何かあったのか?」
酒井雄二「いえ・・・何でもないです・・・・・・。」
村上てつや「何でもねぇ事ないだろ。こいつ等(北山と安岡)には「本当の事を言え」って怒鳴っといて、いざ自分が同じ状況になったら黙秘する・・・・・それはちょっと都合良すぎるぞ。・・・話せよ、酒井。」
酒井雄二「・・・わかりました、話しましょう。(大きく深呼吸をする)・・・私の父は、江戸でも有名な侍でした。正義感にあふれ、周りの人達からも信頼されて・・・私はそんな父を目標としてました。その父が数年前、辻斬りに会って殺されてしまったんです。」
北山陽一「それってまさか・・・・江戸中の侍を斬っておいて、いまだに捕まってないという・・・・・あの辻斬りか!?」
酒井雄二「はい・・・その辻斬りの事です・・・・・。」
村上てつや「その辻斬りの噂なら俺も知ってるぞ。でもまさか、お前が殺された侍の子供だったとは・・・・・」
安岡優「確かに数年前、各地の侍の間で噂にはなりましたけど・・・・それと小林殿と、どういう関係が?」
酒井雄二「その辻斬り・・・・実は、小林殿が仕向けたものだったんです。」
村上てつや「なんだって!?酒井、それは本当か!?」
酒井雄二「はい・・・。私の父は、小林殿が娘さん達を売っているという事実をつきとめてしまったために、殺されたんです。」
北山陽一「・・・なるほど。この事が世間に知られたら、自分の身分が危うくなる。だから辻斬りという殺し屋を使い、先に手をうったという事ですか。」
酒井雄二「私は父が調べている段階で、いろいろと話を聞いてました。「小林殿が怪しい」、「絶対裏で何かやっている」・・・いやってほどそう言われてきましたね。」
安岡優「酒井殿、よく無事でしたね。小林殿の家来が襲って来たりしなかったんですか?」
酒井雄二「調べている時には何度も。その度に父が追い払ってました。でも、父が死んでからはさすがに来なくなりましたね。私がいるという事を知らなかったのかもしれませんけど。それからちょっとして、村上さんのところへ来たんです。」
黒沢カオル「・・・酒井さんの方が、私よりずっと辛い思いをしていたんですね・・・・・。」
酒井雄二「(にっこり微笑み)薫さんが悲しむ事ではないですよ。気にしないでください。それに、今回こういう形で父が果たせなかった事を、果たせるかもしれませんし。親子二代にわたっての挑戦、絶対あいつの悪事を暴いてやるんです。」
村上てつや「それでこそ酒井だ!安心したよ。・・さて・・・問題はこれからどうするかなんだが・・・・・」
北山陽一「こうしている間にも娘がさらわれ、外国へ売られていっている・・・。私だけの力では、ただの悪あがきにしかならない・・・。もしかしたら小林殿は、私が娘たちをかくまっている事を知っているかもな。」
安岡優「小林殿は、足を運べる所にはすべて行っるようです。この町付近だけ売るような娘がいないとなれば、まず疑われるのは殿、あなたですよ。いつあちらの家来が来てもおかしくありません。」
北山陽一「そんな事はわかっている。小林殿は、私が自分に反抗的だという事を知っているからな。娘が足りなくなったら一気に叩きにくるか、薫がここに嫁ぐと知って奪いにくるか・・・・・どっちにしても、このままではヤバイという事だ。」
黒沢カオル「ならばこちらから仕掛けるというのはどうでしょう?」
村上てつや「いいね、それ・・・・・・・・・って、えぇ!?」
酒井雄二「どういう風にだい?」
黒沢カオル「それは・・・私がおとりになる。というのはいかがでしょう。」
村上てつや「薫さんが危険になるじゃないですか!!」
酒井雄二「それ却下。」
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