-ゴスドラマ過去ログ:11301-11400-
黒沢カオル「もう、茶化さないでくださいよぉ。(初めの頃の固さがとれてきた薫)」
ト書き「場所は変わってここは…」
効果音「ガラガラガラッっ・・・!」
安岡優「はあ〜、しかしすごい声だったよな〜。響く響く。(引きつれたブラック達に話しかけている)」
ゴスペラーズブラック「耳がすっかりバカになってしまいました。時々幻聴が・・・」
安岡優「意外な子が意外な事をするもんだ。耳栓って以外と効果無いのかも・・・」
ゴスペラーズブラック「しかし、よかったんですか?」
安岡優「なにがだ?」
ゴスペラーズブラック「いや・・・簡単に逃がしてしまって・・・・・・」
安岡優「どっちにしろ両親なんてもういないのさ。金銭をもらってとんずらこいたのさ、琉球の方に・・・殿がそういっていたな。この為に死んでしまった城主の娘を大切に育ててきたんだぁ〜って言ってな。考えれば可哀想になぁあの娘も。」
ゴスペラーズブラック「そうなんですかい・・・(そんな娘を哀れにおもう優しさがあるならなぜあの時村上の姉を手にかけたんだ・・・・)どちらにせよはやくあの娘を捕らえなければ殿が・・・・。」
安岡優「ああ・・・。村上たちも何か仕掛けてくるだろうしな。あいつだけには負けるわけにはいかない・・・・。」
ゴスペラーズブラック「負けず嫌い・・・ってヤツですか」
安岡優「まあ、そんなとこだな。」
村上てつや「(所変わって・・・)薫ちゃんさ、ちょっとは俺らに慣れてきた?」
黒沢カオル「えっ?・・・あっ・・・はい・・・(俯き)」
酒井雄二「どうかなさいましたか?」
村上てつや「両親の事が心配か?」
黒沢カオル「はい・・・。私があの方のところに嫁げば、父や母も助かるし、村上さんや酒井さんにも迷惑をかけないですむと思って・・・・・」
村上てつや「何バカな事言ってんだよ。俺等が薫ちゃんの両親を救い出してやるから、安心しなって。」
酒井雄二「そうですよ。大丈夫ですから。・・・さて、明日は約束の日ですよ。」
村上てつや「そうだな。何か策を考えないと・・・・・と言いたいとこなんだが、俺もう眠い・・・。」
黒沢カオル「私もです・・・・ふわぁ〜ぁ・・・・(あくびをする)」
酒井雄二「そういえば、今もう夜ですもんね。それじゃあ作戦を考えるのは明日にして、今日のところは寝ましょう。」
ナレーション「それぞれ眠りにつく3人。深夜、黒沢は寝静まっている村上、酒井を横目にある決心をしていた。」
黒沢カオル「(村上さん、酒井さん、ごめんなさい・・・。でも、私がこうすれば、すべてが丸くおさまるんです・・・。)」
ナレーション「黒沢は、一通の手紙を残し、その場を去っていった。そして次の日の朝・・・・・」
酒井雄二「あ〜ぁ、よく寝た。(軽く伸びをしながらあたりを見まわす)・・・?薫さん?どこですか、薫さん。・・・ん?・・・これは・・・(手紙を見つけよむ)たいへんだ・・・。村上さん!起きてください、村上さん!!薫ちゃんが大変なんです!!」
村上てつや「んぁ・・・なに・・・薫ちゃんが大変・・・?(寝ぼけまなこで酒井から渡された手紙を読む)・・・えっ・・・・なにっ!?酒井!何なんだよこれは!!」
ナレーション「手紙には、「村上さん、酒井さん、私は殿のもとへと嫁ぐ決意をしました。今まで迷惑をかけてばかりですいませんでした。どうぞお元気で。さようなら・・・。」と書かれていた。」
酒井雄二「書いてある通りですよ!・・・薫さん、これ以上私たちを危険な目に合わせたくないと思って、自分が犠牲に・・・・・」
村上てつや「薫ちゃん・・・。(こぶしを握り締める)酒井!今すぐ城に乗り込むぞっ!!いいな!?」
酒井雄二「承知しましたっ!!」
ナレーション「急いで城に向かう村上と酒井。その頃城では・・・・・」
北山陽一「oo」
安岡優「殿、動揺してる場合じゃないですよ。薫が自ら戻ってきました!!」
北山陽一「???」
安岡優「・・・・・殿・・・殿は天然キャラは似合いませぬので・・・・・某お方じゃあるまいし・・・・」
北山陽一「あ・・・すまん・・・どうかしてた。(気をとりなおして)薫が戻ってきた?」
安岡優「あ、はい!!」
北山陽一「そうか。薫もやっとわかってくれたのか。薫はどこだ?すぐ連れて来い。」
安岡優「はい!では呼んできます。」
黒沢カオル「殿、嫁ぎに参りました」
北山陽一「やっと私の魅力に気が付いたのか」
黒沢カオル「ええ・・・(なぜか悲しそうな表情)」
安岡優「殿!おめでとうございます。さっそくお披露目をしなければなりませんね。」
村上てつや「北山!!どこだぁ!!(北山たちの部屋の扉を開ける)薫ちゃん?!バカなことしてねぇで早くこっちにこい!!」
北山陽一「(ちょっと来るの早すぎないですか?もう少し絡みたかったのに…)やっぱり来たか。薫は自らの意思で私を選んだのだ。」
安岡優「そうですよ。これ以上殿と薫のジャマしないでいただきたい。」
黒沢カオル「村上さん・・・・なんで来たのです?」
村上てつや「薫ちゃん・・・?」
酒井雄二「(黒沢をじっと見て)・・・それは本気で言っているのですか?」
黒沢カオル「当然です!私は自分で望んでここに来たのですよ!・・・あなた達にとやかく言われることではありませんし・・・ちゃんとそう書置きをしたはずです!」
村上てつや「何言ってんだ!戻って来い、薫ちゃん!!」
安岡優「村上、だまれ!それ以上薫を惑わせるような事をするなら、切りつけるぞ!!」
村上てつや「おお、やってみろ!!きさまらには姉貴の恨みがあるからな。ここで決着つけようか!?安岡よ!!」
ナレーション「村上、安岡、共にいつ刀を抜いてもおかしくない状態。」
酒井雄二「村上さん、落ち着いてください!あいつらを斬ったって、あなたのお姉様は戻って来ないんですよ!!」
北山陽一「安岡、お前も落ち着け!あの時に人を斬るのはこりたはずだ!これ以上刀を血で汚すような真似はするな!!」
黒沢カオル「皆さん、もうやめてください。・・・殿、私はあなたのもとに嫁ぎます。これ以上、村上さんや酒井さんに手は出さないでください。」
北山陽一「それは・・・・・後からあいつらに頼むんだな。あいつらが何もしてこなければ、こっちは一切手を出さん。」
黒沢カオル「わかりました。それと、私の父と母に会いたいのですが・・・・・」
北山陽一「・・・それだけは・・・・・できない・・・・・・。」
黒沢カオル「なぜですか!?約束だったはずです。私があなたとの婚儀を受ければ、父と母を返してくれると。」
北山陽一「・・・・・。(言えない・・・。薫の両親が、本当の両親では無いなんて・・・私の口からは・・・・・。)」
黒沢カオル「どうしたんです?なぜ黙ってるんですか!?」
安岡優「(殿・・・・一体どうなさるつもりなんですか・・・?)」
ナレーション「心配そうな面持ちで北山を見つめる安岡。そんな安岡の視線を、肌でひしひしと感じている北山。黒沢に攻め立てられ、ようやく重い口を開いたが、その口から出た言葉は、その場にいた全員を驚愕させた。」
北山陽一「お前の両親は・・・・・私がこの手で斬ってやった。」
安岡優「!!殿・・・何を言って・・・・・」
ナレーション「安岡の口をふさぐ北山。その顔は、どこか悲しそうだったが、安岡に「本当のことを言ってはダメだ」と言っているようにも見えた。」
黒沢カオル「北山様!!何故そんなひどいことを・・・(そういうと泣き崩れてしまった)」
村上てつや「貴様!!約束を破るだけではなく、薫ちゃんまで泣かせやがって・・・・・絶対ゆるさねぇぞ!!」
北山陽一「何とでも言え!!きさまらには・・・わからないだろう・・・・。」
ナレーション「北山はそう一言だけ言い、安岡と共に部屋を出ていってしまった。」
安岡優「殿・・・よかったのですか?あんな事にしてしまって・・・」
北山陽一「どっちにしたって、あの子は悲しむことになるんだ。それにどっちにしても俺は悪者だしな。」
安岡優「殿・・・。あなたって人は・・・。」
北山陽一「・・・・・・・。すまない、一人になりたい」
ナレーション「その頃村上たちは…」
黒沢カオル「・・・お父様・・・お母様・・・・・(まだ泣いている)」
村上てつや「薫ちゃん・・・・。ちくしょう!あいつ等、一体何を考えていやがるんだ!!」
酒井雄二「(北山と安岡のあの態度・・・・)すいません、村上さん。ちょっと出てきますので、薫さんをお願いします。(部屋を出ていく)」
村上てつや「?酒井のヤツ・・・急にどうしたんだ・・・・・?」
酒井雄二「安岡殿ー!(北山と別れ、1人になっていた安岡に駆け寄る)安岡殿、あなたに伺いたい。北山殿は何か隠していますね?そしてあなたは、彼が隠している事が何かを知っている・・・・・違いますか?」
安岡優「えっ・・・(動揺するが、平静を装い)・・何の事だ?殿が言った事はすべてまこと・・・・真実だ。何も隠してはいない。(殿があんな嘘をついてまで隠したんだ。本当の事は絶対言えない・・・・。)」
酒井雄二「隠せば隠すほど彼女を傷つけることになりますよ」
安岡優「・・・・何も隠していないと言っているだろう!(目を反らす)」
酒井雄二「本当の事を言って下さい!!!」
北山陽一「俺から言おう・・・・。」
安岡優「・・・・殿!よろしいのですか?!」
北山陽一「いいんだ。これ以上隠し通せそうにも無い・・・」
安岡優「そんな…!」
北山陽一「薫が本当の両親だと思っている人間は、薫を俺に売ったのさ。そして自分たちは遠くへ逃げた・・・それだけだよ。」
酒井雄二「・・・!!」
村上てつや「大丈夫か?(薫の頭を優しくなでなで)」
ナレーション「驚愕の事実を知った酒井。そんな事を知る由もない村上、そして薫。」
黒沢カオル「村上さ・・・ま・・・・(ぎゅぅ)」
酒井雄二「なぜ薫さんの両親はそんな事を…薫さんがかわいそうだ・・・」
北山陽一「そんなことを知るくらいなら、死んだと言われるほうがましだろう?」
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