-ゴスドラマ過去ログ:15201-15300-
安岡優「あまり無理に知ろうとしたら、もっと心を閉ざすとも言われたしねぇ・・・・・・てつ兄、いつから避けるようになってたかわかる?」
村上てつや「う〜ん・・・・・全然わからない・・・・気付いた時にはもう俺等の事避けてたって感じだな。・・・いつから避けられてたんだろう・・・・・・?」
北山陽一「・・・・・・・・・・・・(村上と安岡の話を聞いて顔がさらに暗くなる)」
安岡優「(ふと北山の方を見る)・・・!!ヤバッ・・・・・・(小声で)てつ兄、陽一兄の前でこの話題はやめよう。ホントに心を開いてくれなくなりそうなんだけど・・・・・・・」
村上てつや「えっ・・・・(北山の方を見る)・・・そうだな。(小声で)この話は、薫も含めた俺等3人だけで話そう。陽一の前でこの話題は禁句な。薫にもそう言っとくぞ。」
黒沢カオル「(寝言で)・・・陽一ぃ〜・・・頼りない兄貴で・・・ごめんね・・・ZZZzzz・・・。」
ナレーション「薫の寝言を聞き、うつむく陽一。本人にもどうしたらいいかよく分からない様子。ただ、迷惑をかけていると思えば思うほど陽一の心は沈んでゆく一方だった。」
酒井雄二「(陽一!我輩の声が聞こえますか?陽一っ!!)」
北山陽一「うおっ?ユウジか?どうした?」
ト書き「と心の中で叫んでみた陽一。」
酒井雄二「(聞こえてるんですね、よかった。心配しましたよ?)」
北山陽一「・・・ごめんな、ユウジにも迷惑かけちゃったな。」
ト書き「そう言った北山の表情が曇る。」
酒井雄二「(陽一には・・・あんなに陽一のことを心配してくれる家族がいるのに・・・どうして心を閉じてしまったでのですか?)」
ト書き「酒井を抱き上げ、酒井の目を見て北山は心の中で答えた。」
北山陽一「(怖いんだ・・・。もし血が繋がってないことを知られたら、って思うと・・・俺だってホントは・・・)」
ト書き「「素直になりたい」そう言いたかった。しかし、涙で上手く言葉にならない。」
酒井雄二「(無理はしなくていいですよ、陽一。無理をすればそれだけお主の心に響きます。今はあまりこの事を考えず、心も身体もゆっくり休ませてください。)」
北山陽一「(でも・・・・これ以上迷惑かけるなんて・・・・・・・・・・)」
酒井雄二「(そうやって遠慮するから、どんどん心が沈んで声が出なくなるんですよ。・・・・陽一は一人で悩みすぎたんですから、こんな時ぐらい全部忘れて過ごしても罰は当たりません。少しすべての事から離れて、ゆったりとした生活をしてみてください。)」
北山陽一「(・・・・ありがとう、ユウジ。・・・なんとか頑張ってみるよ・・・・・あまり考えないようにする・・・・・・・・)」
ト書き「そう心の中で言ったものの、やはりどこかで気にしているのか、表情は暗く曇ったまま。心の声も聞こえなくなってしまった。」
酒井雄二「(声が聞こえなくなった・・・・。さて・・・てつや殿、薫殿、優殿、そして我輩は、どうやって陽一の心を開かせればいいのだろうか・・・・?早いうちになんとかしなくては、ホントに心を閉ざしたままになってしまう・・・。しかし、今の状態では・・・・・・・・・・)」
ト書き「村上達にとっては、自己主張もあまりせず返事も少ない。酒井にとっては、心の中とはいえなかなか素直に話をしてくれない。そんな北山の状態を考えると、「なんとかなるのだろうか?」と不安になってしまう。」
酒井雄二「(・・・とにかく我輩は、内側から心を開かせるように努力しなくては・・・・。我輩の経験の中で最高の難題・・・・・・・がんばるぞぉ〜!!)」
村上てつや「この猫絶対におかしーよなーー(雄二君つまみあげ。)」
安岡優「ちょっとてつ兄!ユウジ離してよぉ!!(村上から酒井を奪おうとする)」
村上てつや「(無論こちらの方が背が高いので取られないように高くつまみあげる)絶対どっかおかしいって。陽一がこいつに話しかけてるとこ見ると、まるで会話してるみてーだぞ。・・・一体てめぇは何者なんだ?ん?」
酒井雄二「ドキッ!!(やばい・・・・だんだん気付かれてきている・・・・・・どうすれば・・・・・・・・・)」
ト書き「とその時、いきなりまくらが飛んできて村上の顔面に直撃。そのすきに、北山の体のかげへと隠れる酒井。」
村上てつや「って〜・・・・・誰だよ!?まくらなんか投げたのは!!(怒)」
北山陽一「・・・・・・・・・・(村上を睨みつけ、「これ以上雄二にかまうな!」と訴える。声が出てないとはいえ、村上も訴えてる事はわかっている様子)」
安岡優「陽一兄」
北山陽一「(ん?)」
安岡優「あっ・・・・・」
村上てつや「何もそんな目で睨む事ねぇだろ、陽一。・・・・わかったよ。その猫にはもうかまわねぇ。」
北山陽一「・・・・・・・・・・・・(村上から目をそらし酒井を抱き上げる。表情はまだ暗いが、先程よりはマシになった)」
安岡優「(北山の様子を見て)・・恐かったなぁ・・・・陽一兄・・・。それにしても・・・・どうしてユウジの事でそんなにムキに・・・・?(てつ兄が怪しんでるとおり、ユウジはどこか不思議な気がする・・・・。陽一兄が話しかけてるのも気になるんだけど・・・・・)」
村上てつや「・・・・はふぅ・・・(なんで薫と同じ様にからかっても、こいつらだと・・特に陽一だと上手くいかねーんだろ・・・)」
妹尾武「それは人によるからねぇ。」
村上てつや「おわっ?!(振り向く)…あ、なんだ…ビックリした…。」
妹尾武「陽一君には冗談にからむ余裕がないのかもしれないのだろうしね・・・。もっと精神面を成長させるべきですね・・・。」
村上てつや「精神面か・・・・・・・・そうですね・・・」
妹尾武「それに薫君は双子だろう?そりゃ「どこまで言ったら怒るだろう」とか「ここまでなら大丈夫だろう」とかそういうのが理屈じゃなくわかってるじゃないのかなぁ?「これは本気じゃない」とか、そういう事をさ。」
村上てつや「なるほど。(←めずらしく素直)」
黒沢カオル「てつがこんなに素直なところ久しぶりに見たよ。(なぜかうれしそう)」
村上てつや「おわっ!・・・お前起きてたのか。」
黒沢カオル「うん。なんか騒がしかったから、目が覚めちゃった。」
村上てつや「そっか。悪いな、起こしちゃって。」
妹尾武「てつや君・・・・今話したとおりだ。だから、弟2人を薫君と同じに扱うのはやめた方がいい。特に今の陽一君には、心へ働きかけるもの・・・・・不安や怒り、心配なんかをさせると、それだけ閉じこもりが酷くなる。これからは、言葉や行動1つにも注意しないとダメだよ。」
村上てつや「わかりました・・・・(ちょっと反省)。・・・先生、陽一もう退院させてもいいですか?とりあえず身体の方はよくなったんだし・・・・・後は俺等でなんとかします。」
妹尾武「(頷く)それが一番だろう。やはり自分の住んでいる場所の方が落ち着くだろうしな。・・・・くれぐれも無理はさせないように。それと、心を閉ざしている原因をなるべく早く見つけ、理解するように・・・・わかったね?」
村上てつや「はい!」
ト書き「力強くうなずく村上。」
妹尾武「いい返事だね・・・・・・・・・・・・・・・もしかしたら・・・羨ましいのかもね・・・」
黒沢カオル「よし!さてと・・・」
村上てつや「・・・ってオマエはもう大丈夫なのかよ?まだ少し顔色悪いぞ。またぶっ倒れられても困るしよぅ。」
酒井雄二「(・・・・そうか・・・!お医者様のおっしゃる通りなのかも・・・。陽一は素直で積極的で明るいてつや兄や薫兄が羨ましいというのもあるのかもしれない・・・・)」
黒沢カオル「大丈夫だよぅ。心配しないで、てつ!」
酒井雄二「(しかも双子だから自然に分かり合ってる・・・・自分の阪神・・・なぜ阪神。半身だろうが・・のように・・・・しっかりとした絆・・・甘えたり、どっついたり・・・う〜む・・そういうものが欲しいのかもしれないなぁ・・・しっかしあの医者心が読めるとはあなどれない・・・・)」
ト書き「読心術でも使ってそうな医者に、ただただ感心する酒井であった・・・・・。」
安岡優「・・・陽一兄・・・・・・。あ、帰りの準備は僕がするからさ、もう少しのんびりしてていいよ。僕、いつも陽一兄に頼ってばっかりだったから、こういう時くらい陽一兄のために何かしたいもん。」
北山陽一「(一端ベッドから降りようとしたがまた座りなおす)・・・・・・・・・・・・・・・・。(うれしそうな申し訳なさそうな顔をして酒井を見る)」
酒井雄二「にゃぁ〜ん♪(そうそう、それでいいんですよ。優殿の優しさ、素直に受け止めてください。)」
北山陽一「・・・・・・・・・・・・(頑張ってみるよ。)」
酒井雄二「(そうそう、その調子^^)」
村上てつや「辛気くせー・・・・・・なぁ、ちょこっと酒でも買ってかない?」
黒沢カオル「あぁ〜そうだね、飲みにはいけないしね。夜にでも少し2人で飲もうかぁ〜あ〜〜最近恋もしてないよぉ〜〜〜」
安岡優「潰れて迷惑をかけるのだけはやめてよね。」
黒沢カオル「大丈夫だよ。俺なんて病み上がり・・・・まだ完全に治ってないから違うか・・・・・・とにかく、俺はそんなに呑めないから安心して。・・問題はてつなんだけど・・・・・」
村上てつや「俺だってそこら辺はわきまえるよ。こんな状況で潰れるほど呑めるかってーの。」
安岡優「そうそう、それでいいの。陽一兄に負担かけるような事だけはやめてほしいんだから。・・・よいしょ!(カバンを持つ)準備できたからもういいよ。」
村上てつや「そっか、それじゃあ行くぞ。・・・・先生、色々とありがとうございました。」
妹尾武「いえいえ。あ、これは僕の携帯の番号なので、何か急を要することがあったら電話して下さい。(と言って村上に紙を渡した)」
村上てつや「ども。じゃ、さようなら〜!」
妹尾武「お大事に。」
安岡優「うんしょ、よいしょ。陽一兄の荷物重いよ・・・。何入ってるの〜?」
酒井雄二「うなーうなーうなーーーーーー」
黒沢カオル「ユウジ、陽一についていなくていいの?」
村上てつや「つうかさ、ゆーじの鳴き声しか聞こえねぇじゃねぇか、どこだよ?」
酒井雄二「うにゃぁあ!うにゃぁあ!」
黒沢カオル「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・鞄から変な声が聞こえる・・・・・」
安岡優「え・・・鞄のなか?」
ト書き「安岡は急いで鞄の中を見た。」
酒井雄二「にゃぎゃあ〜〜〜!!!(苦しかった〜〜〜!!!)」
ゴスペラーズ「(酒・北以外)雄二!?何やってんだよ!」
効果音「ガチャッ!」
ト書き「みんな笑いながら病室を走って出た。北山も少し楽しそうだった。」
北山陽一「はははは!雄二のヤツ、ナニやってんだか。」
酒井雄二「にゃ〜〜」
村上てつや「陽一!?お前声が出るようになったのかよ!?(心底驚いている)」
安岡優「陽一兄〜〜!!!うえ〜〜ん!!(抱きつきなぜか泣く)」
酒井雄二「う゛な゛ぁ・・・う゛っ・・・・・・・・・(鞄の中で揺さぶられて気持ち悪くなった・・・・)」
北山陽一「雄二!・・・大丈夫か?!」
酒井雄二「うっ・・・うぅ・・・(き、きぼちわるいぃ・・・)」
村上てつや「うわぁぁぁ!!中では吐くな!!外!病院の外連れてけ!!!」
ト書き「北山は酒井を抱いて素早く病院の外へ出た。北山のあまりの行動の速さに唖然とする3人。」
ゴスペラーズ「・・・・・・・・・・・」
村上てつや「なぁ…陽一、声が出るようになったんだよなぁ…?しかも、微妙に明るくなってないか…?」
黒沢カオル「うん・・・・何なんだろう・・・・?一体・・・・・」
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