バナー


祝!カドジュンBE−PAL03年8,9月号「サラリーマン転覆隊 九頭竜川で新人教育」に出演!
8月号リンク
9月号リンク


カドジュン! 転覆隊 九頭竜川バトル 参戦!



 5月2日 4枚のFAXが送られてきた。送り主は電○ 第1CD局!ついに転覆隊バトルの檄文が来たのである。待ち焦がれてたよ。。。3月の鹿児島・川内川のときは5月にしてくれと隊長にいわれ、待ち続けたよ。。。さらに檄文みて笑ったよ。。。なんだよ『人生最悪の悪川苦闘(あくせんくとう)バトルへようこそ九頭竜(くずりゅう)川!』って!サイコーだよ。。。職場で爆笑だったよ。しかも参加メンバー12名ってすごいタイミングいいよなあ。。。いまだにトレーナーにサインをいただいてない、ヤマジン三浦社長が不参加なのが残念だけど、また次の楽しみができたじゃないかとポジティブに考える。今回、初のケムール宮田さんに会えるのもうれしいなあ。。。あとは、仕事が一番忙しい月初めを得意?の残業早出体制でやっつけるのみである。
実施(03/05/09〜11)参加1名(カドジュン)
参加メンバー
 隊員
 隊長本田さん   転覆隊隊長!隊員やシロウトを奈落の底へ突き落とすオニである。しかし共感を覚えるワシもオニ?
 江戸っ子のテツさん   転覆隊の重鎮!テツさんの語り口調が好きだ!「ど〜ですか?」が大好きだ!
 チャーミー坂井さん   転覆隊鉄人シェフ!今回、帰りの飛行機を待っているときに空港で1時間話せて楽しかったです!
 ノモ勝村さん   転覆隊の良心!勝村さんがムリといえばやっちゃいけないのだ!帰りの車でアウトドアの話ができて楽しかったです!
 トライアスロン宍倉さん   転覆隊名プロデューサー!ありとあらゆる交渉ごとを笑顔と相手の心に入り込む話法でまとめる!
 軍曹朝比奈さん   転覆隊切り込み隊長改め与党保守派!?にしてカドジュンの兄貴分!五島にも遊びに来てください!
 ジャニーズ村田さん   転覆隊の二枚目!とにかくクールでカッコイイ!でも意外にアツイところもあって、ますますカッコイイ!
 赤門佐々木さん   転覆隊の秀才!カドジュンと同じ年生まれの先輩!PE無敵艦隊の司令官!
 アダQ森下さん   転覆隊のテクニシャン!撮影する余裕、レスキューする余裕、どちらもゴンにはありえねえ!
 ケムール宮田さん   転覆隊根性のてんぷスタッフ!てんぷスタッフのなかで宮田さんだけじゃないすか!がんばってんの!
 
ゲスト
 バカボン野中さん   転覆隊大阪出張所!今回もうひとりのゲスト!青森出張が終ってそのまま駆け付けるツワモノ!
 加藤さん   転覆隊愛知出張所!今回、サポートと撮影に徹してくれました!本当にアリガトウございます!
 カドジュン   転覆隊五島列島出張所!川初挑戦!いったいどーなる?


9日
 ありとあらゆる仕事を乗り越え、蹴散らし、お膳立てをととのえ、前倒し、スケジュールをやりくり、ついでに頭も下げまくり、ワシはANAのイルカジェットに乗り込んだ。いよいよ転覆隊バトルへ正式に参加である。昨年の約束を守っていただいてサンキュー隊長!!福岡空港から石川県小松空港へ降り立つ。初北陸である。荷物を受け取った先にニヤニヤしながら、チャーミー坂井さんが立っていた。「すぐわかったよ。ひょーろくだまが来た!って」ひょーろくだまといわれたのは初めてだが、悪い気はしなかった。ヘンか?逆に認めてもらったようでうれしかった。やっぱヘンか?坂井さんはJALで先乗りだったのである。ANA組のみなさんは、予定より遅れて到着した。隊長・勝村さん・宍倉さん・朝比奈さん・佐々木さん合計7人。他のメンバーは遅れて合流する予定だ。レンタカーを待つ間、話しをする。隊長が「カドジュン、川は初めて?」と聞いてきたので、「ワタシ、川ぁ、はじめてなんですよ」と正直に答えた。そのとき隊長はあきらかに(しめしめ、カモが来た…)という笑顔をしていた。でも、ワシも(本当、今回のワシってオイシイよな)と考えていたのだが。。。転覆隊長とゴンリーダー、どっちもどっち。
 この時期、福井県といえば全国的に話題を集めていた。それは白装束の集団、そうパナウェーブ研究所のせいである。白いレンタのハイエースで買出しをし、川のロケハンをする。しかし、白いハイエースが2台並んで走ると道ゆく人や車から注目を浴びた。ムリもない。。。先導していた隊長車はグングン山奥へ向かう。目的は白装束だろう。彼らはちょうど早朝福井県入りしたのだ。しかし、結局見つからなかった。後から聞いた話から判断すると買出ししていたときに通り過ぎたようである。それよりもワシは(ロケハンでみた狭い魚道に突入しなきゃいけないのか。。。)という不安の方が大きかった。だいたい瀬も沈もそんなに怖くないのだが、はじめてのことにビビルという未知の恐怖なのである。一回沈すれば、絶対開き直れる自信はあったのだが、川の中でグルグルまわる自分の姿を想像し、頭の中はグルグルしていた。

若狭牛買出し中
でも隊長はドクロマーク
いっぱいの地図作りに夢中
白いハイエース
2号車の車窓から
ロケハン中
「この堰はやばいよ…」

「どーしよう」「やめようか…」
ノモ勝村さんいわく
「ここは危ないよ。絶対ケガする」
ここが最初の人工堰
ここはみんなノー沈クリア!
全体的に九頭竜川は
こんなカンジだった
ここがメインの瀬
カドジュンはここで
はじめての轟沈を体験する!
翌日、この人工の瀬を
カドジュンは最初に突入し、
クリアしたのだった!
今夜の宿、平泉寺旅館に到着する。そこの女将さんは40代であろうか。スタイルがいい、ちょっと訳あり風の独身美人だった。みんなの注文によく気がつく対応をし、日本じゅうから送られてきた大量の荷物にも何も言わない。すごくカンジがいい旅館だと思った。メシがまたいい。恥ずかしながらワシは生まれて初めて鮎を食べた。ウマイ。その後、北海道然別湖の守護神・金ちゃんやワシが差し入れた焼酎も加わり、話も盛り上がる。ひとしきり話した夜9時ごろ、江戸っ子のテツさんとジャニーズ村田さんが到着した。前夜祭は11時ぐらいまで続いた。

 旅館の大きな部屋で村田さんやワシは呑みなおしていると、テツさんはすでにいびきをかいていた。ビーパルや本に載ってた天使のいびきというやつである(天使はいびきかかねーよ!とみんなから突っ込まれてた例のあれである)。ワシはせっかくだから話のネタに噂のいびきの隣りで眠った。他にも結構かく人がいた。みなさん疲れてるんだなあ。でも翌朝村田さんから「カドジュンも夜中けっこうかいてたよ」と言われちょっとへこんだ。。。

北海道・然別湖の守護神金ちゃん
から送られた焼酎を手にする
チャーミー坂井さん!
10日

  朝っぱらから隊長は「女将さん巨乳だなあ。。。」とシミジミしてた。みなさんもワシもシミジミ。。。朝にはアダQさん、宮田さん、バカボンさんが旅館に合流である。アダQさんは前日仕事が終わり、秋田から車をとばし夜中にやって来た。宮田さんは愛知の加藤さんに乗せてもらい、静岡浜松出張から直接やって来た。ビックリしたのが大阪のバカボン野中さんである。旅館の表に止まっていた車をテツさんがノックすると、ビールジョッキのかぶりものをしてシュラフに入った不審者が寝起きで出てきた。野中さんだった。テツさんは絶句して「…大変だったね。どーしたの、それ?」と笑顔で返したが、それ以上のリアクションなしに朝飯に向かった。朝っぱらから刺激が強かったからなあ。リアクションできなかったよ…しかし、さすが大阪人!とワシは思った。

 昨日、宍倉さんがエントリー地点として交渉した採石場で準備をはじめる。ワシのフジタカヌーはPE−1 370SWIFTで佐々木さんの430TREKと同じ色だった。PE無敵艦隊の結成である。最初の人工堰でビビッて最後にクリアしたが、そのおかげでキンチョーはなくなった。その後、ダムをポーテージ(カヌーを持って運ぶことね)したら、そこのダムの職員があらわれた。転覆隊にとっては慣れたものでも、職員にとっては初めての経験らしかった。つまりこんなとこでカヌーをするのは転覆隊が初めてのようだったのである。しかし、隊長からテキトーにあしらわれて職員はボーゼンと見送っていた。しかし、その直後、不幸が起こった。なんと隊長のパドルがポッキリ折れてしまったのである。みなさん大喜び!「隊長のパドルが折れましたー!」ここぞとばかりにビデオがまわる。ワシがフジタの予備パドルを貸して隊長は続行となった。いよいよ本格的なバトルである!

 それでは本編の前に言っておこう、今回ワシは合計5回の沈を体験した!その全てを語ろうじゃないか!(9月号のBEPALでは、10日だけで6回って書かれてたなあ。。。まあ、おいしいけど)

 ポーテージ直後、1回目の沈は、みんながメインの瀬といっていたとおり、瀬のジャブのあと、右に大きく曲がって落ちる本格的な瀬だった。宍倉さんに「しっかりビデオに収めるからがんばって!」と見送られ、人生初の瀬に挑む!ワシの前に突入した隊員さんたちはクリアしている。ワシも!と思いつつ一気に行く。瀬のジャブはクリアしたのだが、その後、目の前に岩の壁が迫ってきた。コース取りが大切なのはわかってるけど、どうしても右に曲がり切れない。船首は向いても結局岩にカヌーの横っ腹をぶつけ、バランスを崩し轟沈!(だって、チャーミーさんがそういってくれたから。。。9月号のBEPALでは、見せかけだけの2級の瀬と断じられた!)水中でしばらくもがき、顔を出すと最後の瀬も終って普通の流れになっていた。足が届かないとミョーに不安になる。カヌーとパドルをつかみ、バカボンさんに助けられ岸に着く。さっそくの沈でズブ濡れになった。アルプスの雪解け水は冷たかったが、脳細胞がきりりとしまったみたいだった。大変だけど楽しい!小学生みたいだが初沈の感想である。理屈じゃなく、川下りにはまりそうである。結局、この瀬で沈したのはワシだけだった。こんなんで先は大丈夫かなあ。とちょっと不安になるものの、下らないことには終われない。だいたい沈するために来たんじゃないか?アダQさんから「さすが、わかってるねえ。新人は沈しなきゃあ!」とほめられる。やっぱワシってオイシイよなあ。。。ニヤリ

 次に、テトラポットに囲まれた人工の瀬に、なんと最初に突入せよとの指示が出た!新人転覆隊員にありがちの人間リトマス試験紙もしくはダミー人形である。ここで「エーッ!イヤッスーッ!」とか言ってもシラけるし、なんのために福井県まできたのかわからんので、「ワッカリマシター!!」と元気に突入することにする。でもコースを直前に下見してないので、隊長に「どこから行けばいいですかー!?」と聞いてみる。すると隊長は「まっすぐー!」と答える。しかし、昨日今日みた感じじゃ、真ん中右寄りに大岩があったような気がするのである。これは罠だ!だから自分の判断で左寄りにコースを取って突入する。グンと落ち込んで瀬に巻き込まれそうになるので、勢いに負けないように漕ぐ。水をかぶりながら一つ目をクリア、みると思ったとおり大岩が右側にあった。その岩を避けたコースで瀬に再突入。今度もカヌーが跳ねあがりそうな上下動のあと、瀬を乗り切った!ウッシャーッ!と初めて瀬を乗り切ったカンドーを味わった。キモチイイ!これはかなりの快感である。ここではワシのフジタカヌーの兄弟分PE−1 430TREKを乗りこなす佐々木さんがなんと沈してしまった。PE無敵艦隊は早くも不沈艦宣言を撤回しなければならなくなった。

 2回目の沈は、落命の堰の手前で起こった。ここは絶対ポーテージ!じゃなきゃ死ぬよ!という堰の手前で、疎沈。なぜかというと堰の手前岸よりのコースに村田さん佐々木さんがいたので避けたのだ。しかし、この判断が大マチガイで、川は真ん中の流れが速いことを忘れていた。だんだん流れが速くなりワシは落命の堰に後ろ向きに飲み込まれそうになった!マジヤバイ!漕いでも漕いでも引きずられそうになったので、岸の近くで自分から沈して脱出した。完全な疎沈だ。不覚である。思ったとおり隊長は満面の笑みでデジカメを持っていた。チクショー!でもオイシイなあ。。。

 3回目の沈は、しばらく順調にツーリングしてた途中に起こった。浅瀬でヤバイヤバイという場面があって、そのたび何とか乗り切っていたのに、油断して何でもない岩に乗り上げ、バランスを右に崩して立て直せず、あっさり疎沈!ブクブクブク。。。ノモ勝村さんに手伝ってもらって水抜きしていると、「あれ、なんかカヌーへこんでない?」と言われる。?とカヌーの中をのぞきこむと、横骨がボッキリ折れているのである。ガーン!「なかなかそんなとこ折れないんだけどなあ」「・・・でも行けそうですよね」とワシは開き直る。しっかし、九頭竜川のテトラの多さにはビックリした。ワシが川そのものをよく知らんからだろうけど、日本中の川がこんなカンジみたいな話を聞いた。悲しくなるなあ。。。それにしても沈したら人工物は痛えだろうなあ。。。

 4回目の沈は、瀬に突入する前に方向転換したところ、またも岩に乗り上げ疎沈。そのままカヌーにつかまって突入しろという隊長のジェスチャー(指示)!「エーッ!マジスカー?」といったものの、どうしようもないので試みる。しかし、カヌーの上に上手く乗れず、結局しがみついたまま瀬に突入したのだった。足や尻にガンガン岩が当たる。「痛てえ!」と思いながら岸をみると、みなさん笑顔だった。微笑んでいらっしゃった。カメラもデジカメもフル稼働していた。レスキューロープをつかんで岸までたどりつき、沈没船と化したフジタカヌーの水抜きをする。すると気づいた。(やべえ!ビデオ無え!)ビデオカメラ流出である!GPSの次はこれかよ…とへこんでしまったが、50m先でトライアスロン宍倉さんが発見してくれた!ミラクル!

 5回目の沈は、瀬に突入したところ曲がれず、岩に正面衝突したあげくバランス崩し疎沈… その後100m近くカヌーにつかまったまま流される。ビーパルで隊長は「フジタは100m先から準備しないと曲がれないぞ!」と笑ってたが、そんなカンジのかなしい衝突だった。漂流しつつテトラにぶつかりそうだったので、アダQさんがレスキューしてくれた。ここでかなりカヌーの負傷に気づく。。。明日まで何とか持ってもらいたいんだけどなあ。。。と不安になる。

カヌーの組み立て中

出発前のミーティング。中央普通の格好が愛知の加藤さん

シロウトのワシをレスキューしてくれた秋田のアダQさん

PE無敵艦隊の旗艦、430TREK(佐々木艦長)轟沈!

昼食は平泉寺旅館のおにぎりと
バカボン野中さん差し入れのビールでくつろぐ

あっしゃこっしゃしながらも川くだりが続いていく。川サイコー!
隣はフジタ兄のトライアスロン宍倉さん

岩がらみの急流で沈するケムール宮田さん!

隊長・宮田さん・江戸テツさんと記念撮影!
 その沈地点から100m先の川原が今夜のキャンプサイトだった。軍曹朝比奈さん、村田さん、ワシは先に上陸して車のピックアップに向かうことになった。白いハイエースを川原に乗りつけたところ、みんな爆笑してた。???と思ってると軍曹さんとワシがゴツイ風貌で車つながって運転してきたため、ウケていたそうである。たしかに似てるかもなあ。。。と思っていると、デコトラ兄弟!というありがたいコンビ名をいただいた。ワシ、オイシすぎねえ?
 アダQさんが明日も仕事のため、今から秋田に帰るという。ワシも似たとこがあるけど、ホント、バイタリティあるよなあ。。。カヌーの方は、佐々木さんのTREKも似たようなダメージを負っていた。船体布は裂けて、横骨が折れていた。夕食の準備もそっちのけでワシは修理にかかる。テツさんから材料を借りて修理を始める。金具で骨組みを留めて針金で補強する。とどめにみぼちゃんからもらったスペシャルテープでグルグル巻きにしてダメを押す。船体布も10cmぐらい裂け、あちこちすれまくっていた。傷という傷にテープを貼り付け、穴をふさぎ、補修した。これで明日1日持つだろう!
フレームが折れて
覚悟はしていたものの
へこむカドジュン
テツさんから金具と針金を
いただいて補強する
とどめに
みぼちゃんスペシャルテープで
補強する!
ズタボロである…
ボロぞうきんである…

 夕食は、転覆隊鉄人シェフ・チャーミー坂井氏によるメニュー!若狭牛のサイコロステーキ。五島のブリの塩焼き。ブリのアラで出汁をとったブイヤベース(福井のジャコエビ・ホタルイカ入り)。きのこパスタ。まさに「ど〜ですか。素晴らしい。これが割烹九頭竜でしょう」(テツさん談)川原でここまでやるのである。さすが転覆隊!ゴンもチープでゴージャスな野外料理にこだわるが、もちろんそれは転覆隊の影響である。本家の料理を体験でき、サイコーにシアワセである。う〜んタンノー。。。うまいメシに酒に仲間に焚き火!アウトドアのフルコースだよ。転覆隊について行って間違いないよなあ。とシミジミと噛みしめる。腹も落ち着くとバカ話で盛り上がる。平泉寺旅館の独身女将の相手は誰がいい?戸籍に傷がついてないってどーゆーこと?年の頃からいって、アダQさんや伊藤哲画伯がいいんじゃない?と好き勝手言い放題である。この無責任さが転覆隊らしくてあきれる。いやオモシロイ。愛知の加藤さんも帰り、みんなボチボチ眠りに入るなか、宍倉さん、村田さん達と11時ごろまで焚き火を囲む。その夜は、軍曹のテントで寝かせてもらった。

五島のブリの切り身は塩焼きに!


ワシにとってはあこがれの
調理道具が詰まった段ボール箱である!

ブリのアラで取ったブイヤベース!


まるでベテラン隊員であるかのごとき
カドジュンのくつろぎすぎ!

キノコのパスタ!
これなら、まんじーも喰えないかなあ。。。

隊長と江戸テツさん
ちなみにテツさんは本気で寝てます。。。

11日
 朝からテントに落ちる雨の音で目が覚める。7時前だった。村田さん、佐々木さんは焚き火の準備をしていた。ワシもお手伝いする。雨がポツリポツリ降っていた。今日のバトルはどうなるんだろう。ワシは正直どっちでもよかった。昨日の時点でかなり満足していたからだ。成り行きを見守る。
 朝食は夕べに続き、また豪華だった。山菜寿司、ハタハタの塩焼き、山かけ蕎麦、割烹九頭竜は朝から大盛況である。当たり前だが、出発は10時以降になってしまった。朝食に3時間!ワシも予想していなかった。スゲエよ転覆隊…
 朝食の後、片付けも終ってミーティングに入る。雨は降ってるかな?っていう程度だが、午後から降水確率が上がっていた。今日どうするか?もうやめて温泉でゆっくりしてもいいんじゃない?という意見も根強そうだ。隊長がチラッとワシらゲストをみて「ここでやめたら、バカボンやカドジュンが可哀想だろ?」というので、みんなが「そうだなー、やめちゃ悪いかも…」という雰囲気になる。だがチャーミーさんはワシらに向かって「ここで、いやあ満足ですよ!もう止めましょう!っていわなきゃイカンだろ!」という。間髪いれずワシは「サイコーでしたよ!もう腹一杯です!(爆)あっしたー!(ありがとうございました!:完了形)」我ながら感心する間のよさにみなさん爆笑してくれた!でも、結局バトルは続行となる。
 前の晩、ワシは考えていた。転覆隊は初心者に何も教えない。どうせコツをたずねても教えてくれないことは分かっていた。だから自分で見て学ぶしかないと判断したのである。。コース取りとか、なるほどここでパドルを入れて… ああ、ここでこう漕ぐんだな… みなさんのやり方を前日からイメージトレーニングしていた。結構本気だった。イヤ!こうでもしないと最後まで行けそうにないという危機感があったのだ。意外に慎重な管理職カヌイスト。九頭竜川だけに9回の沈は覚悟してたんだけどねえ。やっぱり最後までついて行きたいじゃないですか。

朝からキャンプサイトで
仕事をするのは若い隊員である
しかし最年少の佐々木さんはワシと同い年

朝から寿司である!
割烹 九頭竜川!サイコーである!
残ったご飯は江戸テツさんにより
昼食のおにぎりになった

焚き火のあとを片付ける佐々木さん
残り火にくべているのは悪書である
最近のバトルでは悪書は敬遠されてた?
らしいのに…
 今日最初の人工堰は、突入コースを間違えると発電所直行のヤバイ堰である。隊員さん達に続いてワシも行く。ガコン!という衝撃のあと、ズルズルズー!と川に下る。下りてすぐのところに瀬があったため、上陸して下見しようというときに、なんとバカボンさん、後ろ向きに瀬に呑みこまれた。しかし、座礁してそのまま浅瀬で脱出し無事だった。そこで今回もワシが先頭になった。臨むところである。なかなか岩や浅瀬が多くコース取りが難しかった。理想的には瀬に突入したあと、右に曲がって水量の多いところをクリアするのが一番よさそうなのである。しかし、ワシのフジタは曲れない。あと一つ流れを乗り越えればというところで、座礁してしまった。ムリするとまたカヌーを傷めそうだったので「ガッデム!」と叫んで脱出。沈はしなくてもカッコ悪いことには変わりない。(やっぱり9月号のBEPALでは、この脱出も沈って書かれてたなあ。。。まあ、おいしいからいいけど)その瀬ではみんな詰まり、引っかかり、座礁した。とくにやばかったのは佐々木さんとチャーミーさんである。2人ともカヌーが岩に貼りつき脱出困難に陥ったのである。チャーミーさんのフェザークラフトはフレームが曲がり、佐々木さんはパドルを流出するハメになってしまった。

 昨日ほど凶悪な瀬はないのだが、隠れ岩や浅い瀬など多く、退屈するヒマなんてなかった。さらに昨日のダメージで、カヌーのなかは足の半分ぐらい水がたまっていた。この日、2度ほど頭から水をかぶる急流があったが、ワシはなんとノー沈ですんだ!イメージトレーニングのおかげか!?なんとなくコツが分かってきたのだ。とくに2回目の瀬は、支流に入るといきなりスピードが速くなって、最後に大波がドカーン!と、波のベイダーアタックみたいな勢いで(ワシも吹いてるなあ。。。いつかビデオで確認するのが楽しみだよ。。。)体当たりしてきた。目も開けられんほどだったがクリアできた。ビデオをまわしてた宍倉さんが目に入った。どう思ったんだろう?とにかくワシはカンドーしてた。川はオモシロイ!サイコーだ!フジタカヌー!コイツは天才かも?最後に魚道をクリアして、ゴールである。工事現場らしき川原に到着し、車をピックし、各々片付けに入る。隣にいた勝村さんが「転覆隊らしいクセのある川だったね。(普通の人は)やらないよ」と感想をいってた。そうか、やっぱりワシはスゴクいいときに来たんだなあ。。。

朝一の瀬でカヌーが
貼りついた佐々木さん!
脱出困難!


←その佐々木さんに
換えのパドルを投げ渡し、
これで下れ!
というオニの隊長!

ゴールに到着!
ワシのフジタカヌーは
ズタボロになりながらも
がんばってくれた!

川原で片付けてると
土木業者の人が
警戒しながら通り過ぎた!

 カヌーを宅急便で送り返し、石川県の温泉に入り、バカボンさんと別れる。レンタカーを返しにいったとき、待合所のテレビでカヌーのスラローム競技が放送されているのをみなさん観ていた。宍倉さん「カヌーってこんなもんなんですね…」テツさん「パドルさばきがなってないねえ。今度オレが教えてやんなきゃなあ…」と国体選手に向かって転覆節を炸裂させていた。サイコーだ。。。小松空港では出発まで30分きったところで店に入り、みんなでラーメンを喰う。隊長はラーメン・ギョーザにやたらこだわっていた。10分前にお土産を買いあさる。これも転覆流だろう。メイワクだなあ。。。チャーミーさんは帰りもJAL便で少し遅い。1時間ほど仕事のことを話してた。チャーミーさんも東京へ帰り、空港で買ったばかりのビーパルで転覆隊を読む。うああ、さっきまでこの人たちと一緒に遊んでたんだなあ。。。とやっと実感がわいてきた。ヘンなカンジである。この3日間であらゆるタイプの瀬や沈を経験し、川原料理を喰らう。もうだめかなあという天気(転覆隊ってホント悪天候多い!)。もうやめようかという転覆隊のへなちょこ感。まさに転覆隊フルコースである!ゴンの基本スタンスというか、ワシの遊び観に大きな影響を与えただけのことはある。バトルに初参戦し、想像通りであり、想像以上だった。ワシは思う。こんな疲れている時代だからこそ転覆隊は必要じゃないか?ネガティブになってもいい方向には向かうはずがないのだ。カラ元気も元気!川分(カドジュンにとっての鉄分・ミネラルみたいなモノ。あとワシは山分や海分を生きるうえで必要としている)の補給はバッチリだ!これで、明日からの仕事もまた充実しまくってできるというもんである!次の隊長五十路記念バトル参加は断念するが、またいつか必ず参加するのである。とりあえず、今年の忘年会乱入だな。。。

※このバトルの模様は、ビーパル03年8、9月号で掲載されました!


これが出だしでパドルを折った本田隊長を救った
ワシのパドルである! 家宝! やも…


トップページ 転覆隊とは!?

Copyright 2002-2007 GOTO OUTDOOR NETWORK. All Rights Reserved.