「徒然虫」
5号
里山だより03「梅雨の楽しみ」
蛍と森の宝石
「バラードより」
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6月から7月までの梅雨時期、虫たちもいなくなってしまうように感じますが、実はたくさんの素敵な出会いがあります。オオムラサキやヤンマ類、クワガタムシ・カブトムシなど、夏に活躍する虫はこの時期に羽化する種類が多いのです。あの変態の様子(昆虫類のからだが劇的に変化していく現象を「変態」といいますが、ポケモンの影響で「進化」と誤解しないように気をつけましょう。)は、何度見てもワクワクドキドキ!羽化の場面に出くわすのは、セミが圧倒的に多いのでしょうが、チョウやヤンマ類の羽化を見られたらもっと感動的です。オオムラサキは里山のエノキの葉にぶら下がって、ヤンマ類は池や川の畔で、早朝に羽化します。
さて、今年は蛍を見ましたか?6月下旬にきれいな川の近くを夜8時頃歩いてみると結構見つかるもので、以前紹介した「カワトンボ」のいる川では、20匹くらいのゲンジボタル(源氏蛍)を見ることができます。少し遅れて羽化するヘイケボタル(平家蛍)は、夏休みまで見ることができます。蛍のやさしく寂しい光を眺めながら物思いしたり、「ホ〜タル来い」と歌いながら懐中電灯の明かりで散策するのも楽しいものですね。(先晩、ヘイケボタルが家にやってきて、子ども達は大喜びでした。甘い水をあげたら飲んでいたということです。)
もう一つの梅雨の楽しみは、きらきら輝く森の宝石探しです。森の宝石は、ゼフィルス(西風の精)とも呼ばれている「ミドリシジミ(緑蜆)」というチョウの仲間です。富岡あたりで多く見られるのは「オオミドリシジミ」という種類で、特に大きいわけではないのですが、里山のコナラ林に多いミドリシジミなのでオオ(多)ミドリシジミかな?幼虫はコナラなどの若葉を食べて育つため、里山ならどこにでもいます。梅雨の晴れ間の午前、雑木林のちょっと広い空間を探すと、青緑色に輝く羽を持ったオスを見つけることができます。(葉の先にじっと留まっていて、時々素早く飛び回ります。) 朝や夕方に栗の花に集まることが多いので、そこもねらい目です。ミドリシジミの仲間で、朱色の羽を持つ「アカシジミ」にであうこともあります。こちらは夕方やや高いところを飛んでいることが多いです。身近にいる森の宝石たちを探しに、梅雨の中休みには里山の散策などいかがでしょうか?
2006. 6. 25 斎藤 靖明(abusaito)
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