「徒然虫」 6号 里山だより04「夏の里山ですることは・・・」 夏の里山の楽しみといえば…、きれいな花、チョウやトンボを探す!かっこいいクワガタを探す!スズメバチを捕まえて焼酎に漬ける!(!?) 一生懸命働くアリの行列を追跡する!セミのやかましい鳴き声を楽しむ!運動を兼ねて里山の散策!最近はデジカメがあるから、出会いや発見をパチリ!どれもワクワクドキドキで、里山っていいなあと実感できます。こういう楽しみをたくさんの人にしてほしい。そのために私は何ができるか…と考えて、里山で草を刈っています。 豊かな日本という国では、夏になると一面が緑に被われます。そのほとんどは「雑草」と呼ばれる草、そして「シノ・タケ・クズ」などのモンスターたち。「雑草」は虫たちの大切な食料なのに、刈り取っていいの?とか、「シノ・タケ・クズ」などがせっかく自然な緑を作ってくれるのに、どうして切るの?とか聞かれることもありますが…、実は「草刈り」こそ、里山を育てるための大事な一歩なのです。 里山に小さな田んぼがあります。昨年までは、4m以上もあるシノに被われていました。冬の間に子ども達とシノを刈り取り、わずかばかりのイネを植えました。イネが草に負けないように、周りの草刈りもします。やがて、その小さな田んぼにはカエルやトンボなどが集まって来ます。卵がオタマジャクシやヤゴになり、やがてまたカエルやトンボになります。
こうして里山を使う人は、草を刈り、木を弱らせるシノやタケ、クズなどを切り、丈夫に育った木を切って生活に利用してきました。こうして豊かな里山を育んできたのです。私は、里山を使う人になりたい。里山を使う人を増やして、豊かな里山を育んでいきたいと考えています。昔と同じやり方は出来ませんから、里山の新しい使い方、身近な自然との新しい共生のしかたを創造していかなければなりません。試みに里山でモチ麦を育てました。秋に種をばらまき、春にコンバインで収穫します。播いて刈り取るだけで、ポリフェノールや食物繊維たっぷりのモチ麦が穫れます。夏の間にマメ科の緑肥をうまく生やせば、肥料もいりません。もちろん無農薬です。いろいろ考えながら里山を育て、また自分も育てられ…、とても楽しいです。 2006. 7. 30 斎藤 靖明(abusaito) ☆感想のお便り、お待ちしてます。 abusaito@dream.com |