「徒然虫」
10号
里山だより08「麦蒔き」
「楽しい心」
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本格的な冬が来る前にしておくことは、麦蒔きです。よく耕耘した畑に種まき機で蒔けばしっかり芽が出ます。しかしその手間がないので、不耕起でどのように蒔くかを試行しています。今のところ、麦をパラパラ蒔いておき、少ししてから草を5cmくらい残して刈るのが一番です。もし草が生えている田畑があったら実践してみる価値ありですよ!
子どもの頃、父たちが畑で「蒟蒻」を育てるのを手伝いながら、いろんなことを考えました。その中の三大疑問?「@硫酸銅と生石灰でつくるボルドー液の消毒を何度もして食べる時に害はないのか?」「A蒟蒻は半日陰で育つ植物(マムシグサの仲間)なのに、日光のよく当たる畑で栽培して大丈夫なのか?」「B蒟蒻畑の土は厚さ1cm/年くらい流れていってしまうけど、将来は大丈夫なのか?」中でもBの土壌流出の問題はずっと頭に引っかかっていました。大雨のたびにたくさんの泥水が海に流れていくので、将来は作物が作れなくなってしまうはずだと考えたのです。蒟蒻を作らなくなった今、休耕田畑をできるだけ緑にしておこうと努めているのはそのためです。 今実験している麦作りは「土壌流出防止、温暖化防止、食糧自給」の一石三鳥(さらに育てたり収穫したりという楽しみ付き)を狙っています。(蒔いて刈るだけの手抜き農法ですが…)
ところで、麦にもいろいろ種類があります。我が家では、パンが焼ける「小麦・群馬W8号」、うどんに最適の「小麦・群馬W10号(春のかがやき)」、そのままご飯と一緒に炊ける「モチ麦(大麦の裸麦)各種」が中心です。この他に「ライ小麦」もつくっています。基本的に自家用なので、無農薬ですが、芽さえちゃんと出れば実ります。 できれば田んぼで稲との二毛作をしてみたいのですが、実験するだけの田んぼがありません。そこで、保全活動を行っている里山の田んぼで先月紹介したような不耕起の米麦連続栽培を実験しているわけです。
近い将来必ずやってくる世界規模での食糧危機にそなえて、自家用の穀物くらいは作れないと困りますし、これほど水に恵まれた日本が、雨の少ないアメリカやオーストラリアなどから小麦などの穀物を多量に輸入している(仮想水の問題)こと自体、世界的な食糧問題や環境悪化の大きな要因でもあるわけで、麦を作ることが地球のためになると考えて取り組んでいるのです。
2006. 11. 26 斎藤 靖明(abusaito)
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