「徒然虫」 17号

里山だより15「地球温暖化」

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 6月は環境月間ということで、BSしか見られない我が家でも「映像詩プラネット」や「地球は訴える」などの番組を見ました。その多くは「地球温暖化」がテーマになっています。今回は、このテーマについて少し書いてみます。

 地球温暖化のような環境の激変の何が怖いのか。簡単に言えば「自然の生態系が壊れたら私たちは生きていくことができない」という当たり前の結論に直結するからです。しかも、今回の環境激変の原因が、過去に例のない「人工物の生成(二酸化炭素もその一部)+生態系の破壊」を、普通に毎日行っている私たちの生活にあるわけです。例えれば、閉め切られた明るい部屋で、そこにあった緑の恩恵のために生きてきた人が、その緑を焼き、石油ストーブを燃やし続けているようなものですから、結果は明らかです。

 ところで、中学生の頃からアシナガバチの巣作りを観察してきた私は、この30年ほどの間に、アシナガバチの巣作りの開始日が2週間ほど早まっていることに気づいていました。また、高校生の修学旅行の時、法隆寺で初めて見かけたウラギンシジミが、今は群馬でもたくさん見られることに驚いています。いずれも、この30年ほどの間に「夏が1ヶ月長くなり冬が1ヶ月短くなった」と考えればつじつまが合います。皆さんにも心当たりのことがおありでしょう。1℃未満の温暖化の結果がこの変化です。

 また、理科の授業でこんなことを教えています。「海面下150mくらいから海抜50mくらいまでは、大陸棚という地形になっていて、気候変動によって海面がこの200mくらいの間を行ったり来たりしてきた。18000年ほど前は、今より寒冷で、海面が120mくらい低くなっていたし、6000年ほど前の縄文時代は、今より2℃ほど温暖で、海面が5mくらい高くなっていて、群馬県まで海が広がっていたことが貝塚の跡からわかっているんだね。」

 今回話題になっている温暖化予測は、2100年に1〜6℃程度の温度上昇ということですから、私はとても心配です。また、2100年以降は、変動がさらに加速することが十分考えられますから、非常に心配です。現代文明は、地下資源の活用という人工物の生成と人口増加や開発という生態系の破壊によって進歩してきているわけで、将来に対して大きな危惧があります。

 生きるために、何をしたらいいのでしょう? 私はとりあえず、身近な自然を大切にすることから始めることにしました。それが里山保全活動です。

2007. 6. 24 斎藤 靖明(abusaito)

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