富士見ファンタジア文庫 <卵王子>カイルロッドの苦難 E 悲しみは黄昏とともに
著:冴木 忍氏 挿絵イラスト:田中 久仁彦氏
■ あらすじ ■ |
||||
「タジェナ山脈だ……」 数々の苦難を乗り越えて、カイルロッドは遂にタジェナに辿り着いた。 出会った人々の面影がカイルロッドの脳裏をよぎる。いよいよムルトを倒し、ルナンの都を救うのだ! 雪に覆われたタジェナを登って行くカイルロッドたち。彼らを、化物たちは執拗に攻撃してくる。 そんな化物を蹴散らしたカイルロッドの前に、途中の街で出会ったヴァランチーヌが現われた。 「どうしてもムルトを倒すというのね」 その声にあるのは敵意や殺意ではなく、深い悲しみだった……。 |
||||
■ 登場人物 ■ |
||||
|
||||
… … … 「死なないでくれ!」 |
||||
6巻「悲しみは黄昏とともに」より抜粋させて頂きました。
ものすごい重要な場面で、なかなかどう描くか決められませんでした…。
この場面でミランシャについての全てが判明するけれど、それすらもどうでもよくなってしまうような一つの結末。
しかし私の場合、実際ここでは驚くばかりでこの結末を疑いながら読み進めたものです。
6巻終盤でイルダーナフによって王子が現実に戻ってきた時に、私もやっとそれを受け入れたのですが。
イルダーナフの言葉の一つ一つがすごく染みました。
特異とされるイルダーナフと王子には、この飾りのない少女の存在が本当に安心できる存在なんだろうと思います。
当たり前に、大切なものをずっと注ぎ続けてくれた彼女は読み手たる私にとっても「ありがとう」の存在です。