富士見ファンタジア文庫 <卵王子>カイルロッドの苦難 F 微笑みはかろやかに

著:冴木 忍 挿絵イラスト:田中 久仁彦

 あらすじ 

  「……ミランシャ」
  いつも側にいて、励ましてくれた少女はもういない----。
  あれから半月、心の中を吹き荒れた嵐もようやく静まり、なんとかカイルロッドは自分を取り戻した。
  そんなカイルロッドの頭上から、一人の少女が降ってきた。

  「なんで女の子が、空から降ってくるんだ!」
  動揺しながらも、どうにか少女を受け止めた彼の目の前に、同じ顔をした少女が、さらに二人現われた!!
  三人の少女が、カイルロッドにもたらした新たなる試練とは----。

 登場人物 

          

     主人公。ルナン国の王子で、石と化した祖国を救う為
    旅に出た。
    多くのものを失いながらも元凶・ムルトを倒すが、それは
    更なる苦難-
-強敵にして実父--を呼び起こす事に…。

          セ リ

    空から降ってきた三つ子の一人。
   三人の中で一番無口で大人しいが悪戯には便乗する。
   怒らせると恐いらしい…?王子に懐き、側で見守る。

     アリュセ          

     黒髪がアリュセで金髪がリリア。セリと一緒に空から
    降りてきた…もとい飛んできた三つ子の内の二人。
    二人とも非常ーにかしましく、思ったことはズバズバ言う。

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   いきなり飛ばれ、カイルロッドは足をバタバタさせて暴れたが、セリはまったく気にしていない。
   ぐんぐんと高度が上がり、カイルロッドは「わーっ」と悲鳴じみた声をあげて、セリの手にしがみついていた。

  「あたしに触れていれば、落ちないわよ」
  「いきなりっていうのはやめてくれ!心の準備ってものがあるんだよ!」

   やはり足が地面についていないと不安を感じる。カイルロッドは下を見て、目が眩みそうになった。
  「イルダーナフといいセリといい、どうして神殿の人間はやることが乱暴なんだ!?」
   カイルロッドが喚いていると、「王子!」とセリの鋭い声がとんだ。
   見ると、上から無数の稲妻が落ちてきた。明らかにカイルロッド達を狙っている。

6巻・ 悲しみは黄昏とともに ヘ                                  8巻・ やさしさは風の調べ ヘ

 卵王子の入り口へ 

7巻「微笑みはかろやかに」より抜粋させて頂きました。

絵の方、調子に乗って稲妻増やしすぎました。ごめん王子(笑)
しかも私の脳内では、王子はもっと情けない感じ。セリの手に両手でしがみ付いちゃってるのではと思ってます。

眼下の景色はフェルハーン大神殿で、9巻によれば円形の街・中央の高台に神殿があるという設定です。
この絵では神殿の尖塔と下の方の街並みを描いたつもりです。あ、王子の服が8巻のでした;