-ゴスドラマ過去ログ:10801-10900-
黒沢カオル「…あっ…じゃ〜私向こうに居るね…北山さん、酒井さんお願いします。」
北山陽一「えぇ…ぁ、はい…酒井さん…どうですか…??!」
ト書き「北山は酒井の涙で濡れた顔を見て動きが止まった。」
酒井雄二「ああ、ちょぉっと昔話をしてただけだから。気にしないよーにっ!」
北山陽一「……はい、了解しました。」
ト書き「苦笑を浮かべて、北山は答えた。」
村上てつや「おい、具合の方はどうだ?」
ト書き「開いたままの扉から村上が顔をのぞかせた。」
酒井雄二「痛みますけど…ま、我慢出来ない程度じゃないですね。」
北山陽一「切開したんですから、無理させないで下さいよ。」
村上てつや「無理させるような言い方だな…、ま、これから無理させるか。」
北山陽一「…は?」
村上てつや「黒幕んとこ行くんだよ。…肚の探り合いならこっちも」
安岡優「得意…だからね。」
ト書き「二人は不敵な笑みを浮かべた。」
北山陽一「どう、するんです?」
安岡優「みっしょんの説明しよーか。」
ト書き「安岡は、ミッションインポッシブルのテーマを口ずさみながら安岡はパソコンの電源を入れた。」
酒井雄二「…はぁ、やっぱり、人は殺さないんですか。」
ト書き「一通りの説明を受けた後、酒井がぽつりと呟いた。」
村上てつや「どう言う事だよ…そんなにも人殺ししてぇのか?」
酒井雄二「いえね…貴方と行動を共にして、噂というか、人を経由した話は信用がならないという事」
村上てつや「何が言いたい。」
酒井雄二「普通なら、撃ってもおかしくない場面で撃たなかったし、追っ手が来た時も…致命傷」
北山陽一「そういえば、負わせてませんでしたね。」
酒井雄二「一つ訊ねたいんですが…殺人をした、という経歴は、本当に『貴方のものなんですか』?」
書き「柔らかい眼差しの中に、鋭い光を紛れ込ませて酒井は訊ねた」
村上てつや「そう思う根拠は?」
酒井雄二「『ムラカミテツヤ』という同名・一部で著名の人間が存在する事…ですか。目の前の人間と、…既に死亡している暗殺者と。」
ト書き「村上と安岡は僅かに眉を動かした。」
酒井雄二「指揮官が世界中飛び回って人殺すのって…変ですもんね。ちょっと調べたら、もぉわさわさ出てくる。」
ト書き「どうだ、と言わんばかりに酒井は言った。」
村上てつや「…はずれてんなっ、なぁ、ヤス…!」
安岡優「えっ…う…うんっ…ハズレ…だね…。」
山陽一「明らかに動揺の色が見て取れますが。」
安岡優「だっだってぇ…きゅっ、急にてつが話し…を振るからぁっっ。」
ト書き「村上は鋭い目つきで安岡を思いっきり睨んだ。」
酒井雄二「隠し事話ですよ…もう仲間なんですから…。」
村上てつや「…悪いかぁ…?人を殺さない事って悪い事かぁ?」
北山陽一「いいえ…。」
村上てつや「殺せって命令されたのは事実だよ…嘘じゃねぇ…。」
ト書き「村上は煙草を出し吸い始めた。」
村上てつや「けど、カオルを取り巻く全ての奴等は殺してねぇ、気絶とか、怪我とかだけだ…。」
酒井雄二「逃亡の手引きとか…ね」
安岡優「隠すつもりじゃなかったんだ…ごめんなさい。」
北山陽一「良い事です、人を殺すという事は最低の人間の犯すことですからね。」
ト書き「ふぅ、と村上が息を吐く。」
酒井雄二「だから心中ですか…謎の謎は解けましたね。」
北山陽一「心中ってなんですか?」
村上てつや「バッッ!!てめぇ〜酒井!!」
酒井雄二「〜♪〜♪〜」
ト書き「酒井は村上の視線を気にせず、気分爽快な顔で鼻歌を歌った。」
効果音「・・・ひゅん!」
ト書き「現在の状況を説明しましょう!村上の鉄拳が飛んだにもかかわらず、酒井は人間とは思えない「にょろ〜ん」とした動きで、村上の鉄拳をよけた・・・って所です。」
村上てつや「素早え〜な、酒井・・・。むかついちまうゼ、コノヤロー!」
北山陽一「人間離れした事は…止めて下さいね、二人とも。」
村上てつや「二人ともって…俺も含んでるのか?」
ト書き「嫌そうな表情で自分を指す村上。」
北山陽一「ま、どうとでもとって下さい。」
ト書き「納得いかない表情の村上と余裕の酒井。」
村上てつや「なんか腹立つなあ・・・」
北山陽一「そんな村上さんには酒井さんの弱点をお教えしましょう。」
ト書き「北山、村上に耳打ちをする。」
酒井雄二「コラァ!!けが人だってのにイジメる気かぁ〜!」
北山陽一「……で………なんです。」
村上てつや「ほぉ。」
ト書き「村上はにやりと微笑んだ」
安岡優「え〜何ナニ〜僕も知りたーいっ」
酒井雄二「何…言ったんだ、彼奴は……(汗)。」
村上てつや「じゃ、そのうちそのネタで遊ぶとして…国王潰しに行くか。」
効果音「ドテッ(ころんだ)」
佐々木真理「ara」
小林社長「な、なんだい…真理女史?」
佐々木真理「いえ、最近人がよく居なくなるな…と思いまして。」
ト書き「転んだ小林社長に手を貸して、しゃあしゃあと真理さんは言った。」
佐々木真理「王女も…御病気で静養していると聞いておりますが…面会謝絶で、一目も会えないんですよ?」
小林社長「あぁ…(冷汗)。」
佐々木真理「政を取り仕切っていた村上と安岡の二人も留守ですし…本当にどうなさったんでしょうねぇ…。(遠い目)」
ト書き「小林社長の顔を流れていた汗が、冷や汗から脂汗にかわる。」
平見文生「真理さん、ちょっと…」
田辺恵二「あ、はいっ」
佐々木真理「あれ?」
ト書き「平見氏に呼ばれ、二人はその場から居なくなった。」
小林社長「…何時になったらあの二人がこっちに戻ってくるんだ?」
村上てつや「…生きてて、ですか?」
安岡優「それとも…死体で?」
ト書き「社長は驚いて、二人の声がした方を勢いよく振り向いた。」
黒沢カオル「久し振りです、『お父様』…いえ、そう言えば私の父は貴方ではなかったですね。」
ト書き「黒沢が僅かな微笑みを浮かべて、立っていた。」
小林社長「カオル…っ!? お前、死んだはずではっ。」
北山陽一「死んでませんよ…ナニを根拠にそんな事を。」
酒井雄二「思い当たる事でも?」
小林社長「誰だっ。」
ナレーション「社長…妙にノリノリです。」
北山陽一「もしかして…殺そうとしていたんですか?」
ト書き「眼鏡の奥の瞳が、居抜く様な視線を投げかけた。」
村上てつや「(判りきってるっつーのに…よくやるなぁ。」
小林社長「そそそそそそんなっ!儂は別に、血も繋がらない娘に刺客を送りつけて、殺した後自分の息子に跡を継がせようなんて・・・・そんな、これっぽっちも!!!」
酒井雄二「はい、自白しましたね。録音させていただきました。」
ト書き「MDを片手に、酒井はそう言った。」
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