-ゴスドラマ過去ログ:10901-11000-
小林社長「なっ…!?」
酒井雄二「さて、ここに取り出したりますは携帯用転移システム端末機!これにこのディスクを入れてですね。」
効果音「カシャ・・」
小林社長「なっ、なにをする気だ!?」
酒井雄二「で、スウィッチをぽちっとな、と押せば。」
村上てつや「終わりだな…」
小林社長「てつや、優…お前ら…私を裏切ったのか!!」
安岡優「裏切った?何かの間違いでしょ??!」
ト書き「安岡はツーンとした態度で言い放った。」
村上てつや「裏切ったのは何処のドイツだよ、カオルをこんな目にあわせてそんににもまぁ〜いけしゃあしゃあと抜かしますねぇ、エッ?国王さんよ!!?」
黒沢カオル「あなたは最低な人間ですね…。」
小林社長「なんだと??」
北山陽一「カオル君の負った深い傷は一生癒えないでしょう…あなたのせいでね…。」
酒井雄二「カオルは悪くない、全部お前がいけないんだ。人を殺すって事はなぁ、誰かの心も殺す事になるんだよ!!」
ゴスペラーズ「(酒井以外)…酒井…(さん)…」
ト書き「4人は酒井の目に薄っすらと滲んだ涙を見つけた。」
酒井雄二「あなたは人の命や心の大切さ、尊さがわかりますか…?…大切に思っている人たちの気持ちが分るんですか…??」
ト書き「酒井は声を震わせ大きな声で怒鳴った。」
村上てつや「酒井…」
酒井雄二「大切な人を失った時…抜け殻のようになった人の心の痛みが…あなたは国王になる資格なんてない!!」
黒沢カオル「酒井…さん…もう良いよ…もう良いから…。」
酒井雄二「あなたは人間じゃない…!!死ぬべき者あなただぁ!…!」
ト書き「泣き崩れてしまった酒井の肩を北山はそっと叩いて、黒沢に酒井を託した。」
北山陽一「…さて…あなたにはこれからカオル君より、もっとツライ目に合わせて上げますよ…。」
安岡優「後ろ指にでも…指されて下さい…。」
村上てつや「…民衆はなんて言うだろうなぁ?『愛娘は愛人の子で、本妻の子が誕生した途端…愛娘を殺害した…卑怯かつ最低の国王』ってか??!」
ト書き「村上と安岡と北山は鼻で笑い、あきれた顔で小林社長を見下した。」
小林社長「くっ…。」
安岡優「これ、なーんだ?」
ト書き「安岡が、血液の入ったパックを持ち上げて小林社長に訊ねる。」
小林社長「血…か?」
安岡優「そ、ここに来る前に抜いたカオルちゃんの血。」
北山陽一「ちなみに、ナノマシン入りです。」
酒井雄二「で…こっちのパソコン、こっちはとある命令プログラム入りでそのプログラムは転送済み。」
小林社長「な…んだと?」
村上てつや「国王、最近…微熱出たり身体だるくねぇか?」
ト書き「小林社長は、先程の転倒やその前の頭痛を思い出して言葉を失う。」
安岡優「あのねー…あんたのナノマシンだけ移動命令出したの。目的地は、脳で。」
北山陽一「今頃、じっくりと溶かされてるんじゃないですか?貴方の脳細胞が。」
村上てつや「今は自覚症状ねぇだろうけど、そのうち…吐き気や目眩も追加されて…あと2週間で死ぬな。」
黒沢カオル「っ…。」
ト書き「黒沢は一瞬、動揺した。」
酒井雄二「あんたを助けられるのは、俺達しか居ないよ?」
村上てつや「さて…決断して戴きましょう…国王。」
安岡優「あ、俺の同僚に解除させようっても無駄ですよ?…罠仕掛けてるから。」
小林社長「何が…目的だ。」
ト書き「喘ぐように呼吸しながら、小林社長は訊ねた。」
井雄二「うっわぁ〜・・。なんでそんなわかりきった事を聞くかねぇ〜・・・」
安岡優「ベタだね……」
北山陽一「貴方にとってもきっと、良いことだと思いますよ?僕は」
ト書き「北山は微笑を浮かべながら小林社長に近づいた。」
小林社長「なっ…。」
北山陽一「こちらの要求を、呑んでいただければ…ね。」
酒井雄二「カオル王女の命と身体の保護と安全を先ず確立して戴いて、ゆっくり…話せるうちに話せる事を話しましょうか。」
ト書き「小林社長は4人の姿を順繰りに見て、後ろに後ずさった。」
村上てつや「逃げる…か。」
小林社長「逃げる?お前は儂に『選択』を迫ったが…今度はお前達が選択する番だ。」
ト書き「小林社長は勢い良く、豪奢な机を叩いた。」
効果音「警報。」
酒井雄二「あら。」
安岡優「『多勢に無勢』って言いたいのかなー…。」
ト書き「足音が響き、ドアが勢良く開いた。」
酒井雄二「さて、ボタンスイッチ第二弾、ぽちっとな〜。」
小林社長「・・な・・・なんだー!?」
一般人(男)「国王っ…如何なされましたっ!」
ト書き「開いた扉から飛び込んでくる方々。」
小林社長「この…5人を捕らえろっ。」
村上てつや「(」
酒井雄二「…どうしました?」
村上てつや「や、見た事ねぇ顔ぶれだなっと。」
北山陽一「貴方の部下じゃない…ようですね。」
安岡優「説得は通じないって事かぁ。でも、身内じゃないんなら遠慮しなくても良いんだよね?てつ。」
村上てつや「…殺さねぇ程度にな。」
ト書き「黒沢以外の4人が、にやりと笑みを浮かべる。」
酒井雄二「…殺さなかったのは、カオルちゃんを泣かせたくなかったからでしょう?『自分の所為でまた人が死ぬんだ』ってあの子は…優しいですからね。」
村上てつや「うるせぇよ、ばーか。」
ト書き「明らかに、照れ隠しと判る台詞を吐いて、村上はそっぽを向いた。」
北山陽一「…来ますよ!!」
黒沢カオル「み…みんなぁ…。」
酒井雄二「大丈夫です。心配しないで、カオル君が傷つく事はしないつもりだよ。」
黒沢カオル「…でも…っ。」
ト書き「黒沢は下を向いてしまった。」
酒井雄二「う〜ん…じゃ、こうしよう!」
ト書き「酒井は黒沢の方に右手の小指を出した。」
酒井雄二「…知らないかぁ。…小指出して、左手の小指。」
ト書き「黒沢は酒井の言われた通りにし、酒井が指を絡めた。」
酒井雄二「ゆ〜びき〜りげ〜んまん、う〜そついた〜らはりせ〜んぼんの〜ます!!ゆびきった!」
黒沢カオル「ゲンマン…?ハリセンボン・・??指切った??」
酒井雄二「嘘ついたら、針を千本飲むって約束した訳よ!”指きり”は2人の約束をつなぐ鎖って訳。分った?」
黒沢カオル「ぅ…うん…わかった。」
ト書き「黒沢は自分の左手の小指を見つめた。」
黒沢カオル「(酒井さんの手……。」
ト書き「流石に、室内で発砲するのは危険と判断したのか酒井・村上・北山の3人は素早く相手に接近した。」
酒井雄二「すいません、恨みはないんですけど。」
北山陽一「そんな事…今は関係無いですって。」
安岡優「聴く耳持って無いもんね〜…。」
ト書き「合気道や、格闘技ちゃんぽんな動きで相手を倒していく3人。」
村上てつや「…げ。」
ト書き「乱闘騒ぎになっている最中、小林社長が部屋から飛び出して行くのを村上は見た。」
村上てつや「逃がすかっ!!」
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