-ゴスドラマ過去ログ:12101-12200- |
ト書き「優を降ろして背中を叩き、先に行かせると北山は一つ溜め息を吐いた。」 北山陽一「…俺の白衣は何処に…。」 酒井雄二「あれ?白衣ならそこ…服屋の袋の中に入ってたけど。」 北山陽一「マジ?……良かったぁ。」 酒井雄二「ついに天才陽一兄貴もど忘れか!!?」 北山陽一「良いから行くぞ。」 酒井雄二「ういーっす。」 ト書き「北山と酒井は部屋を出た。」 黒沢カオル「優くん、パパ起こしてきて。」 安岡優「えっ〜!嫌だなぁ…パパ起こすと叩くんだもん…。」 酒井雄二「今日の朝食はっと…普通にご飯と味噌汁、焼き魚ですか。」 黒沢カオル「ナニ、何か文句あるの?立派なご飯じゃない!!」 北山陽一「鮭ですか、甘塩ですか?」 黒沢カオル「そうよ。」 酒井雄二「変なところにこだわり持ちますなぁ〜。」 北山陽一「いや、本来の鮭の味が1番分かるし…。」 黒沢カオル「まぁ、何でも良いからお父さん起こしてきて。」 ト書き「北山・酒井は急に黙り込んだ。」 黒沢カオル「雄二。行ってきてちょうだい!!」 安岡優「いってらっしゃ〜い!雄二にぃちゃん♪」 北山陽一「頑張れ…。」 ト書き「安岡は笑顔で手を振り、北山は酒井の肩を慰めるかのように叩いた。」 酒井雄二「はぁー…。いってきます…。無事帰還できることを祈っててくれよ!」 北山陽一「……祈るだけ、祈ってみるけど。」 黒沢カオル「お味噌汁冷める前に、起こしてきてね?」 酒井雄二「なんだって俺に押し付けるんだッ!・・ぶつぶつ・・」 ト書き「ぶつくさ呟きながら酒井は食堂を出て行った。」 酒井雄二「親父ぃーっ!朝だぞー!?」 村上てつや「…あぁ?」 効果音「ボカッ!!」 酒井雄二「くぅう……痛ってぇー!」 村上てつや「ふぁあああ……くう〜…くう〜…。」 酒井雄二「また寝ちまった…畜生、目覚まし時計が保証期限前にぶっ壊れそうな勢いだぜ。」 ト書き「その時、エプロン姿の黒沢が寝室へと現れた。」 酒井雄二「あ、母さん。」 黒沢カオル「どうしたの?ご飯さめちゃうよ。あれ?!雄二おでこ赤くなってるじゃない?大丈夫?痛くない?」 ト書き「黒沢はちょっと背伸びをして酒井の顔を覗きこんだ。」 酒井雄二「痛いも何も…毎回これじゃたまったもんじゃない。」 黒沢カオル「そうねぇ。 てっちゃん、てっちゃん、起きて!もう朝よ。」 村上てつや「んんっ?!おぉ〜カ・オ・ルゥ〜〜」 ト書き「寝ぼけ顔で黒沢に抱きつく村上。」 酒井雄二「ったくこの親父は…俺は先にリビング行ってますよ!!」 黒沢カオル「ちょっ、ちょっとぉ〜雄二ったらぁ〜…あららっ怒っちゃったぁ。」 ト書き「ドスドスと音を立て酒井は寝室から出て行った。」 安岡優「おかえりなさぁい…って…凄いおでこ赤いよ…大丈夫?おにぃちゃん…。」 北山陽一「やっぱりやられたようだな…しかも思いっきりヒットした?!」 酒井雄二「素手で叩かれてきたよ…っとに、親父の寝起きの悪さは蜂の巣に匹敵すんぞ。」 北山陽一「あぁ…“触らぬ神に祟り無し”ってやつか。下手に突っ突かない方が良いもんな。」 安岡優「まま、大丈夫かなぁ…?」 酒井雄二「親父はおふくろには何もしないからな…声聞くなり抱きつく位だし。」 安岡優「パパはママにはすんごく優しい門ね…。」 北山陽一「”門”ってなんだよ…。 いつまでも新婚夫婦みたいに…なぁ。」 ト書き「冷静に指摘をし、ため息をつく北山。」 村上てつや「あぁ〜〜〜〜眠いっっ! おっ!おはよう。」 北山陽一「おはよう、ったく雄二のこと叩くなよ、寝起き悪いんだから…。」 酒井雄二「そうですよ!!いくら親父だからって意味なく叩かなくても…」 村上てつや「叩いてなんかないぞ、どっかにブツケたんじゃないのか??」 北山陽一「…雄二、何言っても無駄だな…。」 酒井雄二「陽一兄貴に同感…。」 ト書き「北山と酒井は静かに言うと納得しあった。」 安岡優「パパ〜おはよう♪」 村上てつや「おっ!おはよう、優。今日も元気だなぁ。」 ト書き「村上は安岡を抱き上げ笑顔を見せた。」 酒井雄二「この光景…違和感あり…。」 ナレーション「気にしない事にしましょう、酒井さん。私も違和感ありと思います。」 酒井雄二「…っと、飯メシ…。兄貴、茶わんとって?」 北山陽一「ほいよ。」 ト書き「普通の茶碗よりやや大きめの食器を片手に酒井は炊飯ジャーの蓋をあけた。」 黒沢カオル「はい、てっちゃん、お味噌汁。」 村上てつや「おう、イタダキマスっと。」 安岡優「ママぁ〜お魚の骨とって♪」 黒沢カオル「ママ今洗濯乾しに行くからおにぃちゃんにやってもらって。」 ト書き「慌しくベランダに出る黒沢。」 安岡優「…ジィッー――…取って?」 ト書き「安岡の視線の先には…北山。」 北山陽一「ったく…小学生になるんだから自分で出来るようにしろ、優。」 村上てつや「とか言ってるくせに、顔は満更でもなさそうだぜ、陽一。」 安岡優「だってぇ…自分で取るとグチャグチャになるし…パパにやってもらうとグチャグチャになるのプラス、食べるトコ無くなるんだもん・・・。」 酒井雄二「優、パパみたいにはなるなよ。陽一兄貴みたいになれ!」 北山陽一「いつでも協力するぞ、優。でも食事は自分でやってくれ。良いね?」 安岡優「うんわかった!じゃ〜骨の取り方教えて。」 ト書き「安岡は北山の膝の上に座る。」 酒井雄二「ごっそさんでした。」 ト書き「北山陽一による『魚の骨の取り方』講座・受講者一名が行われている傍ら、さっさと食事を終わらせ酒井は湯呑みのお茶を飲み干した。」 酒井雄二「ふぁ〜……まだ眠い……。」 村上てつや「…ったく、遅くまで起きてっからだろ!お前は!」 酒井雄二「その事をしってるパパも遅いのでは・・・。」 村上てつや「ほぉ〜‥口ごたえするか。一丁前に。」 酒井雄二「俺の部屋からソフトを持って行って、母さんが寝た後やってるかと思ったんだけどね。」 村上てつや「うっ…。」 ト書き「顔に動揺がありありと見える父・村上。」 酒井雄二「はぁあ…親父、PS2の中身、調べさせてもらうよ?ソフト今日返さなきゃなんないからさ。」 村上てつや「わーったわーった。もってけ。」 黒沢カオル「あらっ、雄二食べるの早いわね…まだ私手をつけてもいないのに。」 ト書き「ベランダから戻ってきた黒沢は」 ナレーション「(コラコラっト書き!!)立ち上がる酒井を見て驚いた。」 酒井雄二「悪いね、母さん。お先頂きましたっ、ごちそうさま!」 北山陽一「アイツは本当に噛んで食ってるのか?」 安岡優「雄二にぃちゃんの口癖は『100回以上は噛むんだぞ!』だからね…噛んでると思うよ。」 ト書き「北山のヒザに乗っかったまま安岡は顔を覗き込み言った。」 |
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