-ゴスドラマ過去ログ:12201-12300-
村上てつや「ったく、アイツは…。」
黒沢カオル「あっ、そうそうてっちゃん。雄二がゲームのソフト探してるみたいなんだけど知らない?」
村上てつや「(ぎくっ)アッ、ゴホゴホ!…ゲホゲホ!!…うぐっ…しっ、知らないッ…ゴホゲホ!!」
安岡優「パパきたなぁ〜い!!ご飯にかかったよぉ!!」
黒沢カオル「あらら、布巾ふきん。」
ト書き「慌てて、黒沢が台所へと戻った。」
酒井雄二「人質確保したっと」
ト書き「置かれたゲーム機からソフトを取り出し、酒井はケースへしまった。」
酒井雄二「あー何かホッしたらまた腹が減ってきたなぁ…。」
ナレーション「…いま食べ終わったところなのに…。酒井さんって…。」
酒井雄二「100回噛んで食うとするか。」
黒沢カオル「あっ雄二、ゲーム見つかった?」
酒井雄二「あっ母さん、見つかりましたよ。」
黒沢カオル「あらそうよかった。」
酒井雄二「母さん、ご飯!!」
黒沢カオル「えっ、エッー―――!?今食べたばかりでしょ!!」
安岡優「急いで食べるからお腹空いちゃうんだよぉ。」
ト書き「北山に骨を取ってもらった魚を口にしながら安岡は酒井に言った。」
北山陽一「消化に悪いぞ、雄二。」
村上てつや「だからブクブク太んだよ…。」
酒井雄二「母さん、俺のソフト隠してたの親父だったよ。夜中にやってたんだってさぁ〜母さんの寝てる隙を見て。」
村上てつや「バッ!!てめぇー雄二!」
ト書き「村上は慌てて黒沢に”違う”と言う素振りを見せ、酒井に小声で怒った。」
黒沢カオル「てっちゃん?!どうしてそういう事するの!隠れてゲームしないって約束したでしょ!もぉ。」
安岡優「あぁ〜あ、ママ怒っちゃったぁ〜、僕知らなぁ〜い♪」
北山陽一「俺も…。さて、ごちそうさま。俺部屋で勉強してくるから。」
村上てつや「オイッ!陽一助けてくれよ!」
北山陽一「自分の後始末ぐらい、自分でして下さい。優、お前も早く食べろ、母さん片付かないから。」
安岡優「うん☆」
酒井雄二「あー、俺も自分でよそうかな。」
村上てつや「おいっ!待て雄二!!」
ト書き「子供に見捨てられて、立つ瀬の無い父親。」
黒沢カオル「てっちゃん……(怒)。」
村上てつや「お…落ち付けよ。」
黒沢カオル「どうせてっちゃんは私との約束なんてどうでもいいと思ってるんでしょ?!」
安岡優「ん?約束ってなになにぃ〜?」
酒井雄二「こらこら、大人同士の会話に子供が口出しちゃいけません。」
北山陽一「そおそお。余計な事をやるとね、痛い目に逢う事が多いんだよ?」
ト書き「軽く伸びをして、北山は安岡の頭を軽く撫でて苦笑を浮かべる。」
安岡優「『おとなのじじょお』ってヤツ?」
酒井雄二「ん〜〜〜……。」
北山陽一「ま、そんな感じだね。当たらずとも遠からず。」
村上てつや「おいコラ。優に変な入れ知恵すんじゃねぇ〜よ!」
黒沢カオル「てっちゃん!俺の話聴いてる!?」
ト書き「よそ見をした村上へ、黒沢の怒声が飛ぶ。」
村上てつや「聴いてるって…お前の声はことさら良く聴こえるんだぜ?」
黒沢カオル「そ…れって。どういう意味?」
村上てつや「お前の綺麗な声を…聞き逃したく無いんだ。」
ト書き「頬杖をついたまま、村上は黒沢をまっすぐ見据えてそう言った。」
酒井雄二「…というわけで、大人はああやって窮地から逃れようとするんだぞ?」
安岡優「ふぅ〜〜ん。」
北山陽一「ああいう手段は幾つ持ってても構わないけど、一回使ったら同じ相手には通用しないから…応用…つまり、頭を使ってだな…。」
ト書き「3兄弟、秘密の会合。」
村上てつや「カオル……こっち、おいで。」
黒沢カオル「…てっちゃん…。」
ゴスペラーズ「村上・黒沢以外>…やってらんない。」
ト書き「3人はそそくさと食堂を出た。酒井に至っては飯茶碗を片手に持って行る。」
黒沢カオル「って、毎度そんなテに引っ掛かるかぁ−−−!」
ト書き「黒沢の怒号が、食堂に響き渡った。」
安岡優「巣に戻るけどさぁ、くろぽん男になってる…。」
北山陽一「”素”だろ…。 黒沢さ〜ん、地が出てますよ。」
黒沢カオル「アッ…ごめん。 」
酒井雄二「いやはや…この夫婦これでも良く上手く言ってるよなぁ。」
北山陽一「これだから上手く行ってるんでしょ…。」
村上てつや「カオルそんなに怒るなよぉ〜なっ、お前のこと好きだから気を使ってさ…」
黒沢カオル「約束!守るって言ったじゃない!てっちゃん…の…バカ…!」
ト書き「そう言うとリビングから出て寝室に行く黒沢。」
安岡優「あぁ〜あ、ママ泣いちゃったぁ〜!かわいそぉ〜!」
村上てつや「カオル、待てよ!」
ト書き「慌てて寝室へ向かう村上。」
北山陽一「結局さ親父って母さんに弱いよなぁ…。」
酒井雄二「弱いというかなんと言うか…さて、母さんがあんなだし片付け3人でしようなっ!」
安岡優「あっ…ボク勉強しなきゃ!!」
酒井雄二「逃げるんじゃないの!」
ト書き「襟元を掴まれジタバタとする安岡、それを見て笑う北山、ため息をつく酒井。」
ナレーション「そして時間は経ち…リビングにはコーヒーを飲む村上と酒井と黒沢の姿…」
黒沢カオル「雄二ソフトは返しに行かないの?」
酒井雄二「あぁ家に来るって。ついでに借りたいソフト探してくってさ。」
村上てつや「お前の友達もゲーマーばっかりか。」
黒沢カオル「おやつ何かあったかな?あっ、ケーキでも焼いとく?お友達甘いの平気?」
村上てつや「(お!久々にカオルの手作りケーキが食えんのか♪)とーぜん好きだよな?なッ?」
ト書き「喜びに瞳をキラキラさせながら、村上は酒井へ訊いた。」
酒井雄二「ん、まあたぶん、大丈夫でしょう。」
黒沢カオル「なんでてっちゃんが嬉しそうな声出すの?てっちゃんにはあげないわよ。」
ト書き「冷たい目で村上を見ると黒沢はケーキの本を読み始めた。」
村上てつや「カオルゥ〜冷たいなぁ〜、俺もお前の世界、イヤ宇宙一美味いケーキ食いてぇなぁ〜、なっカオル。」
黒沢カオル「イヤよ。約束守らないてっちゃんにあげるケーキなんか作らないわよーだっ。」
村上てつや「頼むカオル、愛してるからよぉ…世界で1番お前が好きだよ。」
ト書き「クサイセリフをカオルに言うと村上カオルを後ろから抱きしめた。」
酒井雄二「やっとてらんない…この夫婦どうにかして…。」
黒沢カオル「もぉ…てっちゃんたらぁ…。」
ト書き「顔を赤らめ満更でもなさそうな表情の黒沢」
北山陽一「…なんか飲み物…って、昼まっからナニやってんだよ!!」
ト書き「部屋で勉強をしていた北山はリビングの情景を見て呆れる反面、キレていた。」
村上てつや「なんだよ、いいじゃねぇーか、夫婦だぞ。」
酒井雄二「訳わかんないからホッて置こう陽一兄貴。」
北山陽一「大体なぁ、親父と母さんはいつまで新婚夫婦みたいにしてるかねぇ?!もういい年だろ、恥ずかしいよ…ったく…。」
黒沢カオル「陽一、そんなに怒らなくても・・・ねっ。」
北山陽一「母さんは俺のものだ!」
酒井雄二「…コラコラ…陽一兄貴・・・」
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