-ゴスドラマ過去ログ:12301-12700- |
北山陽一「あぁ〜イライラして来た、図書館に行ってきます!!」 ト書き「勢いよくリビングを飛び出すと北山は扉を思いっきり閉めた。」 効果音「バタンッッ!!!!」 村上てつや「怖ぇ〜…」 黒沢カオル「陽一、私のこと嫌いなのかしら…?くすん…。」 酒井雄二「泣かないで下さい、母さん。ヤキモチですよ、きっと。俺もちょっと出かけてきます。」 黒沢カオル「やきもち?・・・ふふふ、やきもちかぁ。」 ト書き「なんとなく、『愛おしむ』ような視線で二人を見送る黒沢。」 田辺恵二「ゆっうじく〜ん!あ〜そ〜ぼっ!」 ト書き「そこへとても高校生とは思えないような誘い文句とともに、雄二の親友田辺がやってくる。」 酒井雄二「うっす!」 ト書き「家の奥から田辺を出迎え、今現在、自分の中で流行っているポーズ(自分で想像しよう)をとった。」 黒沢カオル「いらっしゃい!いつも雄二がお世話になってます。この子ちょっと変わってるから、迷惑とかかけてない?」 ト書き「酒井の後ろから顔を覗かせて黒沢はにっこり微笑みながら田辺に尋ねた。」 田辺恵二「……。」 酒井雄二「どうかしたか?田辺?」 ト書き「顔を赤くしてボーっとしている田辺に酒井は怪訝そうに声をかける。」 黒沢カオル「具合悪いの?熱でもあるのかなぁ?!雄二、体温計もってきて!」 田辺恵二「あっ!い、いいえぇ、あのっだっ、だいじょぶです!はいっ!」 酒井雄二「…ホントかよ。んじゃ、俺の部屋行くか?」 田辺恵二「え?あ、うん。」 ト書き「相変わらず心ここにあらずな様子の田辺を、酒井は小首をかしげながら自分の部屋に案内する。」 黒沢カオル「じゃあ、後でおやつ持っていくわね。」 酒井雄二「うん。おねがいしまっす!」 ト書き「黒沢がキッチンへ向かうのをじっと見ていた田辺は、真剣な顔で酒井に詰め寄った。」 田辺恵二「雄二!お前あんなかわいいお姉さんがいるって、今までなんで黙ってたんだよ〜!なっ、お姉さん、名前なんて言うんだ?なぁ、年は?OLさんか?なぁっ!雄二ぃ…!」 酒井雄二「…は?」 田辺恵二「いやぁ、一目ボレってあるんだな…。お姉さん、年下とかって好きかな?あっ!雄二、俺のことお兄さんって呼んでもいいぞ!」 ナレーション「田辺さん、かなり暴走気味ですね〜。実は本気だったりして……。」 酒井雄二「田辺…あれ俺の母親なんだ…。」 ト書き「田辺さん固まる。」 酒井雄二「お前を兄さんなんて呼ぶ事は無理だな、悪いなぁ。」 田辺恵二「俺寝込むかも……数分で一目ボレ終わりなんて初めてだよ。」 酒井雄二「ドンマイ!人生まだ長いぞ、田辺!!」 ト書き「肩を叩き田辺をなぐさめる酒井。」 安岡優「…雄二にぃちゃん…陽一にぃちゃんは…?」 酒井雄二「陽一兄貴なら図書館行ったぞ。その前に、あいさつしなさい!」 ト書き「と言われると安岡は素早く酒井の後ろに隠れた。」 田辺恵二「こんにちは。 酒井の弟?可愛いね、何歳?」 安岡優「…6才…。」 酒井雄二「こらっ、ちゃんと大きな声で、男の子だろぉ?挨拶もちゃんとしなさい。」 ト書き「そう言うと酒井は安岡を抱き上げた」 安岡優「…こんにちわぁ…優です。」 酒井雄二「よし、イイ子だ!挨拶は人間の基本だぞ。」 効果音「コンコン」 黒沢カオル「入るわよ。」 ト書き「返事も聞かないうちに扉を開ける黒沢。」 酒井雄二「あぁ、母さん。ありがとう。」 黒沢カオル「ごめんなさいね、ケーキ位しか出せなくて。」 田辺恵二「あっ、いえトンでもないです。ありがとうございます!!」 黒沢カオル「あらっ、優ダメでしょ雄二のお友達が来てるのに…コッチいらっしゃい。」 ト書き「そう言うと黒沢は酒井にケーキとコーヒーの載ったトレーを渡し、安岡を抱き上げた。」 (管理人注:ログ一部消失、しかも100とかってレベルで(号泣)) ト書き「北山と酒井は安岡を連れて、部屋へと向かった。」 酒井雄二「…で、どうすんだ?陽一兄貴。何か宛てでも」 北山陽一「回りくどく行かないで単刀を直入しようと思ってる。」 酒井雄二「それって。」 北山陽一「竹内さんに、直接攻撃…つまりアタックするんだよ。」 安岡優「えぇ〜?陽一兄ちゃん竹内のお兄ちゃんに告白するのぉ?」 北山陽一「ち…違うよ、優。」 ト書き「右手こぶしを左手の平に打ち付けて、酒井は何かを思い付いたように頷く。」 酒井雄二「なぁ〜…っるほっど。」 北山陽一「それじゃ、善は急げって事で今からイくか。」 酒井雄二「い、今から?」 北山陽一「お昼ちょっと前なら配達から戻ってるだろ。」 安岡優「兄ちゃん…僕もぉ。」 酒井雄二「家出るまで騒がないようにな。」 ト書き「そう言って3人は村上と黒沢に気付かれずに家を出て竹内の営むクリーニング店へと向かった。」 黒沢カオル「……………。」 村上てつや「‥‥‥‥‥‥‥‥」 ト書き「膠着状態が収まらぬまま、昼食の準備をする黒沢とテレビを眺めている村上。」 ナレーション「(きっ…気まずい…。」 ト書き「村上は無言でナレーションの後頭部を掴み、自分の隣へ座らせた。」 村上てつや「なぁ…お前はどう思う?」 ナレーション「ど、どおって?私これに関与しちゃいけないって厳重注意受けてるんですから。」 ト書き「村上は、深く、ふかぁ〜く溜め息をはいた。そして。」 村上てつや「あっそ。」 ト書き「ぐるぐる右肩を回しながら素っ気無く言うと、ナレーションを外にぶん投げた。」 酒井雄二「こんにちは〜。」 安岡優「こんにちわ!」 マネージャー竹内「はぁ〜い…あ、どうも村上さん。いらっしゃいませぇ、毎度様です。」 北山陽一「竹内さん、今日は。」 マネージャー竹内「あれ?珍しい顔ぶれだね。」 北山陽一「そうですか?」 ト書き「挨拶をかわすと、店の戸を閉める/」 北山陽一「実は…。」 酒井雄二「母さんと竹内さんって、幼馴染みだったんだよね?」 ト書き「北山が話し始めた時、酒井がそう訊ねた。」 マネージャー竹内「そう。…黒沢さん、じゃないや村上さんから聞いたの?」 北山陽一「その事で…一つ、お願いがあるんです。」 安岡優「あるんですっ。」 マネージャー竹内「は?」 酒井雄二「竹内さんって、うちの母さんの寝顔、見た事あるんだろ?」 ト書き「3兄弟に詰め寄られ、即座に状況を理解出来なかった竹内マネが目をぱちくりさせた。」 マネージャー竹内「順を追って…喋ってくれよ。」 ト書き「酒井と北山は共謀して組み上げた説明を話した。」 北山陽一「s」 酒井雄二「(肝心なところで…兄貴…)…と言う訳なんですが?どうなんですか?竹内さん。」 マネージャー竹内「ハハハッ、君たちは本当にお母さん思いだね。確かに村上さんの寝顔は見たことあるよ。」 ト書き「竹内は”参ったな”と思いつつ笑いながら答えた。」 マネージャー竹内「と言うか、高校時代の友達、友達じゃなくてもみ〜んな村上さんの寝顔は見てるよ。」 北山陽一「どういう事ですか?竹内さん、話が読めませんが…。」 マネージャー竹内「まぁ、上がって。今、お茶入れてあげるよ。」 酒井雄二「お構いなく!!」 マネージャー竹内「良い物、見せてあげるよ。まぁ、上がって上がって!!」 ト書き「竹内は3人を居間に上がらせると、戸棚からガサゴソと何かを取り出してきた。」 マネージャー竹内「まぁ、これを見れば全てが分かるよ。村上さんの寝顔のことが…。」 安岡優「あるぅばぁむぅ??!」 ト書き「北山は竹内からアルバムを受け取ると、めくり始めた。」 マネージャー竹内「私もつい最近見たんですよ、久しぶりに見たらそれがあったんでね。ホラッ、それ!」 ト書き「竹内が指差したところには可愛らしい1人の女の子の寝顔が。」 酒井雄二「もしかして…この人、母さん??」 マネージャー竹内「正解、当時の”黒沢カオルちゃん”だ。この写真、村上さんの事好きだった男子が絶対載せる!って言って頑張って載せた代物なんだよ。」 安岡優「この人ママなのぉ??」 北山陽一「だから竹内さんは母さんの寝顔が可愛いと言っていたんですね…そうですか。」 マネージャー竹内「カオルちゃんは昔から大人気だったんだよ、本当。幼馴染ってだけで、もう大変だったんだから!!」 安岡優「ママはそんなに人気だったのぉ??」 マネージャー竹内「そりゃもぉ!たぶん同級生たちが”結婚してて、3児の母”って聞いたら寝込むやつは10人いるね、絶対。」 北山陽一「母さんは昔から、可愛くて綺麗で人から好かれていたんですね。子供として嬉しい限りです。」 酒井雄二「この寝顔…カワイイ…あ!俺的禁句!」 北山陽一「ま、今はまぁ…状況が状況だから。」 マネージャー竹内「ちょおどね」 ト書き「竹内マネが考え事をするように、視線を宙に彷徨わせた。」 マネージャー竹内「修学旅行の時?カメラマンさんが写真の注文を取りに来てて…個人的に注文した奴一杯居たんだ。」 北山陽一「その写真…持ってます?」 マネージャー竹内「いや…あははっ。」 酒井雄二「持ってるなら…貸して欲しいんだけど。いや、ちゃんとそのままで返すから。」 マネージャー竹内「あ、ちゃんと返してくれるなら…。」 ト書き「アルバムの間から、不意に数枚写真が落ちた。寝顔のものもあれば、“黒沢カオル”が中央に映っているものもある。」 北山陽一「…じゃ、これ。一枚借りてきますね?」 黒沢カオル「こんにちは〜!むっちゃんいる?」 酒井雄二「あ、母さんだ。」 黒沢カオル「あれ?雄二?陽一に優も…。なにしてるの?」 マネージャー竹内「カ、カオルちゃん!!いらっしゃい!」 北山陽一「母さんこそ…。どうしたんですか?」 ナレーション「竹内さん、ほったらかしですね…。」 黒沢カオル「あんまり、てっちゃんがうっとうしいから、むっちゃんに家に来てちゃんと説明してもらおうと思って。」 酒井雄二「いや、竹内さんは来ない方が良いよ。…余計泥沼になりそうだから。」 ト書き「最後の方は、ぼそぼそと呟くのみで酒井がそう言った。」 北山陽一「母さん、卒業アルバム。家に在る?」 黒沢カオル「あ、るけど…どうかしたの?」 酒井雄二「物的ショウコが揃ってるから…」 北山陽一「父さんも納得するよ。」 安岡優「ママ、かあいかったよ♪」 北山陽一「可愛い…だろ??」 黒沢カオル「ありがと、優。 じゃ、帰りましょ、てっちゃんの誤解解かなくちゃ!!」 酒井雄二「…実は仲直り、やっぱりしたいんだな…」 北山陽一「そうみたいだな…。」 安岡優「だなぁ…!?」 ト書き「北山は、にひゃあ、と笑う安岡を抱き上げた。」 酒井雄二「じゃ、竹内さん。長々とすいません。」 マネージャー竹内「え、あ。いや…うん。」 黒沢カオル「ごめんね、むっちゃん…迷惑かけちゃって。」 マネージャー竹内「いやぁ、迷惑なんて全然!平気さっ!はっはっはっ!(それにしても黒沢さん、素でかわいいよなぁ…。)」 北山陽一「(なんか・・不自然なテンションだなぁ〜)」 安岡優「ママ…?」 ト書き「北山に抱き上げられた状態で、安岡は“不安げ”+“上目遣い”を用いて黒沢を呼んだ。」 酒井雄二「じゃ、我々はお暇しましょう。竹内さん、失礼します。」 |
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