-ゴスドラマ過去ログ:12801-12900-
村上てつや「まぁな。今じゃあのサークルに感謝って感じだ…なっ、カオル。」
ト書き「村上は黒沢の方を抱き、黒沢はこくんと頷いた。」
北山陽一「でもさ、出会ったからって簡単には「じゃ、付き合いましょ」ってな事にはならないよね?」
酒井雄二「あー・・そうですよね。その努力で掴み取ったステキな出会いの後、どうやって母さんにお付き合いする承諾を得たんです?」
北山陽一「だいたい、父さんはともかく、母さんには当時彼氏とかいたんじゃないんですか?」
黒沢カオル「いないいない!だって、私全然目立つ方じゃなかったし…。お付き合いを申し込まれたこともなかったのよ。」
酒井雄二「……自分のこと、全然わかってないなぁ…。」
村上てつや「高校までは、竹内がいたからな…。あいつ、カオルに目つけた奴かたっぱしから絞めてたみてぇよ。」
北山陽一「竹内さんが…?!今じゃ気の良いお兄さんなのに…。人は見かけによらないですね。」
黒沢カオル「あら、むっちゃんはいつもやさしかったわよ?!」
村上てつや「だから、それはカオルだけにやさしかったの!」
酒井雄二「その竹内さんも大学までは付いて来れなかったんですね。…で、父さんにつかまって…。それから?」
黒沢カオル「その時、私とてっちゃんの入ってた大学が違ってて…『大学違うの』って言ったら、『うそぉっ』って凄く驚いてた。」
酒井雄二「あ…だから、『異文化交流』。」
黒沢カオル「『この大学じゃないの…?』って尋かれたから、『うん』って。答えた時凄くがっかりされて…その凄さに罪悪感に駆られちゃったぐらい。」
村上てつや「だってよぉ…。すっげぇ可愛くて目立ってたんだぜ?!それが俺の目の届かないところにいるなんて危なくってしょうがないじゃん!」
酒井雄二「いや…。父さんのそばの方がよっぽど危ないんじゃ…。」
村上てつや「あぁん?!なんか言ったか?」
酒井雄二「いいえっ。何にも言ってないです!」
安岡優「でもぉ、どうしておかぁさんとパパが恋人ドウシになったの?」
ト書き「正に、なにやら効果音付きで安岡は聴いた。」
安岡優「同じサークルで、パパの上着のボタンが取れてるのをおかぁさんが発見して、『縫ってあげましょうか?』って尋いたらパパが『それは俺の田舎じゃ“結婚を前提に…”って言う事で。』とか言ったの?」
北山陽一「優…どこからそんな情報を仕入れて来たんだ?」
安岡優「ママが『あら、それは大変。』とか言って、でも満更じゃなくて。パパの思うつぼ……だったら面白いんだけどねぇ。」
酒井雄二「そ…れは…流石に古いよ、優君。」
安岡優「スイソクとソーゾーだもん。たかが幼稚園児の。」
酒井雄二「だって…上着のボタンぐらいの裁縫で、母さんも付き合うとかは考えんでしょう。」
村上てつや「その前に、そんな事を俺は言わん。」
黒沢カオル「てっちやんはもっとカッコイイ事言ってくれたわよ。」
北山陽一「もぅ、もったいつけてないで早く言って下さいよ。」
ト書き「持っていた参考書を丸めて、北山は口角をつり上げた笑みを浮かべた。」
酒井雄二「兄貴…もう単位とか試験とかそっちのけだな。」
北山陽一「いいんです試験くらい。こういう貴重なお話は聞いておかないと。」
ト書き「今日ばかりは北山の性格が捕らえられなかった酒井。」
安岡優「パパ〜ママに何て言ったのぉ??」
村上てつや「さぁ〜なっ…イイだろそんなこたぁ〜。」
ト書き「村上は耳を真っ赤にしタバコを吸い窓の方を見た。」
酒井雄二「なんて言ったんですか?母さん。」
黒沢カオル「『やっと心から愛せる人に出会えたんだ、俺は絶対幸せにする。だからカオル付き合ってくれ。お前じゃなきゃダメなんだ!』って…。」
安岡優「うわぁ〜おっ!」
ト書き「北山のひざの上で暴れる安岡。」
北山陽一「優、暴れないの。 で、母さんなんて答えたの?」
黒沢カオル「ビックリしたのと嬉しいので…泣いちゃったの…。」
酒井雄二「えぇっ!?…親父ビックリしただろ?」
村上てつや「あたり前だろ、『ヤバイ、まだ早かったかぁ?』とか…色々考えちまったよ。」
黒沢カオル「でもねてっちゃんたらその後、私を抱いて『お前が俺のこと、同じぐらい愛してくれるまで俺は待ってる。ずっと待ってるから…。』って…それで私、”今答えなきゃ!”って思ってね…。」
酒井雄二「ほほぉ」
ト書き「酒井はほおづえをつき2人を凝視した。」
安岡優「それで?それでぇ〜〜??」
黒沢カオル「『うん』って…頷いたのよ。」
北山陽一「なんだか良いね2人とも…。」
ト書き「おじさんクサイ北山と嬉しそうに見る安岡と酒井。」
村上てつや「もういいか?ったく…陽一お前勉強してこいよ!雄二も。優も遊んでこい!」
北山陽一「…照れてるな、親父。」
酒井雄二「結構こういう自分の話は恥ずかしいみたいだね、うんうん…。」
村上てつや「俺みたいに大変な思いを学生時代にしたくないんだったら、早く勉強してこい!」
ト書き「村上は酒井と北山の頭を片手で掴むと、首で部屋の方さした。」
酒井雄二「あたたっ…『兄さん、頭が痛いよぅ…。』」
ト書き「昔のネタで、すっとぼける酒井雄二。」
村上てつや「ふっる〜。お前歳ごまかしてるだろ?」
酒井雄二「歳ごまかしてるだろ?と言われるほど「ふっる〜」くはないと思うケド・・。5年くらい前だしさぁ。」
北山陽一「きっと恥ずかしいんだよ。何かにつけて突っかかっちゃってさ。」
黒沢カオル「陽一、雄二!ほら、もうてっちゃんをからかってないで…、勉強するんでしょ?後で、お夜食持っていくから。」
酒井雄二「ボソボソ・・(なんかさぁー、この場から早く追い出そうとしてない?)」
北山陽一「ごにょ・・(あぁ、なんか昔を思い出してまた2人でイチャつくつもりなんだな、きっと)」
安岡優「むにゃむにゃ・・ もう戦えないよぉ〜」
ト書き「いつのまにやら眠ってしまった優。」
ナレーション「6歳にはまだまだ刺激が強すぎたのねぇ〜」
酒井雄二「む?!優ぁ、敵は誰なんだっ?兄ちゃんが加勢するぞっ!」
北山陽一「こらこら…。寝言に返事しないのっ!」
ナレーション「なんだかとてもなごやかな村上一家である。うらやましい。」
黒沢カオル「てっちゃん、優を部屋に寝かしに行って。」
村上てつや「おぉっ…ったく可愛いな…優の寝顔は…。」
ト書き「安岡を抱き上げると村上は寝室に向かった。」
北山陽一「じゃ、行くか部屋に…ホラッ、雄二も行くぞ!」
酒井雄二「へいへい、いつまでも若い銀で居る夫婦の邪魔はこれ位にしますか…。」
北山陽一「若い銀って何だよ??」
酒井雄二「”若い気”でした…失敬失敬。」
ト書き「雄二と陽一は方を組みながら部屋へ向かった。」
ナレーション「”方”゛ゃなくて、”肩”!!!」
黒沢カオル「んっとに…さて、片付けなきゃな…。皆ホントによく食べるんだから…。」
ト書き「流しに食器をつっこむ黒沢。」
村上てつや「あいつら勉強しに行ったか…?」
黒沢カオル「うん…。 今日は…色々ゴメンネ、てっちゃん。」
村上てつや「俺の方こそ…悪かったな…。 もう結婚して俺たち何年になる…?」
黒沢カオル「そうねぇ…もう結構経つわね、早いなぁ〜。大学時代が懐かしくなっちゃった♪」
村上てつや「あいつらが急にあんな事言うなんてな…驚いちまったよ、ったく。」
黒沢カオル「そうだね…ふぅ…なんか今日は疲れちゃった。」
村上てつや「…手伝うよ。 なんならカオル、座っててもいいぜ、俺やってやるから。」
黒沢カオル「いいわよっ♪ 明日、豪雨だったら嫌だもん。」
村上てつや「バーカッ! んな訳ねぇーだろ。」
ト書き「村上はカオルのおでこを人差し指で突いた。」
安岡優「らぶらぶっ?!」
村上てつや「うわっ!び、びっくりした…。優、お前寝たんじゃなかったのかよ?」
安岡優「こわい夢見たぁ…。まま、一緒に寝てぇ。」
黒沢カオル「しょうがないわねぇ。甘えんぼさんなんだから…。いいわよ、一緒に寝よっか。」
村上てつや「(んぁ?今晩カオルとラブラブできねーじゃねぇーか!!)ゆたかぁ〜、もう小学生なんだから一人で寝れるよな?」
安岡優「ぅうっ…ヒクッヒクッ…コワイよぉ…ぅうっ…」
ト書き「優はウルウルお目々&涙声でカオルに抱きついた。」
黒沢カオル「よしよし、泣かないの。…てっちゃん!!」
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