-ゴスドラマ過去ログ:12901-13000-
村上てつや「っとに…まぁいいや。おし、優こっち来い。」
ト書き「両脇に手を入れて抱き上げると、村上は安岡を赤ん坊抱きした。」
黒沢カオル「食器洗っちゃったら行くから…先に寝ててね?」
ト書き「前髪と一緒に、くしゃり、と安岡の頭を撫でて黒沢は微笑んだ。」
安岡優「…うっ…うんっ…。」
村上てつや「ったく優は本当に甘えん坊なんだからよぉ…。」
ト書き「村上は優をベッドの上に寝かすと、隣に添い寝した。」
村上てつや「優ぁ…お前どんな夢見たんだぁ?パパに教えてくれないか?」
安岡優「あのねぇ…大きな怪獣が出てきてね、ママの事さらっちゃうのぉ…」
ト書き「優はしゃくりあげながら村上の洋服を掴んだ。」
安岡優「ボクとかね…おにぃちゃん、パパ…みんなで戦うの…」
村上てつや「それで?なんで優は泣いてるんだよ?」
安岡優「おにぃちゃんもね、パパもね、居なくなっちゃうの…ボク1人になってね…」
ト書き「優はまた泣き出してしまった。」
村上てつや「おっ、おいっ…泣くなよ、パパも陽一も雄二も優を置いていなくなったりしないよ。」
ト書き「村上は優の頭を撫でて優しく言った。」
村上てつや「ママがさらわれても、4人みんなで助けるんだ。わかったか?…だから優、もう泣くな。」
安岡優「…う…ん…。」
ト書き「村上は優の背中を小気味良く叩きながら鼻歌を歌ってあげた。」
安岡優「ぱぱ…。」
村上てつや「ん〜〜…ん?」
北山陽一「むに…うにゃあ…。」
ト書き「充電池が切れるように、ばったりと北山は突っ伏した。」
酒井雄二「あ〜に…き、ってありゃ。電気着けっぱなしで寝てますな。」
ト書き「暫し考えて、電気を消すと酒井は毛布をベッドから持って来て北山の身体にかける。」
酒井雄二「…ま、たまには息抜きも必要って事で…。」
ト書き「大袈裟に首を傾げると、誰に言うともなく呟き、酒井は部屋から出た。」
安岡優「ぱぱ…?」
ト書き「とろとろ、瞼が重くなってきている安岡が村上を見上げる。」
村上てつや「ん〜んっ♪っん?なんだぁ…?」
安岡優「ボクもう平気だよぉ…だから、ママのところ行ってあげてぇ…。」
村上てつや「…優ぁ…ありがとなっ…。」
安岡優「…おや…すみぃ……くぅ〜くぅ〜…☆」
黒沢カオル「…もう寝ちゃった?」
村上てつや「ああ、ぐっすり寝てるよ。」
黒沢カオル「どんな夢見たの…?優。」
村上てつや「みんなが居なくなる夢見たんだとよ…。」
ト書き「カオルは村上の側に座り優の顔にそっと触れた。」
黒沢カオル「優…淋しいのかなぁ…。」
村上てつや「陽一とも雄二とも歳離れてるしな…俺も忙しいし…かまってやれないもんな。」
黒沢カオル「ごめんね…優…。」
効果音「ばばばば〜ん!」
村上てつや「なんだぁあ??」
黒沢カオル「なんの音?」
ト書き「突然失礼しました。気にしないでラブラブを続けてください。」
黒沢カオル「……無理な話だと思う……」
村上てつや「確かに。」
ト書き「村上はもっともらしく頷いた。」
黒沢カオル「ふぁああ…それよりてっちゃん、そろそろ寝よっかぁ…。」
ト書き「欠伸を一つすると、むにむにと目許を擦りながら黒沢が云った。」
村上てつや「あぁ…うん。」
ト書き「村上がもじもじしながら黒沢を見ると、当の本人はこてん、と転がって眠りに落ちかけていた。」
村上てつや「お〜い、カオル…(夜のお楽しみは?)…。」
黒沢カオル「うぅ〜ん…。ねむ……いぃ…。」
村上てつや「おあずけかぁ…おやすみ、カオル…。」
ト書き「村上はカオルに優しく声をかけると、布団をかけてやり部屋を後にした。」
村上てつや「…眠れねぇしな…一杯飲むかぁ。」
ト書き「村上は冷蔵庫の中からビールを取り出しベランダ出た。」
効果音「プシュッ!」
村上てつや「…かぁ〜、やっぱりビールはウマイなぁ…つまみが欲しい。」
酒井雄二「親父、ナニやってんだよ!!?」
村上てつや「ブハッ!!なっ、なんだよ?いきなり声かけんな、ビックリすんだろ…ったく…。」
ト書き「村上は口からビールを噴出し、雄二の頭を叩いた。」
酒井雄二「イタッッ!暴力反対!叩く事はないでしょう…痛いんだから。 」
村上てつや「人の楽しみを邪魔した罰だよ…ったく、なんだよお前こそ何しに来た?!」
酒井雄二「涼みに来たんです。そしたらベランダが開いていたもんだから、てっきり泥棒かと思いましたよ…。」
村上てつや「あっそっ! …お前も飲むか?…ウマイぞ、ほれっ。」
ト書き「まだ空けていなかった分のビールを雄二に差し出す。」
酒井雄二「未成年子供に親がお酒を勧めないでくださいよ…。」
村上てつや「細かい事は気にすんなっ!カオルには黙っててやるから、ほれっ。」
酒井雄二「仕方ないなぁ・・・ごくごくごく・・・ぷはぁ・・・」
村上てつや「おー、いい飲みっぷりだなぁ!」
酒井雄二「・・・ん?なんか、すっごく気持ちよ・・・くって・・・あれ?なんか、ぐるぐるぐるぐる回ってぇ〜・・・」
村上てつや「お・・・おい、雄二?」
酒井雄二「あー!!目の前にステキな女子がいるーッ!」
村上てつや「えっ?!どっどこだっ?!」
酒井雄二「あははははははははははははは!!!」
村上てつや「雄二ぃ〜!お前、どうしちまったんだぁ〜!!(T0T)」
黒沢カオル「なぁに?夜中に大きな声で!!ご近所迷惑でしょ!あら?!雄二お酒くさい…。」
酒井雄二「あははははははぁ!母さ〜〜〜ん♪」
黒沢カオル「きゃっ!ちょっと雄二ぃ…。お、おもい〜。」
ナレーション「あはははぁの状態のまま、酒井は黒沢に抱きついた。」
酒井雄二「カオル」
黒沢カオル「え?!やだっ!雄二ったら、どこ触ってんのぉ?」
酒井雄二「カオルちゃ〜ん!愛してるよ〜ん!!」
村上てつや「こんの…バカ息子っ!」
ト書き「突如として出現させたハリセンで、村上は酒井の後頭部を叩き黒沢から離れさせた。」
村上てつや「ったくナニやってんだよお前はっ!!!」
ト書き「突っ込むまでもなく、酒井は沈没していた。」
酒井雄二「hぅ〜〜……。」
村上てつや「とっとと部屋戻って寝ろ!」
黒沢カオル「もぉ〜てっちゃんたら!!雄二、ホラッ、もぉ〜!」
ト書き「この親(村上)にしてこの子ありって感じぃ〜。」
ナレーション「ト書きさんの意見に同感!!」
村上てつや「ぅるせぇ〜よ!!」
黒沢カオル「起きてよ、雄二ってばぁ〜!もぅ…。」
村上てつや「ほっとけ!こんな息子は…。」
酒井雄二「h〜ん…h〜ん……。」
黒沢カオル「あっ…そうだっ!」
ト書き「黒沢は、何かを思い付いたのか一目散に食堂へ走った。」
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