-ゴスドラマ過去ログ:13301-13400-
北山陽一「ゆ…雄二?何云ってるんだ?」
村上てつや「つまんねー冗談も大概にしろよ、雄二。」
北山陽一「あれ?雄二、お前いつの間にコーヒーにブランデーなんか淹れたんだよ?!」
村上てつや「お前!!また、酔っ払ってやがるな!」
小林社長「郵便局の近くのバス停って…。そりゃあ、私が読んでる小説のストーリーじゃないか…。そう言えば、居間に置き放してあったなぁ。雄二、いつの間に読んだんだい?」
酒井雄二「しかし、まさか俺の両親も、遙か30億光年の彼方から・・・むにやむにや・・・」
村上てつや「馬鹿だな。それに何だよ。「むにやむにや」って・・・」
黒沢カオル「雄二ったら、人騒がせなんだから…。ほら、起きて!あっちに布団敷いてあげるから。」
ト書き「陽一雄二を背中に乗せ、カオルと一緒に隣の部屋に向かった。」
村上てつや「ったく…アイツは…。」
安岡優「パパ…ごめんなさい…でも、ボク…」
村上てつや「優、誰にでも好奇心ってもんはあんだ、だから」
ト書き「村上は優を椅子に座らせる」
村上てつや「…だから、もう気にするな。それに、この話は優にはスゴク難しい、だから優はもうチョット待っててくれるか?パパからのお願いだ…。」
安岡優「うん…。」
村上てつや「でも1つだけ言っておく。優は俺の子で、ママの子だ。だから安心しろ。ただ、チョット難しい事があってなっ…。そうだ優、ご褒美にココアつ作ってやる。」
安岡優「うん♪パパの作ったココアだぁ〜い好き!!」
村上てつや「よし、じゃ大人しくココ座ってろよ?トビッキリ美味いの作って来てやるから。」
ト書き「村上は優の髪の毛をクシャッと掴み、台所へ向かった。」
安岡優「こっこあ♪こっこあ♪」
村上てつや「え〜と、鍋はっと。」
ト書き「勝手知ったる妻の実家。村上は収納棚を漁り始めた。」
ナレーション「村上さん村上さんお鍋はこっちです♪」
(管理人ミスにより、ログ一部消失)
ト書き「村上は優のために作ってやったココアをカオルに勧めた。」
村上てつや「…俺には甘すぎてダメだ…。」
黒沢カオル「ありがとう。…てっちゃんの作ったココア大好き。」
村上てつや「優みたいな事言うなよ…。 」
ト書き「村上は嬉しかったのか優しく微笑んだ。」
黒沢カオル「…どうして記憶喪失になんかなっちゃったんだろう…。」
村上てつや「医者は精神的に何か酷いショックを受けたんじゃないかって言ってた……。覚えて…るわけないよな。」
黒沢カオル「なんか…思い出しちゃいけないような気が・…。そんな気がするの。」
村上てつや「思い出しちゃいけないこと?」
黒沢カオル「うん。…思い出したくないのかな?」
ト書き「どこか淋しげなカオルの顔を見て」
ナレーション「村上は頬杖をついた。 でしょ?」
黒沢カオル「でも良くてっちゃんは私が病院に居るってわかったわね…どうして?」
村上てつや「大学時代から仲良かった友達がそこの病院の研修医でよ…で俺に連絡が来たんだよ『お前の彼女じゃねぇか?』って。」
黒沢カオル「その人私のこと知ってたんだね…。」
村上てつや「カオルも会った事あるはずだけどな…一緒に歌ってた奴。」
黒沢カオル「…!?もしかして”本当に医学部の人?”って位チャラチャラしていた人?」
村上てつや「おぉっ、金髪でピアス開けて…。ともかくそいつが俺が行方不明のカオル探してるの知っててよ、それで。」
黒沢カオル「そっかぁ…。私どこで何してたんだろう…どうして気が付いたら記憶が無くなってたんだろう…。」
ト書き「ココアの入ったカップをを見つめカオルはため息をついた。」
村上てつや「そんな…急いで考えるなよ。時間は一杯あるんだから。」
ト書き「向かい合った黒澤の手をとるとその手首に唇を落とし、ちゅ、と音を立てた。」
村上てつや「カオルに足りないパーツは…少なくとも俺が持ってる奴は、差し出せるだけ出すさ。」
黒沢カオル「…てっちゃん…。」
ト書き「村上はカオルの頬に手を当て、涙で濡れた目をそっと拭いた。」
村上てつや「俺達ももう寝よう…カオルも今日は疲れただろ?また起きたらゆっくり話せばいい…。」
ト書き「カップを流しに置き、村上はカオルの肩を抱き部屋に向かった。」
ナレーション「数時間後…朝になりました。」
酒井雄二「…あぁ〜頭痛い。ガンガンするぞ、未知的な痛さだ…。」
北山陽一「あたり前だろ、コーヒーの中にお酒入れて飲んでる奴なんて初めてだよ…はぁ。」
酒井雄二「おっと、陽一兄貴、おっはようございますっっ!」
北山陽一「はぁ……おはよう。早く顔洗って、目覚まして来い。」
ト書き「一つの扉を指差し陽一は雄二に言い放った。」
北山陽一「今日テストだったのになぁ…後で受けられるか聞くしかないな。」
ト書き「剃刀を持ってこなかった為、斑に生えたヒゲの目立つ顎をさすって北山は呟いた。」
酒井雄二「今日学校休んでも良いのかっ?」
北山陽一「今から向かうのか?家帰って仕度して……っていうんなら重役出勤も真っ青だ。」
酒井雄二「ほう…。将来の予行演習のために必要か?」
北山陽一「イイからっ!早く顔洗って来いっっ!!」
酒井雄二「はいっ……。」
ト書き「肩をすくめて雄二はリビングを後にした。」
黒沢カオル「おはよう、陽一。」
北山陽一「あっ、母さん…おはよう…良く眠れた?」
黒沢カオル「うん、ありがとうよく眠れたわ。…陽一…? 」
北山陽一「ぅん?ナニ母さん?」
黒沢カオル「…あんまりてっちゃんを責めないであげて…てっちゃんは何も悪くないから…。」
北山陽一「わかってるよ……わかってる…。」
ト書き「自分に言い聞かせるように言うと、眼鏡を外し目を閉じた。」
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