-ゴスドラマ過去ログ:13801-13900-
ト書き「判ってる、とばかりに村上はひらひら手を動かした。」
村上てつや「これが、俺が持ってた…最後のピースだ。」
ト書き「一旦伏せた視線を、村上は持ち上げ黒沢に向ける。」
村上てつや「信じるか、信じないかはお前らの自由だよ。俺のよた話しだって一笑するならすれば良いさ…。」
ト書き「何も証拠が無いからな、と呟き、村上は寂しそうに笑った。」
黒沢カオル「てっちゃん…。信じるに決まってるじゃない。てっちゃん以外に誰のことを信じればいいのよ。」
村上てつや「カオル・・・!」
酒井雄二「…とりあえず、これで一件落着…か?」
北山陽一「元の鞘に戻った…んだよな。」
酒井雄二「兄貴…それ、違うと思うな。」
北山陽一「え〜、そうか?」
酒井雄二「…陽一兄貴って根っからの理系だよな〜。」
北山陽一「何が言いたい。」
酒井雄二「別に?なぁんにも。」
ト書き「それでも雄二は満足そうな笑顔を見せた。」
安岡優「パパ、ママ。」
村上てつや「ん…?どうした、優。」
安岡優「…パパとママの事、パパとママって呼んでも良い…んだよね?」
村上てつや「あたり前だろ。優は正真正銘、カオルと俺の子だよ。」
黒沢カオル「そうよ、ごめんね不安にさせちゃって…。」
ト書き「村上とカオルは顔を見合わせ笑顔で優の方を同時に見た。」
安岡優「ううん。僕、安心した…パパとママの事もっと好きになった!!」
黒沢カオル「…ありがと、優。」
村上てつや「さて」
ト書き「テーブルに手をついて立つと、村上は黒沢を見た。」
村上てつや「帰るか、家に。」
黒沢カオル「うん…あ、ちょっと待って。」
村上てつや「何か…他にもあるのか?」
黒沢カオル「ううん。朝御飯食べ損ねちゃったから。それに後片付けしてかないと駄目だし。」
ト書き「黒沢は、手早く周りをかたずけている。」
村上てつや「手伝うよ。」
安岡優「僕も〜♪」
酒井雄二「俺も手伝いますっ!」
北山陽一「俺も手伝うよ…。……母さん。」
黒沢カオル「ナニ?陽一。」
北山陽一「良かったね、親父…母さんの事心の底から愛してるみたいだから…。」
黒沢カオル「…ありがとう、陽一が居てくれなかったお互い未練残して別れていたかも…。。」
北山陽一「俺はなんにも…。」
ト書き「陽一は眼鏡を持ち上げ照れくさそうに微笑むと台所へ向かった。」
佐々木真理「カオル…いい子供持ったわね…。」
黒沢カオル「いい子供と旦那様よ。」
ト書き「真理さんとカオルは顔を見合わせニッコリ微笑んだ。」
佐々木真理「さてと。話もまとまったことだし、私はこの辺でおいとまさせていただくわ。みんな続きもがんばってね〜。」
村上てつや「へっくしゅ。」
ナレーション「二人は家にかえる前にデパートによった。」
黒沢カオル「わぁ、てっちゃん見て見て♪この服カワイイよぉ!」
村上てつや「そうかぁ?俺はこっちの方が良いと思うけどなぁ〜。」
ト書き「カオルが指したのは赤のチェックのロングスカート、村上が指したのは深いスリットの入った短いスカート。」
北山陽一「…モノの見事に好みが分れてますな。」
ナレーション「北山さん…なんでいるんですか?」
北山陽一「…いや、また親父が母さんを泣かせるようなことしないか心配で……。つい…。」
ナレーション「なんて親孝行な息子さんなんでしょう、北山さん!!」
北山陽一「あっ、ちなみに雄二と優は先に家に帰ってゲームしてるよ。」
黒沢カオル「陽一?そんなところで隠れて誰としゃべってるの??」
北山陽一「だぁぁっ!ひっ、人違いじゃないですか?」
村上てつや「その眼鏡と、その声とでわかるっての…。」
北山陽一「あっ…。」
ト書き「声をあまりにも低くしすぎたのと、自分の眼鏡のフレームを確認し、納得する陽一。」
北山陽一「イヤ、独り言です…。後は参考書を買いにチョット…。」
黒沢カオル「私てっきり雄二と優と3人で帰ったと思ってた…。」
村上てつや「だよなぁ?カオルの事が心配で、俺たちの後着けて来たなんてなぁ〜思っても見ないよなぁ?!」
北山陽一「(ドキッ!)…イッ、イヤ〜そんな訳…ハハハッ…じゃ俺、本屋行って帰るから…御ゆっくり…!!」
ト書き「引きつった笑顔で陽一はその場を後にした。」
黒沢カオル「ちょっと、陽一!…って行っちゃった…。どうしたのかな?!」
村上てつや「(あいつ、やっぱり俺の最強のライバルなんじゃねぇか…??)」
北山陽一「(あっぶねぇ〜!焦ったぁ〜・・・ばれてない・・・よなぁ?)」
ト書き「物陰に隠れて2人の様子をひっそりと観察する陽一。」
ナレーション「…それじゃ『ストーカー』みたいですよ…。」
北山陽一「何か言ったかな?ナレーション??」
ト書き「じろりとナレーションをにらみつける北山陽一。」
ナレーション「・・・いえ、何も・・・」
黒沢カオル「てっちゃん!見て、チョットこれ試着してきて良い?!」
村上てつや「おうっ。…(こっちを俺的には見たいんだけどなっ…。)」
ト書き「村上の視線には…やっぱりセクシー系のものが…。」
黒沢カオル「チョット待っててね♪……覗いちゃダメだよ!」
ト書き「そう言うとカオルは試着室へと入っていった。」
黒沢カオル「音声のみ>…えっと、これって…あ、ここかぁ…。」
効果音「衣擦れ音。」
村上てつや「(…財布の中身大丈夫だっけ…?」
ト書き「セクシー系の服の値段を見て、村上は突然心配になって来た。」
黒沢カオル「音声のみ>てっちゃん?…ちょっと、イイ?」
村上てつや「おっ?」
黒沢カオル「じゃ〜ん!どうかな?」
ト書き「カーテンを開けて、カオルは村上の前に笑顔で現れた。」
村上てつや「おぉ…(可愛いじゃん…カオルらしいなぁ)。」
黒沢カオル「何か言ってよぉ〜どう?変?」
村上てつや「イイヤ、全然。世界で1番綺麗で可愛いよ。」
黒沢カオル「ホント?!…てっちゃん…コレ…買っても良い??」
村上てつや「仕方ねぇ〜なぁ…。」
黒沢カオル「ありがと♪待っててね、着替えてくるから。大好き、てっちゃん♪」
ト書き「カオルは村上の頬にそっと唇を当てると、また試着室に向かった。」
村上てつや「薫!!」
北山陽一「……親父、顔思いっきりゆるんでる…。」
村上てつや「…(本当はこっちの方のが良いんだけどよ…)まっ、カオルらしくて良いかぁ…。」
ト書き「村上は好みのセクシーな服を見ながら、苦笑いをした。」
北山陽一「くぅ〜俺もあんな風に新婚夫婦みたいにやりたいなぁ…!」
ナレーション「はいっ、そこで本音を言わない!…周りの人も吃驚ですよ、北山さん。」
北山陽一「あ、え〜、ゴ、ゴホン!!い、いや、でもほら、良かったよね。あのセクシー系の服着た母さんなんて、危なっかしくて待ち歩かせられないからね。親父はそういうとこわかってないよね。」
ナレーション「同感です。」
村上てつや「な、な、カオルー。こっちのもさ、ちょーっと試着してみない?」
[TOP|NEXT|BACK]