-ゴスドラマ過去ログ:14201-14300- |
小林社長「えっ、あっ…イヤ…そういう訳にも。」 安岡優「4人で何するのさぁ?5人居て、リーダーが居て、初めてゴスペラーズなんだよぉ!!」 黒沢カオル「社長は、村上が居なくても良いって言うんですか?!俺は村上が居ないなら歌いません!!」 酒井雄二「…今日はやけに強気だね、黒沢さん…。」 北山陽一「11年も『保護者』してるんだからねぇ…当然でしょう。」 酒井雄二「なるほどねぇ〜。」 ト書き「小声で会話する酒井と北山。その横では相変わらず黒沢が強気な姿勢を見せる。」 黒沢カオル「村上がいないゴスペラーズなんて有り得ないんです。俺の中では…。だから社長!お願いします!」 ト書き「せつせつと社長に訴えかける黒沢の目にはこらえきれなくなったのか涙が浮かんでくる。」 小林社長「分かった!分かったから、泣くな黒沢。なっ!お前に泣かれるのが一番堪えるんだよ…。」 安岡優「ああっ・・・黒ぽん・・・。そーだよぉ、てっちゃんがいなかったら、ゴスペラーズぢゃないよぉ!!!」 酒井雄二「誰なんだ、お前?!」 安岡優「失礼だな!ちょっと青春ドラマっぽく言ってみただけじゃん。」 北山陽一「あの…。そういうのはTPOをわきまえてやるように!」 ナレーション「北山は安岡の頭を軽くはたきながらたしなめた。」 小林社長「と、とにかく!仕事のことは分かったから、黒沢落ち着きなさい。ほら、涙拭いて…。」 ト書き「社長が差し出したハンカチを受け取る黒沢。」 黒沢カオル「あ、ありがとうございます。」 BGM「ちーん。」 ト書き「鼻をかむ。と言うベタなネタをする黒沢。」 ナレーション「ベタも黒沢だと様になるのが不可思議なところである。」 小林社長「…黒沢、それ返さなくていいから…。」 黒沢カオル「いやいや。お借りした物は、ちゃんと返さなくちゃ。はい社長。」 ナレーション「わざとなのでは!?…と思われる程の天然っぷりを発揮する黒沢。」 ト書き「涙を流しながら無言でハンカチを受け取る社長。」 効果音「バタンっ!」 ト書き「勢いよくドアが開き、一同に視線を向ける。」 黒沢カオル「てっちゃん!」 ト書き「ドアにもたれ掛かるようにして村上が立っていた。」 北山陽一「起きちゃダメですよ!安静にしてないとっ!」 村上てつや「社長、俺、仕事やるよ。」 安岡優「そんな…無理だって!」 村上てつや「オファー急にキャンセルできねぇだろ?」 酒井雄二「いくらリーダーが無敵だからって、それは無理ですよ!」 村上てつや「俺なら大丈夫だぞ。だいぶ楽になったし。」 黒沢カオル「大丈夫な訳ないでしょ!!さっきまで胸が苦しいって寝てたくせに!!!」 安岡優「そうだよ〜、もうちょっと、やすまなきゃ。」 村上てつや「うるせぇ!俺は平気だって言ってんだろ!」 ト書き「急に大声を出した村上はその反動でよろめいた。」 北山陽一「ほら、言わんこっちゃない!」 ト書き「北山は村上を支えて立ち上がった。」 安岡優「自分で自分の首締めてどうするの?!」 酒井雄二「そうです。少しの辛抱じゃないですか!」 村上てつや「俺は身体がボロボロになっても仕事をする…そう決めたんだよ!」 黒沢カオル「自分の身体と仕事と、どっちが大切なんだよ!身体が悪かったら100%仕事できないんだぞ!」 北山陽一「『仕事でも何でも100%でやるのが俺の鉄則だ!』って言い張ってるのは誰ですか!?」 村上てつや「呼吸少し乱れるだけだろ?たかがそんな事で休めるかよ。」 黒沢カオル「あんなに苦しそうにしてたのは誰だよ?!呼吸器まで外して、早く部屋に戻れよ。」 村上てつや「俺はもう平気だって!」 黒沢カオル「村上!!いい加減にしろよ、早く戻れよ!!」 ト書き「珍しく怒鳴り声を上げた黒沢に村上を含め、みんなが息を呑んだ。」 一般人(女)「【看護婦】どうかしましたか?あら、村上さん何してるんですか。お部屋戻ってください、呼吸器まで外して…。」 北山陽一「あぁ、すみません…ほら、戻るぞ…。」 黒沢カオル「……俺、フロアに居る……。」 安岡優「ああ、黒ぽん!!待ってよ。」 ト書き「静かに立ち去る黒沢、後を追う安岡。」 安岡優「黒ぽん、てっちゃんのそばにいなくていいのぉ?」 黒沢カオル「少し突き放したぐらいの方が良いんだよ、村上は。」 ト書き「まだ少し起こり気味の黒沢を横目に心配そうな安岡。」 黒沢カオル「それに、自分の体も大事にできない奴が、歌は唄えないよ。」 安岡優「黒ぽん…。」 ト書き「椅子に腰をおろし窓外を見る黒沢。」 酒井雄二「しかしビックリしましたな…黒沢さん…。」 北山陽一「あんなに怒った黒沢さんは始めてみました。」 酒井雄二「”初めて”だろ、北山くん。」 村上てつや「…………。」 酒井雄二「……相当堪えたみたいだね、黒沢さんの言葉に。」 北山陽一「……だな。」 ト書き「呟くように会話をする酒井と北山。」 小林社長「む、村上。仕事の事は大丈夫だから、早く治してまた思いっきり仕事をしてくれ。…じゃ俺は事務所に戻るから。後よろしく、北山、酒井。」 ト書き「部屋を出る社長とその場で見送る2人。」 村上てつや「…お前らも出てけよ…1人にしてくれ。」 ト書き「酒井、北山は顔を見合わせ静かに部屋を後にする。」 村上てつや「…( 『村上!!いい加減にしろよ、早く戻れよ!!』 )…はぁ。」 ト書き「村上の頭の中で、さっきの黒沢の言葉が響き渡る。」 村上てつや「黒沢…あんなに怒らせたの何年降りだろうな…。」 ト書き「ズルズルと壁にもたれかかりながら、しゃがみ込む村上。」 村上てつや「はぁ…。」 ナレーション「出てくるのは溜息ばかり。」 黒沢カオル「・・・(ちょっと、言い過ぎたか?)・・・」 ト書き「窓の外をぼーっと見ている黒沢」 黒沢カオル「(でも、村上がいけないんだよ。・・・あんな身体で仕事するなんて言い出して・・・まったく、何考えてるんだよ。)」 ト書き「さっきの自分の言葉を思い出しながら黒沢も溜め息をついた。」 黒沢カオル「……村上、おとなしく寝てるかな?」 安岡優「黒ぽん、気になるなら部屋に行ってくれば?」 黒沢カオル「えっ、いっ、イッ、イイよ!…!またてっちゃん甘えるかもしれないし…少しお灸据えた方が良いって。」 ト書き「痛いところをつかれ動揺する黒沢。」 安岡優「わかりやす〜い黒ぽん! あっ、北山と酒井さんだぁ!」 北山陽一「ヤス、俺たち1回家帰るけど…どうする?」 安岡優「う〜ん…明日また来れば良いよね?帰る!黒ぽんは?」 黒沢カオル「俺?…もうチョットしてから帰るから…先に帰って良いよ。」 酒井雄二「そうですか…ではお先に失礼します。明日の面会時間は10時からだそうですよ。」 北山陽一「ではまた明日…お疲れ様です。」 安岡優「お先に〜お疲れ!」 黒沢カオル「うん、お疲れ様。」 ト書き「仲良く帰る3人をその場で見送る黒沢。」 黒沢カオル「……行ってみようかなぁ…。」 ト書き「ポツリと呟き黒沢はフロアを後にした。」 村上てつや「…つまんねぇー…やる事ねぇー…暇すぎるー!!」 効果音「コンコン!(ドアをノックする音)」 |
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