-ゴスドラマ過去ログ:15101-15200-
村上てつや「1人はイタズラばかりする悪ガキ。もう1人はそいつとは全く違っておとなしい良い子供…。ある日二人が喧嘩しました…。」
黒沢カオル「…村上?」
村上てつや「…喧嘩なんか滅多にしないのに、本当に些細な事で…。けど2人はお互いの事が気になって気になってしょうがなかった。」
ト書き「缶コーヒーを飲み干しゴミ箱に捨てると、村上は窓を眺めながらまた話し始めた。」
村上てつや「泣いていた良い子を見かけた悪ガキは珍しく自分から謝った…いつも悪ガキは意地を張って謝らなかった…けど今回は違った…。」
黒沢カオル「…俺、良い奴じゃないよ…。」
村上てつや「ゴメン…悪かった…いつも側に居たから、お前の大切さに気が付かなかったんだ…。」
黒沢カオル「…村上……。」
村上てつや「あたり前のように居るお前に…何もしてあげられないで、俺はいつもお前を傷つけていた…。」
ト書き「下を向き黙り込んでしまった村上、そっと近くによる黒沢。」
村上てつや「そのガキは気が付いたんだよ…涙を流したその瞳が自分に訴えているものを……。 」
黒沢カオル「村上は”ガキ”なんかじゃないよ。俺のほうが”ガキ”なのかもしれない…。」
ト書き「ふと見た村上の涙に黒沢は気がついた。」
村上てつや「…すまん。」
黒沢カオル「謝るなよ…『喧嘩両成敗』って昔の人も言ってるし。」
ト書き「意図的に、黒沢は笑顔を浮かべた。」
黒沢カオル「お前にも迷惑かけられたけどさぁ…」
村上てつや「おい…人が折角…」
黒沢カオル「俺も、村上に迷惑かけてる事だってあるだろ。……一人だけ、負い目に感じる事じゃないさ。」
ト書き「黒沢は再び自販機の前に立って、硬貨を投入していく。」
黒沢カオル「俺はね、ただ過保護にされるだけなんて嫌で仕方ないんだよ。楽だけど。」
ト書き「取り出し口から品物を出し、黒沢は村上に向き合った。」
黒沢カオル「村上は、俺を必要としてくれただろ?自分の力で、二本の脚で立ってるだけの『黒沢薫』を。」
ナレーション「3本の缶コーヒーを掲げながら黒沢はにっこりと微笑んだ。」
黒沢カオル「ほら、もう戻ろ?あいつら、きっと心配して待ってるからさ。」
村上てつや「あぁ…ありがとなっ…黒沢…。」
ト書き「村上は黒沢の手から缶コーヒーを取ると少し照れくさそうに笑い、先にロビーを後にした。」
黒沢カオル「ぶッきらぼうでヤンチャで乱暴で、でも寂しがりやで優しくて正直で…そんな村上だから、俺は側に居るんだよ。」
ト書き「少し前を歩く村上の背中にそう呟くと、黒沢は小走りに村上の方に向かった。」
村上てつや「あん?なんか言ったか?」
黒沢カオル「bettunixi~」
ナレーション「黒沢は心からの微笑みをむけた」
村上てつや「なんだなんだ。そんなカワイイ笑顔しやがて!!」
黒沢カオル「嬉しい時は笑顔に決まってるだろ!ほら行くぞ!」
ト書き「2人は他の3人が待つ部屋へと急いだ」
効果音「がたっ」
安岡優「あ。黒ぽん。もぉ大丈夫??」
村上てつや「みんなに余計な心配かけさせたな」
安岡優「もぉ〜ホント心配したよぉ〜。」
村上てつや「みんな。本当にごめんな。有難う。」
酒井雄二「・・・・素直になるって大切なことだよな」
北山陽一「これからもその気持ち忘れないでいれば大丈夫ですよ。村上さん。^^」
黒沢カオル「俺も・・ごめんな。みんな。有難うな。」
安岡優「黒ぽんもてっちゃんも良かったねぇ♪もちろん僕らも!!これで楽しく軽井沢だよぉ〜♪」
ト書き「5にんは一様に頷いていた」
黒沢カオル「そうだなぁ、楽しい休暇にしような。」
村上てつや「か…軽井沢?かるいざわって…あの軽井沢?」
安岡優「そーだよ、『軽井沢』は軽井沢だよぉ。」
酒井雄二「…ま、銘菓の名前でもなければ特産物の名前でもなく、ただの地名である事を断っておきますが。」
北山陽一「雄二さん…もしかして腹減ってます?」
村上てつや「お前って、いっつも腹へらしてるよな…。」
酒井雄二「失敬なっ!いつでも食べ物は口にできますがいつでも腹は減ってませんっ!!」
安岡優「……なるほどねぇ〜。」
酒井雄二「なんですか。その不服そうな受け答え!!」
黒沢カオル「まぁまぁ酒井、落ちついて。」
北山陽一「ちなみに軽井沢計画は黒沢さんですよ。」
村上てつや「黒沢?…軽井沢って何でまた?」
黒沢カオル「空気も綺麗だし、高原で良いところだろ?村上にピッタリだと思ったんだよ。」
北山陽一「てっちゃんに軽井沢って…似合わないけどねぇ〜。」
酒井雄二「って、安岡は言ってましたよ。」
安岡優「なんだよぉ〜!みんなだって言ってたじゃない!しかも陽一、俺のモノマネ似てないから!」
黒沢カオル「ペンション借りてさ、みんなで休もうって。社長にも了解取ったから。」
村上てつや「5人でかぁ?オイ、ほかに誰も来ないのかよ……。」
酒井雄二「可愛いor綺麗な女性の方とかですか?」
村上てつや「おっ、酒井お前もようやく分かってくれたのかぁ〜。」
北山陽一「居ますよ、1人ですけどねぇ…。」
安岡優「う〜ん…まぁどう感じるかは人それぞれだけどね…。」
村上てつや「1人って…俺独り占め?お前ら、最高だよ!!」
黒沢カオル「そんなに嬉しがらなくてもね…よく一緒にいるんだし…。」
村上てつや「あぁ?良く一緒に居る…?」
ト書き「しばらく考えた後、村上の頭に1人の顔が浮かび上がる。」
村上てつや「まさか…”佐々木真理”じゃねぇ〜よなぁ…?」
安岡優「正解!ご名答!さすが、てっちゃん!!」
村上てつや「……真理さんかぁ〜……。」
佐々木真理「私じゃなにかご不満でも?!」
酒井雄二「うひゃぁおっ!」
ト書き「突飛なポーズと声を発し、酒井は後ろに飛びずさった。」
佐々木真理「良いわよ、どうせアタシじゃ不満なんでしょ?…飛び込みでどっかのツアーにでも行ってこようかしら。」
北山陽一「そんな事言わないで下さい…。」
黒沢カオル「そうだよぉ!真理さんが居るのと居ないのじゃ全然違うんだから!」
酒井雄二「そうそう、枯れ木も山の賑わい…。」
佐々木真理「さ・か・い・くぅ〜ん!」
北山陽一「雄二、命知らずだな…。」
安岡優「い」
黒沢カオル「どうしたの?ヤス。」
安岡優「怖ぁ〜いなぁ〜って思った…。」
村上てつや「まぁ…お前らの事だからな、本気にはしてなかったけどよ…。」
酒井雄二「よぉーくわかっていらっしゃる。」
黒沢カオル「真理さんは「ミラクル真理さん」なんだから!一緒に居たら楽しいに決まってるでしょぉ^^」
北山陽一「黒沢さん・・ミラクルってあなた・・・・汗」
村上てつや「よぉし・・ミラクルなっ。ミラクルっっ!!うひゃほぉ〜い!」
酒井雄二「こりゃ半分ヤケですね?(微笑)」
安岡優「そう見えるよねぇ〜ふふふ」
ト書き「村上以外全員は、顔を見合わせて笑っていた。」
効果音「コンコン」
一般人(男)「【医者】村上さんおはようございます。」
村上てつや「あ。センセイ。おはようございます。」
一般人(男)「【医者】いよいよ退院ですね。具合はどうですか?」
村上てつや「えぇ。おかげさまですごくいいです^^」
黒沢カオル「ほんと村上がいろいろお世話になりました( _ _)」
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