-ゴスドラマ過去ログ:15501-15600-
黒沢カオル「なに言ってんだ。退院したからって病人には変わりないんだからな。」
村上てつや「は−い。わかりましたよ。」
安岡優「てっちゃんってば、そんな幸せそうな顔しちゃってぇ」
酒井雄二「ほんとに。ニヤケてますよ。リーダー。」
ト書き「おなかをすかせたメンバーの為に早速料理に取り掛かる黒沢。そのエプロン姿に目の眩みそうな村上だった」
佐々木真理「あぁ。なんてエプロンの似合う男なのかしら・・黒沢くんって##」
DJバリ"K"〜ん「コラコラそこ。赤くならないっっっ」
ナレーション「そしてこの話を邪な展開に持っていないようにっ!」
酒井雄二「そうですよ。まったく。」
村上てつや「ところで何つくてくれる」
安岡優「てっちゃん何言ってんの?」
村上てつや「どんな御馳走ができるか楽しみにしてるんだよぉ。」
田辺恵二「何だかんだ言って、やっぱ期待しちゃうよなぁ」
黒沢カオル「勿論出来てからのお楽しみですよ…でも、一応退院ゆわいなんでてちゃんの好きなものを。」
安岡優「てっちゃんの好きな物ってなんだ・・・?!」
ト書き「一同の視線が村上てつやに集中する。」
酒井雄二「はいっ、リーダーここでお答えをどうぞっ!」
ト書き「黒沢がにっこりしながら回答をまっているのを村上はじっとみつめた。」
村上てつや「そ・・そんな注目すんなよぉ」
ナレーション「焦る村上。」
村上てつや「……ア…。」
ゴスペラーズ「(他、村上以外全員)ア?!」
村上てつや「……アップルパイ…。」
黒沢カオル「はいはい、いつものやつね。」
ト書き「一同 『いつものやつってなんだぁぁ!?』」
安岡優「あ・・アップルパイは料理っていうか・・おかしでしょ、てっちゃん。(汗)」
北山陽一「村上さんはアップルパイが好きなんですか?」
黒沢カオル「アップルパイの中身で口、やけどしたことあったよねぇ。村上。(笑)」
村上てつや「うっ……。余計なこと言うなよ!」
酒井雄二「しかし”アップルパイ”とは、驚きです。」
佐々木真理「似合わないわね、ワイルド村上がアップルパイなんて…。」
田辺恵二「というか黒沢のその反応も俺は驚きだぞ。」
黒沢カオル「村上は”アップルパイ”何でかわからないけど食べるんだよね。」
村上てつや「お前ら黒沢の作ってくれたアップルパイ、ドンだけ美味いか知らねぇからそういうこと言うんだよ!」
黒沢カオル「村上だけにしか作った事ないんだよね。」
村上てつや「黒沢の”アップルパイ”は世界一なんだよ、俺はそれしか食わないんだよ。」
北山陽一「まぁ良いですけどね…でもデザートはどうかと…。」
黒沢カオル「適当に見繕って作るよ、村上の好きな料理はほとんどわかってるし。…あっ、買出し!!」
安岡優「あっ、俺が運転するから黒ぽん買い出し行こうよ!」
黒沢カオル「うん。じゃあ行って来るから、チョット待っててね。」
マネージャー竹内「すぐそこにお店ありましたから!」
ト書き「指で車のキーを回しながら安岡と黒沢は外へ出た。」
黒沢カオル「お米は;」
安岡優「どおかな…でも、人数で考えたら、一回の炊飯で足りると思う?」
黒沢カオル「……無理だね。バリさんとかいるし…。」
安岡優「じゃあ急がないとね。俺も手伝うし!」
黒沢カオル「くすっ…。ありがとvv」
ナレーション「一方、残った人達は…。」
村上てつや「(黒沢が居ないからつまんねぇ…)…チッ…。」
酒井雄二「なんですか、舌打ちなんかして!」
北山陽一「イジメル対象のヤスと、イジル対象の黒沢さんが居ないからつまらないんでしょう、きっと。」
村上てつや「そんなんじゃねぇよ…(北山ってコワイよなぁ…人の心でも読めるのかぁ?)。」
佐々木真理「3泊4日なんだし、時間はまだまだあるわよ♪イヤって程イジメられるわゆよ。」
平見文生「ところで、なんで急に入院なんかしたんだぁ?退院も早いし…。」
村上てつや「俺も良く覚えてないんだよ…。」
DJバリ"K"〜ん「覚えてない?」
村上てつや「あぁ…ドラマの途中で…突然胸の辺りが締め付けられたみたいに苦しくなって…気が付いたら病院でよ。」
酒井雄二「その前まで全然元気だったのに、突然倒れこんで。こちらとしても動揺は隠し切れないほどで…。」
北山陽一「胸を抑えながら倒れこんで、呼吸も荒いし、汗が凄くて…ヤバイかと思いましたよ。」
田辺恵二「そうだったんですか…。」
ト書き「タバコを取り出し火をつけようとする村上。」
北山陽一「なにしてるんですかっ!!!」
ト書き「一同はいきなり怒鳴った北山に視線を向けた。村上動きが止まる。」
北山陽一「喘息が完治していないと言うのに、あなたは。タバコを吸ってまたツライ思いをしたいんですかっ?!」
酒井雄二「北山、落ち着け。」
北山陽一「少しは自分の身体を労わって下さい、苦しそうなあなたを見てどれだけの人が不安に思うか、あなたはわかっていますか?」
村上てつや「…北山……。」
北山陽一「あなたはどれだけ馬鹿なんですか!再発したらどうなると思ってるんですか!!」
酒井雄二「北山!!」
ト書き「凄い剣幕で怒る北山を唖然としてみていた一同。酒井は落ち着かせるために外へ連れて出た。」
効果音「バタン!」
酒井雄二「…あんなに怒鳴らなくても…いつものクセでついなんですから。」
北山陽一「…時々感情が抑えられなくなる、悪いクセだよな俺の…。」
酒井雄二「車で吸入器を落とした時といい、今のといい…何か隠してない?」
北山陽一「……。…いいえ、別に…ただ心配なだけです。」
酒井雄二「本当か?本当に何も隠してないんだな?」
北山陽一「…はい。」
ト書き「伏せ目がちに視線をそらした北山に不信の目を向ける酒井。」
酒井雄二「っとに、嘘つけないねーお前さんは。それじゃ“嘘付いてます”って言ってる様なもんだしょ。」
ト書き「肩口を掴んで、軽く揺すると酒井は接地面積を大きく取って北山の背中を叩いた。」
酒井雄二「…『王ロバ』方程式で言うとさ、一人で抱え込むよりか複数人で抱え込んだ方が遥かに気楽よ?……ここで吐いて、楽になってしまぇい。」
北山陽一「いえ、本当に…俺の取り越し苦労だったら良いなって…。」
酒井雄二「ホントかねぇ…。吐くなら今だぞ、ホシの北山君。」
北山陽一「容疑者(ホシ)って…酷いなぁ、雄二さん。」
酒井雄二「いんや、全くもって、俺はヒドくないっ!」
北山陽一「ヒドいよ…。」
ト書き「そう言った北山の表情が大分柔らかくなっていたので、酒井は少しばかり安堵した。」
酒井雄二「ひとまず二人で抱えて、心配を半分にしておくべし、北山君!!」
北山陽一「ありがとう…。けど今日は俺だけ抱えてるよ…せっかくの日だしね。」
ト書き「酒井の顔が少し強張った。」
酒井雄二「あなたも村上さんと一緒なんですね、人に心配させておいて。」
北山陽一「俺はただ…。」
酒井雄二「…ただ?」
北山陽一「…俺はただ…雄二さんには明るく振舞って欲しいんだ、ヤスや黒沢さんや、みんなと一緒に…。今の俺にはそれができないから。」
酒井雄二「あなたのその心に秘めているものを聞いたら、私は明るく振舞えないのですか?」
北山陽一「それはわからない…。けど、そういう気持ちを抱えた上で明るく振舞うのは、雄二さんらしくないし村上さんにもすぐわかると思う…。」
酒井雄二「あなたがそんなんでは余計に村上さんが不安になると、私は思いますが?」
北山陽一「…『いつもの事だろ』だけにしか感じないでしょう、きっと。」
酒井雄二「北山陽一!!」
ト書き「酒井の真剣な強いまなざしを北山は浴びた。」
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