-ゴスドラマ過去ログ:15901-16000- |
小林社長「だから、悪かった…って。俺だって1人では抱えきれなかったんだよ…。」 北山陽一「どうして私たちに話さないで、黒沢さんにだけ話したんですか?」 佐々木真理「そんなに怒らなくても…ねぇ。」 安岡優「真理さんは黙ってて!…実際、黒ぽんは倒れたんだよ?」 酒井雄二「はぁ…情けない。社長、どうしてくれるんですか?!黒沢さんまで入院とかになったら!」 北山陽一「…(黒沢さんが知っていたのなら…あの時俺も1人で抱え込む事はなかったのに…)…はぁ。」 安岡優「北山さんは、知ってたの?てっちゃんの事。」 北山陽一「…あぁ…先生は俺だけに話したのかと思ったから…。」 安岡優「なんだよぉ、知らなかったのは俺と酒井さんだけだったの?」 酒井雄二「いや、俺は知ってた。すまん。」 佐々木真理「ねぇ、それにしても社長に対するさっきの言い方は無いんじゃないの?」 酒井雄二「まだ社長の肩を持つんですか?」 佐々木真理「私は社長が伝えたのが黒沢君で正解だったと思うわよ?もし違っていたら…。」 ナレーション「そこで一度言葉を切って、真っ直ぐ酒井を見て続けた。」 佐々木真理「それを知った黒沢君がどんなに自分を責めたか判らないじゃない。とても優しい子だから…。」 北山陽一「でも…それでも…。」 佐々木真理「村上君が苦しんでるのに全然気づけなかった、なんて黒沢君に耐えられるかしら…?違う?」 ト書き「話し合いに没頭するあまり、ドア越しに聞き耳を立てる人影に誰も気づかなかった。」 村上てつや「・・・・・・」 ト書き「影の主は村上。事実を手に入れ、今は必死に息を潜める。」 北山陽一「もういいです…やめましょうこの話。2人ともどうなった訳でもないんですし…。」 酒井雄二「俺、コーヒー入れてきます…。」 安岡優「あっ…てっちゃん…。」 ト書き「ドアに何気なく目線を向けた安岡は村上に気がつき、思わず声に出してしまった。」 村上てつや「………。」 ト書き「村上は無言のまま立っている。 唖然とする一同。」 北山陽一「村上さん……。」 村上てつや「黒沢、寝かしたから…。酒井、俺にもコーヒーくれ。」 酒井雄二「あっ…はい。」 ト書き「イスに座る村上。気まずそうにする一同。」 安岡優「てっちゃん…ずっとそこに…?」 村上てつや「…今上から降りてきたばっかりだよ…。」 北山陽一「話…聞いてましたか?」 村上てつや「……。いいや…聞いてねぇ…。」 ト書き「時計の秒針の音と、コーヒーを入れる音しか聞こえないリビング、誰1人口を開かず無言のまま時が流れる。」 酒井雄二「村上さん、コーヒー…どうぞ。」 村上てつや「サンキュ。」 北山陽一「村上さん…あの…。」 村上てつや「おぅ・・・?」 酒井雄二「コーヒーいかがです?」 ト書き「先の言葉に詰まった北山を察し、酒井が話題をそらす」 村上てつや「あぁ。美味いよ。なかなか心得てるな。ははっ。」 北山陽一「(す・・素直だ。素直すぎる!これはぜったい会話聞いてるな・・・・)」 ト書き「その場にいた一同が北山と同じ思いだった」 佐々木真理「村くん、しっかりしなさいよ!!」 ト書き「真理さんは突然大きな声を出した」 佐々木真理「もぉ聞いちゃったんでしょ?隠さなくていいじゃない。私たちがついてんのよ!」 村上てつや「・・・・・・・ひとごとかよ・・?」 ト書き「村上の一言で、先ほどに増して空気が重くなってきた」 村上てつや「・・・・・」 佐々木真理「・・・他人事だったらみんなこんなに苦しまないわよ・・」 村上てつや「わるぃ・・今は何も考えれない。もう休むわ」 北山陽一「その方がいいでしょう。ゆっくり休んでください、リーダー」 村上てつや「あぁ。」 ト書き「うつむいたまま部屋へ向かう村上」 酒井雄二「我々ももうそろそろ休みますかね」 安岡優「あぁ・・もうこんな時間なんだ」 ト書き「時計の針は19時を数分過ぎたところ。外はすっかり暗くなっていた」 佐々木真理「せっかくの療養だって言うのに…コレじゃああんまりだわ。」 酒井雄二「今はそういう事を言っている場合じゃないでしょう!!」 佐々木真理「じゃあ、ナニ?あなたが村上くんの代わりに何かできるの?黒沢君の代わりに何か出来るの?」 安岡優「もうやめてよ!!真理さんも酒井さんも…喧嘩してる場合じゃないでしょ!」 ト書き「珍しく大声を発した安岡を見て、真理さんも酒井も黙ってしまう。」 北山陽一「…今は…今は何も出来ないんです、みんな。…明日、黒沢さんに聞きましょう。…おやすみなさい。」 ト書き「そう一言残すと、北山は静かにリビングを出た。社長も真理さんも続いてリビングを出る。」 安岡優「…てっちゃん、大丈夫かなぁ…?」 ナレーション「一方、村上は黒沢の寝ている部屋に居た。」 村上てつや「…隠すなって…言っただろう…黒沢。」 ト書き「そっと黒沢の前髪を上げる村上。」 村上てつや「…1人にするなよ…俺を……1人にするなよ…。」 ト書き「村上はイスに座り、上半身だけをベッドに乗せ眠りについてしまった。」 ナレーション「一方、少々まりさんのことが気になった酒井はリビングを出た彼女を追った」 酒井雄二「真理さん」 ト書き「静かに後ろを振り返る真理さん」 佐々木真理「酒井くん…ビックリしたぁ、ジェイソンかと思った。」 酒井雄二「失礼な…。」 佐々木真理「冗談よ。…それと…さっきはごめんなさいね、私も少し言い過ぎたわ。」 酒井雄二「こちらこそ…スミマセンでした。 ついついこう頭に血が上ってしまい…。」 佐々木真理「…酒井くんはどう考えてるの?…2人の事。」 酒井雄二「…わかりません。…でも、2人なら乗り越えられるだろうと。」 佐々木真理「そうかもしれないわね…。 ココは彼方達に任せるわ…5人の絆を見せてね…。おやすみなさい。」 酒井雄二「おやすみなさい。…(5人の…絆ですか…)。」 ト書き「酒井は考え込みながら自室へと向かった」 黒沢カオル「…ん、んぅ…?あれ…?てっちゃん…またこんな所で寝ちゃって…。」 ト書き「そっと村上に毛布をかけてあげる黒沢」 黒沢カオル「起こして部屋に連れてった方がいいのかなぁ・・でもぉ・・」 村上てつや「・・っごほっ・・ごほっっ・・ん・・」 黒沢カオル「て・・てつっ!!」 ト書き「思わず青ざめて叫ぶ黒沢」 村上てつや「ん…?…黒沢?」 黒沢カオル「てつ・・・大丈夫か?」 北山陽一「どうしたんです?!」 ト書き「心配そうに村上の顔を覗き込む黒沢。そして、北山は黒沢の叫びを聞いて慌てて駆けつけたのだった」 村上てつや「なんだ?どした?」 黒沢カオル「だって・・てつが咳き込むから・・」 村上てつや「・・ばか。心配しすぎだよ、おまえら」 ト書き「村上はばつが悪そうに苦笑いをした。」 北山陽一「村上さん、本当に大丈夫なんですか?」 村上てつや「大丈夫だよ…心配すんな…って言っても無理か…。」 黒沢カオル「ダメだぞ、ちゃんと布団で寝なきゃ。」 |
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