-ゴスドラマ過去ログ:16001-16100-
北山陽一「風邪引いたらどうするんですか…。」
村上てつや「へいへい…わかりましたよ。」
黒沢カオル「ココで寝ていいから…たぶんてつの部屋寒いと思うし。」
村上てつや「じゃ、お言葉に甘えて…おやすみ。」
ト書き「村上が布団に入ったのを確認すると、北山と黒沢は部屋を出た。」
黒沢カオル「…はぁ…。」
北山陽一「…コーヒー一杯どうですか?なんだか俺、寝付けなくって…。」
黒沢カオル「そうだね…ココアにしようか、カフェインはもっと眠れなくなるから。」
北山陽一「…はい…。」
ト書き「静かに階段を下りる2人。時計の針は夜10時を過ぎていた。」
北山陽一「ありがとうございます。」
ト書き「ソファーに座っていた北山にココアの入ったカップを渡し、隣に座る黒沢。」
黒沢カオル「人を守るって簡単じゃないよなぁ…。」
ト書き「黒沢の呟きをカップの中を見つめながら聞く北山」
黒沢カオル「ずっとそばに居るやつだから守れるって…そう考えてた。…でも、実際は…何にもしてあげられなくて。いつも守ってもらってた自分が情けなくて…。」
北山陽一「気を負う必要はないんでは?」
黒沢カオル「…俺が倒れた時だって、自分の事より俺の事を先に思ってくれて…何が起こるかわからない自分の身体より、一時的な俺の身体を…。」
ト書き「『今は何を言っても無駄だ』と感じだ北山は、黙って黒沢の話を聞く事にした。」
黒沢カオル「2週間が勝負だって…そう自分に言い聞かせて…2週間は村上を守ろうって。男らしく村上のようになろうって…。」
ト書き「カップを強く握り締める黒沢の両手は震えていた。」
黒沢カオル「怖いんだよ…どうなるか、」
北山陽一「怖い?…どうなるかって…?」
黒沢カオル「村上にもしもの事があった時…俺、何も出来ないんじゃないかって…。村上ならきっと必死になって俺を助けてくれると思う、けど俺は…何が出来るんだろうって…。」
北山陽一「…黒沢さん……。」
黒沢カオル「北山…俺、村上に何してあげられるんだ…教えてくれよ…。」
ト書き「黒沢の目から涙が溢れ出した。」
北山陽一「……泣かないで…。」
ト書き「その一言が精一杯の北山。わかっていても涙が止まらない黒沢。」
北山陽一「村上さんは黒沢さんのそんな顔見たくないですよ…悩んでる顔、泣いている顔…。」
黒沢カオル「そうだね…ゴメン。」
ト書き「涙を拭くと静かにココアを飲み始めた黒沢。それを見て少し安心する北山。」
黒沢カオル「きっと俺がこんなだから、村上心配でしょうがないんだろうな…(苦笑)。」
北山陽一「それがあなた達2人の一番いいバランスなんですよ^^だから今までやってこれた。」
黒沢カオル「そか・・・そうだよな。いつもそういう考え方ができればいいのにな」
北山陽一「人間なんて、自分のことになると何も見えなくなるものじゃないですか?だから仲間がいる。ライバルがいる。違いますか?」
黒沢カオル「うん、そうだね。北山だって自分の事は見えてないんだもんな」
ト書き「黒沢はニッコリと微笑んで見せた」
村上てつや「てつのこと、すごく心配なのはわかるけど・・俺以上に感情が表情に現れやすいみたいだしね^^」
ナレーション「注:村上は寝ています!!(爆)」
北山陽一「・・・そのようですね(照)」
ト書き「北山は少々はにかんで笑った」
安岡優「あ、黒ぽんもう大丈夫なの?!」
ト書き「2人のいる部屋に入ってきた安岡は、黒沢を見るなり駆け寄ってきた」
黒沢カオル「ぷっ・・安岡・・そんな顔しなくても大丈夫だよ。」
安岡優「だって・・・黒ぽんまで倒れちゃったら俺達もぉ・・」
北山陽一「安岡も眠れないのか・・・?飲む?」
ト書き「北山はココアの入ったカップを上に掲げて見せる」
黒沢カオル「俺が入れてあげるよ。ここ座ってて。」「わぁい♪黒ぽんありがとう。」
ト書き「黒沢がココアを入れに席を立ったあと、安岡は北山に近寄った」
安岡優「ねぇ・・もう皆がてっちゃんの体のこと知っちゃったって・・黒ぽんしってるの?」
北山陽一「そういえばそうだったな。」
黒沢カオル「はい、安岡。どぉぞ。」
ト書き「2人の間を取って、安岡にココアを手渡す黒沢。」
安岡優「ありがと黒ぽん。う〜んいいニオイィ♪」
北山陽一「あの・・黒沢さん。実はリーダーの体の事なんですが・・」
黒沢カオル「・・・・・なに?」
北山陽一「実はですね、今ココに残ってるメンバー全員、もうリーダーの体の事聞いちゃったんです」
安岡優「北山さんは病院のセンセイから聞いてて、酒井さんは北山さんにきいてたの。僕だけ知らなかったんだけどさぁ・・」
北山陽一「だから・・もう一人で抱えて悩まないで下さい。」
黒沢カオル「・・・そっか。そうかぁ・・・うん。分かったよ。」
ト書き「そう言って微笑む黒沢の目に、うっすらと光るものが浮かんでいるのを2人は見逃さなかった」
安岡優「辛かったよね・・黒ぽん。こんな大きなものをずっと一人で抱えてたんだもんね・・・」
北山陽一「僕もほんの一時ですが、自分だけがコの事を知っていると思って悩んでいました。辛かったんです。黒沢さんはそれを長い時間耐えてたなんて・・」
黒沢カオル「正直・・辛かったよ。俺だけが秘めておけばいいことだと思ってた。でも違うんだよな。俺達5人で一人なんだもんな。」
酒井雄二「そうです。5人なんです。」
安岡優「わっ!酒井さん!!」
酒井雄二「いやぁ。なんか青春臭さが漂っていたので思わず飛びこんじゃいました」
安岡優「もぉ〜酒井さんってば。せっかくいいシーンだったのに〜(笑)」
黒沢カオル「みんなで頑張ろうな。」
ゴスペラーズ「(村上以外)はいっ!!」
安岡優「さ・・体も心も温まったし。寝ようかな」
北山陽一「そうだな。俺達も休まないと体もたないし。じゃぁ。オヤスミナサイ」
安岡優「おやすみなさ〜い♪」
黒沢カオル「あぁ。おやすみ。・・・あ、そだ。酒井はココア飲むか?」
ト書き「リビングを出る北山と安岡を見送り、まだココアを飲んでいない酒井を振りかえる」
黒沢カオル「あぁ。じゃぁ部屋で頂きますよ。」
酒井雄二「あ・・それ俺のセリフ(汗)」
黒沢カオル「今うまいココア入れるから待ってて!」
酒井雄二「はい。じゃぁお願いしますよ」
ト書き「手際良くココアを注ぐ黒沢。酒井はその側に寄り、カップからでる湯気を眺めていた」
黒沢カオル「どした・・酒井?」
酒井雄二「黒沢さん・・『自分が相手に何をしてやれるか』ではなくて・・いや、それもまた良いのですが・・」
ト書き「酒井が次言葉を言うと同時にココアのカップを手渡す黒沢」
北山陽一「・・・『自分が相手をどれだけ想って頑張れるか』が大切ではないかと思うんですよ。」
酒井雄二「あ・・・北山」
北山陽一「そう言いたかったけど、言葉が出てこなかった・・・ですか?(ニコ)」
酒井雄二「あぁ(汗) さすが・・俺達ツウじてるな(笑)」
黒沢カオル「うん・・よく分かるよ、2人の言う事」
酒井雄二「我々がリーダーにしてあげたいと思ったこと。それはできることですよね?」
黒沢カオル「うん。例え出来ない事であっても、俺達はやってのけるしね。」
北山陽一「そういうことです。じゃぁ。お先に」
黒沢カオル「しかし北山・・いつ戻ってきたんだろね?(妙笑)」
酒井雄二「彼はよく突然現れますよ」
黒沢カオル「・・酒井もな」
ト書き「ちょっと意地悪に笑う黒沢。」
酒井雄二「・・・そうですか?」
黒沢カオル「あぁ。そうだよ。結局今だって・・さっき飛びこみで会話に入った振りしながら、俺と北山2人だけの会話も聞いてたんだろ?」
酒井雄二「バレバレでしたか(笑)」
黒沢カオル「こうやって最後に、自分が居たことを知らせるようなアドバイスをくれるトコあたりがまた何とも酒井らしいんだけどね」
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