-ゴスドラマ過去ログ:16201-16300-
北山陽一「村上さん、風邪引くと大変ですから暖かい格好をして下さいね。」
村上てつや「わかってるよ…迷惑をかけないように充分注意をはらいます。」
酒井雄二「さてと、ご馳走様でした!」
ト書き「勢い良く、酒井が立ち上がる。」
安岡優「ごちそうさま〜。さっそく準備しなくちゃっ!先に部屋に行ってるね。」
黒沢カオル「…さてっと、俺はおにぎり作らなくっちゃな!…みんな中身何が良いんだろう??」
安岡優「シャケでしょぉ、明太子でしょぉ、コンブでしょぉ、梅干はあたり前だしぃ、あっシーチキンマヨネーズもたまに食べると美味しいよねぇ…っとそれからぁ〜…。」
北山陽一「欲張りすぎ…そんなに材料がある訳ないだろ、急遽決まったんだから。」
酒井雄二「まぁ、試行錯誤を練れば色々出来ますけどね。」
黒沢カオル「梅干と、鮭はあるよ…後はオリジナルで勘弁してくれる?」
村上てつや「何でも良いよ…目的はハイキングだろ?弁当目的じゃねぇんだし。」
黒沢カオル「簡単におかずも付けるからさ、安岡、それで良い?」
安岡優「仕方ないかぁ…じゃ、うんと美味しいおかず作ってよね、黒ぽん!」
北山陽一「私もお手伝いしますよ、黒沢さん。」
黒沢カオル「ありがとう、でもハイキングする前に疲れちゃたら意味ないから、良いよ。…その代わり、村上の事見ててくれる…?」
北山陽一「…わかりました…。では、お願いしますお弁当。」
ト書き「小声で北山は答えると、黒沢は満足そうにキッチンへ向かった。」
北山陽一「やっぱり頼ってはもらえないんですね…。いつでも1人で悩んで解決しようとするところは尊敬する部分ではあるけど…。」
酒井雄二「それはお互い様なんじゃないのかな、北山くん?」
北山陽一「あはは。相変わらず鋭いとこ突くなぁ〜雄二は。」
酒井雄二「君の場合は他人に甘く自分に厳しくだね…らしいけど。」
北山陽一「充分自分に甘いですよ…。」
酒井雄二「そうとは見えないが…まぁ、肩の力を抜くのも大切だぞ!」
北山陽一「…はい。」
ト書き「北山の苦笑いを見て、勝ち誇った顔をする酒井。」
安岡優「てっちゃんって、本当に本好きだよね…顔に似合わず。」
村上てつや「お前はいつも一言多いんだよ!本好きで悪いかよ?」
安岡優「別に、ただ北山とか酒井さんが読んでるからねぇ〜…。」
北山陽一「ヤス、あんまりちょっかい出すなよ、子供じゃないんだから…。」
安岡優「じゃあ、北山はてっちゃんが難しそうな本読んでたら驚かないの?」
北山陽一「よく考えてもみろよ、そんなの読んでるはずがないだろ?たぶん天地が逆さになってもないな。」
村上てつや「…北山、お前も一言多いつーの…。ったく、良いだろ暇なんだから。こう言うときしかゆっくり本なんか読めねぇんだし。」
酒井雄二「黒沢さん、何時ごろココを出ますか?」
黒沢カオル「そうだねぇ〜…いま7時30分だから、9時には出れると思うよ。」
酒井雄二「俺、それまで部屋に居ます…チョットやらなくちゃいけない事があるので。」
黒沢カオル「行く時になったら声かけるよ!」
ト書き「キッチンから大きな声で酒井に言う黒沢。酒井はリビングをあとにする。」
村上てつや「酒井のやつ忙しそうだなぁ・・」
安岡優「なんだろうねぇ〜やらなくちゃいけない事って…。」
北山陽一「邪魔しに行くつもりだろ??」
安岡優「違うよぉ〜チョット気になっただけじゃん!」
ト書き「顔を膨らませて怒る安岡、笑う北山。」
村上てつや「…フグみてぇ…”フグヤス”、”フグヤング”かぁ?」
ト書き「本を読みながらボソッと呟く村上、大爆笑する北山。村上を睨む安岡。」
黒沢カオル「どしたの?ヤス、こわい顔になってるよ?!」
安岡優「うわぁ〜ん!黒ぽ〜ん、てっちゃん達がいじめるぅ!」
ナレーション「安岡は泣きまねをしながら黒沢に抱きついた。」
黒沢カオル「よしよし・・・だめじゃないか!いじめちゃ!(笑)」
村上てつや「いじめてねぇーよ…って言うか、笑いすぎだよ、北山…。」
ト書き「想像が膨らみすぎで歯止めの利かなくなった北山は、爆笑街道ばく進中である。」
安岡優「ヒドイよねぇ〜黒ぽ〜ん…笑いすぎだよぉ〜…!」
黒沢カオル「はいはい、もうわかったから…安岡も泣かないの、北山も、もう笑わないの…。」
ト書き「やっと治まりかけた北山は深々と呼吸をした。」
北山陽一「ゴメン、ゴメン…悪気はなかったんだけど、止まらなくてさぁ…。」
村上てつや「黒沢、もう作り終わったのかぁ?」
黒沢カオル「イヤ、まだだよ…。」
村上てつや「……早く作れよ…。」
黒沢カオル「…わかってるよ…。」
村上てつや「…?なんかコゲ臭くないか?」
黒沢カオル「…!!あっ!ハム焼いたままだった!!」
ト書き「慌ててキッチンに戻る黒沢、3人はリビングからキッチンを覗く。」
黒沢カオル「あちゃ〜・・・」
ト書き「ハムは見事に真っ黒焦げになっていた。」
村上てつや「おい、この正体不明な煙りは何だ?……予想はつくけどよ。」
黒沢カオル「ごめん…、今換気扇回すから、少しの間だ我慢して…?」
ト書き「黒沢は手早くあたりを片づけ始めた。」
村上てつや「ゴホッ…けむい…。」
安岡優「黒ぽんでも失敗するんだぁ〜。」
北山陽一「そんなのん気な事言ってる場合じゃないぞ…村上さん大丈夫ですか?」
村上てつや「ゴホッゴホッ…だっ、だい…じょうぶ…ゴホッ…うッ…。」
安岡優「外出た方が良いよ!」
ト書き「リビングまでコゲた匂いが充満している。安岡と、村上は空気を仰ぐ。」
北山陽一「村上さん、一旦外出ますよ!黒沢さんあとはお願いしますね。」
黒沢カオル「ゴメン!北山、村上を頼む。」
ト書き「外へ出る北山と村上。」
村上てつや「ゴホッゴホッコホッ…ゼェゼェ・・ゴホッゴホッ…」
ト書き「咳が止まらない村上の背中をなでる北山。」
北山陽一「大きく深呼吸して!落ち着いて…。」
村上てつや「ハァ…ハァ…平気だよ…悪いな、北山…ハァハァ…」
ト書き「呼吸が整い始めて、壁に寄りかかり座る村上。ホッとした顔を浮かべる北山。」
村上てつや「…危うく…病院、行きか…ははっ。」
北山陽一「笑う事じゃないです…焦りましたよ。」
安岡優「もう平気だよ…大丈夫?リーダー。」
ト書き「開けた扉から顔だけを出し2人を見る安岡。」
村上てつや「なんとかな…黒沢は?…落ち込んでるだろ、あいつの事だから…。」
安岡優「思いっきり…。失敗した事&てっちやんの身体の事…苦しそうにしてたでしょ?!だからさぁ…。」
ナレーション「そのころ、黒ぽんはキッチンで一人落深く落ち込んでいる」
黒沢カオル「…………はぁああ〜…………。」
ナレーション「しゃがみ込み、背中を丸めてキッチンにある冷蔵庫と壁の間に挟まっている。」
黒沢カオル「……なにやってんだろ、俺…。」
酒井雄二「……そんなトコに挟まってどうしたんですかい?ヤスが新しい遊びでも開発したとか?」
黒沢カオル「酒井……。」
酒井雄二「かくれんぼ安岡優バージョンとか?!」
黒沢カオル「……ううん…。」
ト書き「更に身体を丸める黒沢。」
酒井雄二「…言い過ぎました…話してくれませんか、黒沢さん。」
黒沢カオル「…ハムを焦がしたんだ…。」
酒井雄二「ハム?ですか…いくら料理長黒沢薫でもそんなに落ち込む事では…。」
黒沢カオル「…そうじゃなくて……村上を…。」
酒井雄二「…そう言えばみなさん姿が見えませんが…黒沢さんしっかり話してください。」
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