-ゴスドラマ過去ログ:16301-16400-
ト書き「黒沢の前にしゃがみ込んで首を傾げる酒井。」
村上てつや「黒沢、細くなったの自慢してるのか?そんなところに入って…。」
ト書き「酒井の背後から村上が声をかける。その後ろから酒井に手招きをする北山と安岡。」
黒沢カオル「…ゴメン…俺の不注意で…俺がもっとシッカリしてれば…。」
村上てつや「誰にだって失敗はあるし、気にするなよ。俺だってただ咽ただけなんだしよ…。」
ト書き「黒沢の前に座る村上。後ろでは酒井が不思議そうに見ている。」
酒井雄二「何があったんですか?ハムを焦がして、村上さんがって…。」
北山陽一「チョット目を離したらハムが焦げて、凄い煙になって…」
安岡優「リーダーが凄い苦しそうだったんだぁ、肺に煙は入ると咳が出るでしょ?だからさぁ…。」
酒井雄二「なるほど…それであんなに落ち込んでいたんですか、黒沢さん。…また自分を責めてるんですね。」
北山陽一「普通、煙り吸ったら誰だって咳き込みますよ?」
村上てつや「黒沢、だから大丈夫だって…そんなに自分せめるなよ。」
黒沢カオル「だって…俺があの時目を離さなかったら、村上は…苦しい思いしなくて済んだのに…」
村上てつや「…なぁ、黒沢…お前が怖がってどうするんだよ…お前が発作を恐れてどうするんだよ…。」
ト書き「黒沢の目をシッカリと見つる村上。視線をそらそうとする黒沢。」
村上てつや「俺の目、見ろよ…怖いのか?何を怖がってんだよ…俺の事、守ってくれるんだろ…シッカリ見てくれよ、黒沢。」
黒沢カオル「村上……。」
ナレーション「売るんだ瞳で村上を見上げる黒沢。」
村上てつや「泣くなよぉ…な?」
ト書き「村上は黒沢の頭を優しくなでた。」
黒沢カオル「ん…ごめんな。」
酒井雄二「あ、もう俺、用事すんだんで弁当の用意、手伝うっすよ!」
黒沢カオル「ありがとう、洒井。」
村上てつや「…ホント、黒沢は昔のまんまだよな…全然変わんね。」
ト書き「村上は酒井と黒沢が忙しなく準備を始めたのを確認し、微笑みながらそっと呟いた。」
安岡優「でもそんな黒ぽんだから好きなんだよね!」
村上てつや「笑顔でそんなハッキリ言うなよ・・・照れるじゃねえか。」
ナレーション「と言いつつも、満更でもない様子の村上」
北山陽一「図星ですね…。しかしそんな村上さんだから、黒沢さんもあなたの事が好きなんでしょうね…。」
村上てつや「あいつ、最初は俺の事ビビッてたんだと…」
安岡優「そりゃ〜そうだよ、てっちゃんどっからど〜見てもガラ悪いもん。」
ト書き「バシッ!!」
ナレーション「村上は安岡の頭を無言で叩いた。<ト書きが効果音しなくても…>」
安岡優「いたぁ〜い…。」
村上てつや「でもよ、一緒に居るようになってあいつ、全然変わって来たんだよ…積極的になって、男らしくなった…。」
北山陽一「えっ?!…でも、さっき変わってないって…。」
村上てつや「…あいつの変わらないところは…俺にしかわかんねぇよ、絶対な。…教えろったって、誰にも教えねぇ…。」
ト書き「村上はそう一言残すと、つまみ食いをしにキッチンへ向かった。」
安岡優「教えないって…いじわるぅ…。」
北山陽一「ヤス、それは違うよ…。村上さんは、大事にしたいんだよ黒沢さんを…自分の宝物なんだよ…。」
安岡優「よくわかんないけど…男らしくって積極的な黒ぽんも好きだけど、昔から変わらない”トコロ”が一番好きって…」
北山陽一「そういう事なんだろ、きっと…。本当に村上さんにしか分からないんだろうなぁ…。」
安岡優「そんな風に分かり合える友達って・・・いいよなぁ」
北山陽一「そうだな。なかなかできないよな、こんなのって」
ト書き「顎をつまんで、北山はそう言った。」
黒沢カオル「出来た!ありがとう、酒井のおかげで早くできたよ。」
ト書き「綺麗に入れられたお弁当を見て満足げな笑みを浮かべる黒沢。」
酒井雄二「いえいえ、どういたしまして!」
黒沢カオル「じゃあ俺、行く準備してくる。」
ト書き「そそくさとキッチンを出る黒沢、お弁当を持ちリビングに向かう酒井。」
北山陽一「お疲れ様です、疲れたでしょう?用事も済ませてじゃ…。」
酒井雄二「そんなに頭使うこととかじゃないしね、両方とも。しかし純粋な人ですなぁ、黒沢さんは…。」
安岡優「黒ぽんの作った詞からでは考えられないよねぇ…。(微笑)」
北山陽一「黒沢さんの心は、ろ過され続けてるんだろうなぁ…きっと。」
酒井雄二「村上さんが”ろ紙”ってことですか…じゃ、俺たちは”ろうと”も知れませんなぁ…。」
安岡優「化学の器具使って会話しないでよ…わけわかんないから。」
北山陽一「わけわかんないって…”ろ紙”ぐらいわかるだろぅ。」
安岡優「わかんないねぇ〜よ!!!(怒)」
酒井雄二「お前さんは学校で何を習ったんだい!」
北山陽一「ヤス、御免。お前に化学の器具の話しをしようとした俺がいけなかった…。」
安岡優「なんだよぉ〜それ〜!二人とも俺のことバカにしてないか?」
村上てつや「わかんねぃっつたのヤスじゃん」
安岡優「じゃあ聞くけど、てっちゃんはわかるの?”ろ紙”と”ろうと”!!」
ト書き「イヤにムキになる安岡。」
村上てつや「余裕。純水にする為に使うやつだろ?丸い厚手の紙と」
ナレーション「もっしも〜し??!」
村上てつや「おっ…悪い。 丸い厚手の紙と、”じょうご”みたいなヤツだろ?」
酒井雄二「ご名答!!村上さん」
北山陽一「以外ですね、村上さんが言えるとは…。」
黒沢カオル「みんな用意終わったの??」
安岡優「く〜ろ〜ぽ〜〜〜〜〜ん!!!」
ト書き「今にも泣きそうな声で黒沢に駆け寄る安岡、驚く黒沢。」
黒沢カオル「どっ、どっ、どうしたの??!」
村上てつや「黒沢、”ろ紙”と”ろうと”って分かるか?」
黒沢カオル「……なんなのさ。いきなり……。」
安岡優「みんなが俺を馬鹿にするんだ。」
黒沢カオル「“ろ紙”と“ろうと”なんて…中学か、高校以来だよ…それ以外に役に立たないんだよね。三角フラスコとか…実用用途以外に使い方思い付かないもん。」
酒井雄二「段々話がズレて来ましたが…。」
黒沢カオル「まっ、知っても知らなくても大丈夫だよ安岡。俺たちの日常生活、100%使わないもん!」
村上てつや「最もだ!!さすが、黒沢だよ、お前はわかってる!!」
安岡優「…なんだよぉ、さっきまで一緒になって馬鹿にしたくせにぃ…。」
北山陽一「さてと…そろそろ行きますか。ハイ、ヤス!」
ト書き「北山はポケットから何かを取り出すと安岡に投げた。」
安岡優「ぅわっっ!…鍵??何の鍵?」
北山陽一「お前しかまともに運転できるヤツ居ないだろ?俺だってまだアレだし…酒井もねぇ…。」
安岡優「えっ〜〜!?あんだけ俺の事イジメておいて、それってアリ??!」
酒井雄二「君しか居ないんだ、安岡君!」
ト書き「「仕方なく・・車の運転かなり涙ぐむ」
黒沢カオル「安岡為にとって置きのお弁当作ったし仕方ないな・・安岡」
安岡優「俺のためにとって置きの弁当?!じゃあ張り切って運転するよ!(笑)」
村上てつや「単純なヤツ。」
安岡優「リーダーには言われたくないっっ!!」
黒沢カオル「まぁ〜まぁ〜、仲良くね、仲良く!」
ト書き「一行は車のある外へ出た。」
黒沢カオル「良い天気だね、ハイキング日和って言うの!?最高!!」
ト書き「思いっきり背伸びをする黒沢。」
北山陽一「ココからもっと空気の良い高原の方に行くんですからね、もっと気持ち良いですよきっと。、」
酒井雄二「ま、人の居ないトコってのは空気が綺麗ですからな。」
黒沢カオル「そうそうっvvv」
安岡優「空気の綺麗な所で食べる黒ポンのお弁当はいつもにもまして美味しいだろうしね♪」
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