-ゴスドラマ過去ログ:18001-18100-
安岡優「はにゃ?お金も持たずに何処行ったんだろねぇ〜??」
黒沢カオル「……てつ…。」
ト書き「その頃、村上は自動販売機の前の壁に背中を預けしゃがみ込んでいた。」
村上てつや「…全部、俺のせいだ。ちくしょっ。」
ト書き「握りしめた掌を床に打ち付けると静かなロビーに鈍い音が響いた。」
黒沢カオル「(俺が守るって言ったのに…これじゃ立場が反対だよな。…はぁ。)」
村上てつや「俺が心配かけ過ぎたから・・・・」
ト書き「皆暗い面持ちで考え事する」
村上てつや「そういや・・数日前・・ココで同じ事悩んでたっけなぁ・・」
ト書き「数日前の、ベッドに寝ている自分と看病に疲れる黒沢を思い出していた」
村上てつや「はぁ・・・・・・」
ト書き「深く溜息をつく・・そんな村上の前に人影が現れる」
酒井雄二「黒沢さんはミネラルウォーターが良いそうですよ?」
ト書き「酒井がお金を持って現れたのだった。うなだれる村上を背に、まるで独り言を言うように村上に語りかける」
効果音「ガコン・・(ジュースが取りだし口に落ちる)」
酒井雄二「北山はコーヒー・・・・」
村上てつや「・・・・・・・っ・・」
酒井雄二「俺とヤスはココアを・・・・」
効果音「ガコン・・ガコン・・・」
ト書き「反応は示したものの、下を向いたまま何も喋らない村上。」
酒井雄二「・・・・リーダーはドツボにはまるドリンクでも飲むつもりですか?」
ト書き「ハッと顔をあげる村上」
村上てつや「なんだよ・・そんなの売ってるわきゃネーだろ」
酒井雄二「ありますよ。あなた実際もう飲んじゃってます。」
村上てつや「・・・・ワケわかんねぇ。一人にしてくれ」
酒井雄二「お金も持たずに飲み物を買いに行くあなたを見て、皆が心配しないとでも思いますか?」
ト書き「村上は、また下を向いてしまう。酒井は手に持っていたコーヒーを村上に手渡す」
村上てつや「一人になりたい時だってあるだろ。酒井にだって・・・」
酒井雄二「一人になって考えて、前向きになるなら良いでしょう。でも一人になって考えた時というのは・・ほとんどが前向きにはいかないです。そうでしょう?」
村上てつや「皆が責めてくれりゃぁいんだよ。俺を指差して『お前のせいで黒沢が!』って。そうすりゃぁ楽になるってもんだ。」
酒井雄二「それ見たことか。見事に後ろ向きではないですか!」
ト書き「半ば呆れ返ったように笑う酒井」
酒井雄二「そうですそうです。みんなあなたが悪いんですよ。リーダーが喘息にならなければ黒沢さんや皆が苦しむことはなかった。皆あなたのせいです!」
村上てつや「あぁ。俺が悪いんだ。俺が全部・・・」
酒井雄二「で?そう言われてリーダー楽になったです?!楽になったらその後はどうするんです?」
村上てつや「・・・・・・」
酒井雄二「さすがに・・もうかける言葉が無いです。リーダーはそう見えても、もっと物事しっかり踏まえてる方だと思ってましたがね・・・」
村上てつや「俺はこんな奴だよ・・・はじめっからな。」
ト書き「悔しさからくる怒りで満ち溢れた。」
ナレーション「さすがの酒井もその表情を隠しきれないのか、その後なにも喋らなかったが、その表情に全てが表れていた」
村上てつや「・・・(酒井)・・・」
ト書き「自分のことで精一杯の村上にも、酒井の怒りは伝わっていた」
ナレーション「沈黙のまま、北山へのコーヒーを買い、酒井は皆の居る部屋へ戻った」
効果音「ガラッ」
安岡優「あ。酒井サンお帰り。」
酒井雄二「・・・・・・」
北山陽一「酒井さん・・?」
ト書き「酒井は」
ナレーション「(ト書きさん頼みますよぉ)酒井は何も喋る気になれず、手に持っていたジュースを皆に渡すと、部屋から出てしまった」
安岡優「うっわぁ〜・・・・ちょっとコレはただならぬ雰囲気なのでは?!」
北山陽一「ものすごいカオしてましたね・・・」
黒沢カオル「また・・・俺とてつのせいなのかな・・(はぁ)」
安岡優「黒ポン!違うよ。きっとそんなんじゃないよ。悩むならちゃんと原因聞いてからだよ?ねっ?」
黒沢カオル「うん・・・・そだな。」
マネージャー竹内「黒沢、センセイがしばらくこの部屋かしてくれるそうだから。しばらく寝てたらいいよ。」
黒沢カオル「そっか・・・うん。そうする。竹内。センセイにお礼言っといて。あと・・てつの検診もヨロシクな。」
マネージャー竹内「えぇえぇ。任せてください。」
北山陽一「じゃぁ俺達も出るか。」
安岡優「そだね。そろそろお昼だし、食べに行こうか♪また戻ってくるからね、黒ポン。」
黒沢カオル「うん。みんなありがとな。じゃまた。」
ト書き「黒沢を部屋に残し、一同はお昼を食べに近くのファミレスに向かった」
北山陽一「あ・・・村上さんの酒井・・・」
安岡優「村上さんと酒井さん・・でしょ?(あせったよぉ(爆))」
北山陽一「ごめんごめん。二人はいいのかな・・と思いつつ」
安岡優「僕、てっちゃん連れてくるから。北山さんは酒井サンさがしてくれる?」
北山陽一「わかった。そだな。このまま険悪にしておかないほうがいいな。」
マネージャー竹内「あ。ちょっと待って。村上は検診が先だ。酒井連れて3人で先に食べててくれ。後で村上連れてかけつける」
安岡優「分かったよ。じゃぁてっちゃんお願いね。」
ト書き「北山と安岡は酒井を探すべく、病院内を歩き回った。そしてようやく酒井を発見する」
安岡優「あぁ〜酒井さんってばあんな所にいるよぉ。北山さん、いこっ!」
ト書き「二人は駆け足で酒井の元へ向かった」
ナレーション「一方、竹内は相変わらず自販機の前でうな垂れる村上を発見。」
マネージャー竹内「村上。今度は村上の番だ」
村上てつや「・・・・・竹内・・」
マネージャー竹内「検診。きちん受けてくれ。5人誰が欠けてもダメなんだからな。」 村上てつや「あぁ・・・ちゃんと受けるよ。それより黒沢どうしてる?」
マネージャー竹内「センセイがひと部屋貸してくれたから、いまそこで休ませてます。皆はお昼を食べに一旦外へ。」
村上てつや「そっか・・・・・あ・・・・・うん」
ト書き「とて何か言いたげな村上」
マネージャー竹内「酒井なら安岡と北山に任せましたが?」
村上てつや「酒井の事なんかきいてねぇよ」
マネージャー竹内「カオに書いてますよ。『酒井が心配だぁぁ〜』って( ̄ー ̄)」
村上てつや「・・・っ!!」
ト書き「効きたかったことをズバリ当てられてバツの悪い村上。竹内が茶化しに入るもんだから、余計素直になれなくなってしまった」
マネージャー竹内「まぁでも・・・村上が悩み・考え込む事はないでしょ?今は自分の体のことを優先してくださいよ」
ト書き「診察室の前に辿り着いた。看護婦の声がする。」
一般人(女)「【看護婦】村上さ〜ん診察室へどうぞー」
マネージャー竹内「ほら、呼んでるぞ。ココで待ってるから行って来い」
ト書き「村上は苦笑いを浮かべて診察室へ入っていった」
ナレーション「・・・・コチラはファミレス3人組み・・・」
一般人(女)「【ウエイトレス】ご注文はおきまりでしょうか〜?」
安岡優「僕はんばぁぐ!Aセットで!」
酒井雄二「私はビーフシチューを・・」
北山陽一「パスタと温野菜サラダのセットを・・・」
一般人(女)「【ウエイトレス】ご注文繰り返します・・・」
ト書き「ウエイトレスは、3人がゴスペラーズと気づかずに淡々と仕事をこなす。そしてその場を去った後、話しの本題が始まる」
北山陽一「・・・・・それで。雄二さん。なにがあったんですか?」
酒井雄二「・・・・・・直球ですな。」
北山陽一「この場合、フォークなんか投げてもしょうがないでしょう?」
安岡優「うんうん。そだね。で?なんで酒井サンがそんな怒ることになったの?」
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