-ゴスドラマ過去ログ:18401-18500-
村上てつや「わかんねぇんならいいよ、もぉ。」
ト書き「年長二人組みの白熱な言い争いに竹内は口のはさみようがなく、タイミングを見計らっていた」
黒沢カオル「・・・・・ほんっとに分かんねぇ。それとも俺の寝てる間になにかあったっての?」
村上てつや「なんもねぇよ。・・・とりあえず俺は帰る」
ト書き「そう言い残すと、村上は部屋から出てしまった」
効果音「ピシャン!!(激しくドアが閉まる)」
黒沢カオル「っ・・・もぉ・・なんなんだよ村上のやつ。」
ト書き「あまりに激しく閉められたドアの音に、一瞬肩をすくめる二人。そして黒沢は竹内の方に向き直った」
マネージャー竹内「・・・・どうかしましたか?黒沢」
黒沢カオル「いや・・ごめんな、竹内。今のなんて、完全なとばっちりだもんな。てつのこと、もっと俺がフォローできればいんだけどつい・・・」
マネージャー竹内「こんなこと、初めてでもないでしょう。私は大丈夫です。それより今は、村上と黒沢の体が心配です」
黒沢カオル「ほんとに。ごめんな。いつも感謝してる。」
マネージャー竹内「やめてください照れますから(苦笑)」
ト書き「竹内は少し笑いながら、体を起こしていた黒沢を再び寝かせる。」
黒沢カオル「悪いな・・・っ。」
マネージャー竹内「何を言いますか^^ さ。今日はもう眠ってください。私がついてますから。・・・村上のことも任せてください。ね。」
黒沢カオル「あはは。有難う。やぁ・・なんだかほんと、お袋に優しくしてもらってるみたいだ・・ははっ」
ト書き「嬉しそうに、でも恥ずかしそうに笑う黒沢。竹内はその笑顔の中の影をきちんと捉えていたのだった」
マネージャー竹内「また酷く痛んだら起こしてください。私にできることなら何でもしますから。」
黒沢カオル「・・・寝つくまで頭撫でてもらってもいいかな・・・・?」
マネージャー竹内「えぇもちろんです・・ずっとこうしてますから。おやすみなさい。」
ト書き「竹内の温もりを感じながら、黒沢は目を閉じた。」
黒沢カオル「おやすみ」
ナレーション「それから数時間後、黒沢と竹内はすっかり眠ってしまっていた。」
効果音「カラカラカラ・・・(静かにドアが開く)」
村上てつや「・・・・・・・寝てる(ぼそっ)」
ト書き「勢いで『帰る』とは言ったものの、心配で帰れず、ずっとロビーの長椅子で寝っ転がっていた村上が様子を見にきていた」
黒沢カオル「zzzz・・・く〜く〜・・・・zzz」
村上てつや「(黒沢・・・よく寝てる。良かったぁ・・・)」
マネージャー竹内「・・・・んん・・」
ト書き「黒沢の枕元に上半身をうつ伏せて寝ている竹内がちょっと体を動かす。なにやら寒そうに肩をさすっている」
村上てつや「竹内のやつ・・・・・・・」
ト書き「そう言うと部屋から出た村上は、手に毛布を持って再び現れた」
村上てつや「お前まで風邪ひいちまうよ」
ナレーション「竹内の肩から、そっと毛布を掛ける村上。そしてまたロビーの長椅子へと戻るのだった」
村上てつや「はぁ・・さっきは流石にひとりで怒りすぎたよなぁ」
ナレーション「一人、天井を仰ぎながら反省する村上」
村上てつや「でも・・黒沢と俺の仲に勝る物があるというのは許しがたい・・というかあるわけがなくて・・・」
ナレーション「要するに竹内と黒沢の間で、自分の知らない何かが起こっていることが嫌なんだ・・・」
村上てつや「・・・うるせぇぞ、ナレーション」
ナレーション「でも図星なんでしょう?自分一人の黒沢さんで居て欲しいんでしょ?」
村上てつや「・・・・・・・はぁ・・・そうかもしれねぇな。」
ト書き「珍しくナレーションに反抗しない村上。」
村上てつや「俺ってこんなイヤラシイ人間だったっけ・・?はははっ」
ナレーション「村上は少し悲しそうに笑うと、そのまま目を閉じて、数分後にはスヤスヤと寝息をたてていた」
ト書き「ふと気がつけば、辺りはもう薄明るくなり始めていた。時計の針は午前6時を数分回ったところを指している」
マネージャー竹内「・・・・・ん・・・。あ・・もぉ朝・・?」
ト書き「寝ぼけた頭で必死に考える。そして、寝るときには確かになかったはずの毛布にようやく気づく」
マネージャー竹内「これ・・・・・。黒沢か・・?」
ト書き「自分の目の前でスヤスヤと眠る黒沢を見つめる」
マネージャー竹内「途中で起きたとは思えないよなぁ・・でも村上はもう帰ったはずだし・・・・(はっっっ!)」
ト書き「竹内は急に何かを思い出したように部屋を出て、一目散に走った」
マネージャー竹内「(あぁ!やっぱり!!)」
ト書き「目的地はロビー。竹内の予想通り、村上は長椅子で寝ていた。毛布も掛けず、自分の上着を腹の辺りにかけていた」
マネージャー竹内「あぁぁぁ。これじゃぁ村上が風邪ひいてしまう!!なんてこったぁ!」
ト書き「竹内は慌てて、自分に掛けられていた毛布を村上に掛ける。そすてその横に腰をおろした」
マネージャー竹内「はぁ・・・もぉ頼みマスよぉ、村上ぃぃ」
村上てつや「ぅうん・・・・・」
ナレーション「ちょっと険しい表情で寝返りをうつ」
村上てつや「黒沢が・・・・・ぁ・・」
マネージャー竹内「・・・・?」
ナレーション「さすがは寝言。もうその続きはないようだ(爆)」
ト書き「余程寒かったのであろう。村上は、竹内の体温で温まった毛布を頭からかぶり、エビ状に丸まってしまった」
マネージャー竹内「村上の気持ち、ちゃんと分かってるから。良いところも悪い所も、含めて5人が好きなんですから」
村上てつや「・・・・・うぅん・・・・・・」
ト書き「笑顔で語りかける竹内。村上は寝言で返事を返していた。」
黒沢カオル「あ。竹内ココにいたんだ・・・」
マネージャー竹内「えぇ。目が覚めましたか?グッスリ眠ったようで^^」
黒沢カオル「うん。すっごいスッキリした目覚めだよ。竹内のおかげだ。ありがとな。」
マネージャー竹内「いえいえ。・・・それよりコレ・・・」
黒沢カオル「ぷっ・・なんだこれ、エビ状態じゃない。だれ・・・?って・・もしかしててつ?!」
マネージャー竹内「あれ。最初から気づいてるんだと思ってましたヨ」
黒沢カオル「だって、てつ帰ったんじゃ?!」
ナレーション「驚きのあまりについ、大声を出す黒沢。村上はその声で目を覚ます」
村上てつや「・・・・うぅ・・・あれ・・?竹内に黒沢・・・」
黒沢カオル「てつ・・ずっとココに?!」
村上てつや「あぁ。まぁな。」
マネージャー竹内「寒かったでしょうに・・・。この毛布・・私に掛けてくれたの村上でしょう?」
黒沢カオル「え?」
ト書き「長椅子に起きあがり、照れくさそうに頭をかく仕草をする村上」
村上てつや「ちょっとは悪かったとおもってるんだ、これでもな。」
黒沢カオル「てつ・・・・」
村上てつや「お前を思うあまりに自分が見えなくなってることに気づかされたというか・・・」
黒沢カオル「俺はてつのことどうでもいいとか、邪魔だとか思ったことは一度もないよ。これからもないんだから」
村上てつや「当たり前だ・・バカ」
ト書き「私は邪魔者・・とばかりに、そっと部屋に戻る竹内」
黒沢カオル「竹内との秘密があるとかそういうんじゃないんだ。それだけは分かってくれ。なっ?」
村上てつや「・・・あぁ」
黒沢カオル「俺にはてつが必要なんだ。もちろん皆もだ。でも俺とテツの間には違う何かがあるだろう?」
村上てつや「あぁ。今まで培ってきた絆だ」
黒沢カオル「ははは…。」
村上てつや「でも…言えることだったらおれにも言ってくれよな」
黒沢カオル「解ってるよ。」
村上てつや「ゼッタイだぞ。」
黒沢カオル「約束する。」
村上てつや「・・・・・」
ナレーション「言葉はいらないって感じですね、この二人ときたら…」
黒沢カオル「(赤面)」
ナレーション「なんでそこで赤くなるかな」
安岡優「おっはー―――!!!」
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