-ゴスドラマ過去ログ:19401-19500-
北山陽一「リーダーって泣き上戸でしたっけ?」
安岡優「今日おかしいからなぁ」
酒井雄二「酒の勢いでも借りなきゃ、泣けないんでしょーか?」
北山陽一「…涙脆いって、訳でもないですからね……。」
村上てつや「くろさわぁ〜〜…魔王のキタヤマがいぢめる〜〜…。」
安岡優「…は?まおう?」
黒沢カオル「なんで北山が『魔王』なんだよ…。」
ト書き「肉マンを受け取り、ぱくついている黒沢が北山を指して言った。」
村上てつや「だって…だってよぉ、フキ出しが…。」
酒井雄二「…要を察するに、北山陽一が、村上てつやのヴィジョンでは『魔王』に見え、あまつさえ駄目出しとばかりに魔王のフキだし付き…という訳ですか。御丁寧にまぁ。」
安岡優「酔ってるね、確実に酔っぱらいだ。てつ。」
村上てつや「うぉおお!?ヤスっ、何時の間に犬の格好して……何でそんなにもはまってンだよぉ!」
ト書き「涙を流しながら、村上はアルコールに上気した顔で笑い始めた。」
黒沢カオル「…酔ってるねー。」
ト書き「酔いが醒め始めたのか、黒沢は冷静にある状況を呟いた。」
北山陽一「村上さん…ちゃんとして下さい。」
ト書き「肩に触れる北山の手に、過剰な程の怯えを見せる村上。」
北山陽一「駄目ですね…こりゃあ。」
黒沢カオル「てっちゃん、北山は魔王じゃないし。ほら、水。…飲める?」
村上てつや「くろさわー…お前だけがフツーだよぉう…。」
酒井雄二「はー、黒沢さんのみが普通に、見えてるのですか。」
ト書き「水を飲ませて貰っている合間、今度は酒井へ村上は注視し続ける。」
黒沢カオル「てっちゃん?」
村上てつや「うわぁああっ!今度は酒井がネジ巻き式になった!…マジもんの『ラブ・マシーン』だぁ〜!」
酒井雄二「…酔っぱらいは、ほとほとにしておいて。我々も呑むかね北山。」
北山陽一「そうですね、飲みましょう。」
ト書き「背中に、ネジ巻き用の金属部品をくっつけている酒井と魔王北山(と村上には見えている)は買ってきたツマミの袋を開けた。」
効果音「パァ〜ン。ガサゴソガサゴソ。ムシャムシャ、ムシャムシャ……。」
黒沢カオル「そんなに急いで食べなくても…。欠食児童じゃあるまいし…。」
酒井雄二「今、食べておかないと、リーダーになんておちょくられるか…」
北山陽一「「魔王」も腹は減るんです!」
ト書き「半ばやけっぱちで応答する2SPELLERSであった。」
村上てつや「う〜…気持ち悪…。」
黒沢カオル「ちょっと、てつ!吐くんなら向こう行ってよね!!」
村上てつや「く・・くろさわあ〜」
酒井雄二「ここで汚物をぶちまけられるのはちょっと…。」
北山陽一「『魔王』で宜しければ、看病しても良いですよ?」
ト書き「“あたりめ”片手に、北山は皮肉っぽく通達した。」
村上てつや「くろさわあ〜助けてくれぇ〜(泣)」
酒井雄二「『魔王』じゃぁダメらしいですな」
安岡優「ついでに『犬』も、『ラヴ・マシーン』もお呼びじゃないっと。」
ト書き「塩せんべの封を開けながら、安岡は呟いた。」
黒沢カオル「わかったよ〜てつ・・・どうしたのさ?」
村上てつや「やっぱりお前だよな、頼りになるのは…。」
黒沢カオル「いいかげん疲れるよね〜。てつに付き合ってると…。」
安岡優「ああっ・・そんなこといったらてったyんがぁ〜」
酒井雄二「ヤスかんでるぞ!!」
安岡優「あちゃ!しまったぁ〜?」
村上てつや「(が〜〜〜〜〜ん!!!!)」
ト書き「動きが停止する村上。」
安岡優「ちょっと、てっちゃん!ちゃんと呼吸してっ。」
酒井雄二「いかん!あまりのショックで全ての機能が停止している!!!」
北山陽一「正義の味方も黒澤さんには勝てないみたいですね」
黒沢カオル「ちょっ…おい!」
効果音「ぱぁん!」
ト書き「村上を気付かせる為に、黒沢は平手打ちを『軽く(飽くまでも黒沢内の、軽く)』かました。」
村上てつや「ダメ、俺の魂は今何処・…。」
安岡優「黒ぽんの一言で酔い醒めたんじゃない?てっちゃん。」
黒沢カオル「ったくさぁ…長い事村上と一緒に居るけど、子供っぽいんだよね、村上は!」
酒井雄二「…リーダーの代わりに今度は黒沢さんが酔ってます?もしかして…。」
黒沢カオル「甘え過ぎなんだよ!もうすぐ三十路だってのにさっ!俺だって大変なんだよな、まったく…!!」
北山陽一「黒沢さんて酔うと”毒吐き”になるんですか…。」
黒沢カオル「あぁ〜安岡〜ビール取って〜ビール!!早くしてよ!飲んでなきゃやってらんないよ、本当に!」
ト書き「正常に戻っていたはずの黒沢は戻っていなかったのか、毒を吐く人に豹変してしまった。」
安岡優「絡まれるの嫌だから〜…いっち抜けた!」
ト書き「酒を右手に、バタピーや塩せんべを左手に持って、安岡は黒沢から離脱した。」
北山陽一「黒沢さん酒強いっすからねぇ…潰すのは至難の技。ということで俺も抜けます!」
酒井雄二「あ?お、おい。二人ともぉっ、俺に酔っ払いを押し付けて行くな!」
黒沢カオル「さかい〜〜、そこのブランデー取って…。」
村上てつや「うぅっ…ぐっ…どうせ、どうせ…俺はぁ〜〜…。」
酒井雄二「黒沢!あんたは飲み過ぎ!水飲んで中和してなさいっ!…リィーダー…アンタもいい加減泣き止みなさいっ!」
安岡優「…はぁ、やっと落ち着いて呑めるね。」
北山陽一「騒いでた方が、精神的にイイんじゃないの?ヤスは。」
安岡優「味わいたい時もあるの〜…おしゃけ。」
北山陽一「そう?…静かに月見酒もオツだけどね。」
ト書き「窓越しに見える月を見上げ、北山はコップに酒を注ぐ。」
北山陽一「ここでも、見える月は同じ、なんだな。…当たり前だけど。」
安岡優「にゃに?…違う月もあるの?」
北山陽一「いや、ね。少し雪の降ってたのが止んで…寒くて、でも空気が張り詰めててさ。澄んだ空気の中で月光を浴びた時、別な世界に行けた気がしたんだ。」
ト書き「酒を口に運びながら、安岡は北山の話を無言で聞いている。」
北山陽一「雪が光を反射して、物音は全然聴こえなくて…ここに存在するのは自分独り、って錯覚出来た。肺が痛いくらい、空気が冷えて…さ。」
ト書き「コップの中身を一口含んで、唇を濡らすと北山は月から視線を外し少し苦笑した。」
北山陽一「ごめん、酒呑みの話じゃないな。…つまんないだろ。」
安岡優「ううん、続けて?」
北山陽一「あははっ・・・でも月は月。同じ月」
安岡優「だけど、ある瞬間、この月は今自分だけ見ているものだと思いたい・・・・?」
北山陽一「そう言う時も・・・あるな」
ト書き「北山は再び月に目を奪われ・・安岡もつられて月を見上げる」
安岡優「あはっ。なんかツアーで使われそうなフレーズだね。さすが北山さん」
北山陽一「まあね。だてにメガネはかけてなかったよ(笑)。」
ト書き「照れ隠しともとれる笑いを浮かべ、テーブルに置いていたコップを手に取った」
酒井雄二「コラ〜語り合ってるそこの、2人の逃亡者〜〜〜!!」
安岡優「あ!雄二さん…なぁに?」
酒井雄二「『なぁに?』じゃないですよ、まったく!!こっちとら大変なんですから!」
北山陽一「語り合ってませんよ。俺の経験を、ヤスに聞いてもらってただけです。」
酒井雄二「そんな事はどうでもイイです!三十路間近の2人はもう歯止めが利かないんですよ!」
安岡優「はぁ〜…2人ともそんなにストレス溜まってたの…」
酒井雄二「リーダーはやっと泣き止んだのですが、孤独にお酒を飲んでるし…黒沢さんは相変わらずあのハイトーンで騒ぎまくってるしで…。」
北山陽一「ご苦労、雄二…まぁ一杯。」
酒井雄二「こりゃ、どうも…。ったく、落ち着いて飲めやしない…。」
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