-ゴスドラマ過去ログ:19901-20000-
北山陽一「セオリーだと、確実に原色は揃えたいんだよね。」
村上てつや「あの人形を見ろ!!」
ト書き「村上が指差した方向には、さっき北山が指した”ウサギ・熊・虎のぬいぐるみ”があった。」
村上てつや「ウサギがピンク・熊が黒・虎が緑、をもう使ってんだよ!アレだって一応仲間なんだからな!」
北山陽一「ねっ、首に巻いてるスカーフの色がそうでしょ?!最後に入ってきたのがヤス、余っていた色は黄色しかなかったんです。我慢してくださいね…。」
村上てつや「だから黄色!!」
安岡優「わかったよぉ、もぅ…。服ぐらいはまともなのにしたいよね…黄色でも変じゃない服装はっとぉ…。」
北山陽一「あ。『ハニー・ビー』ってどお?」
ト書き「安岡が、明らかに『アレ』な名称に怪訝な表情を見せる」
安岡優「『蜂』じゃん…僕に蜂のきぐるみか何か着せようっての?」
ナレーション「頭部に触覚、蜂の特徴とも言える膨らんだ腹部を示すパンツ。勿論、臀部には針のギミック付き…のイメージが各々の脳裏に浮かぶ。」
安岡優「幾ら北山さんでも俺だってマジギレするんだからね!(怒)」
北山陽一「はははっ、ごめんごめん、悪かった…!」
村上てつや「どうでもイイから早く決めろよ〜いつまた事件が起こるかわかんねぇーんだから。」
ト書き「タバコを吸いながら安岡に冷たい視線を送る村上。」
小林社長「てつや〜何人かに絞ったぞ、ちょっと見に来てくれ!」
村上てつや「どれどれ…”黒沢”の名前は挙がってるかなぁ?っとぉ…。」
ト書き「足取り軽くソファーから社長の座るデスクへと向かう村上。」
安岡優「そういえば…北山さんの変身の時の言葉って…どう言う意味?」
北山陽一「メガネ関連か?」
安岡優「もしかして、自分でもわかってないの?」
北山陽一「えと、さ……頭脳の…四分の一、ってトコかな。直訳したら。」
安岡優「ふぅ〜ん…俺はどうすればいいわけ?」
北山陽一「別に?何でも良いよ。俺達だって考えあぐねた末の言葉なんだし」
安岡優「てっちゃんは如何にも、ファッション雑誌からとったっぽいし…センセも、それらしいの付けてるよね。」
北山陽一「ま、気楽に動き易いの考えとけば?着流しは誰かのシュミだけどね。」
安岡優「それって、てっちゃんのも、でしょ。」
ト書き「二人で苦笑しあっていると、MO片手に村上が戻ってきた。」
村上てつや「おう、これ…頼むわ。」
北山陽一「良いですよ。」
ト書き「素早く、北山の手がキーボードを叩く。十数個の『過去の出動履歴』が即座に画面へ表示された」
北山陽一「っと…えー……」
ト書き「尚も、操作を続ける北山の傍らで、安岡が口を開いた。」
安岡優「結構…少ないんだ。」
村上てつや「世界征服…じゃなくて、地球征服ってのは結構利に合わねぇ事が多いからな。」
北山陽一「出ました。…黒沢の名前は、見事に挙がってます。」
村上てつや「出してくれ。」
ト書き「北山がウィンドウを開くと、それを安岡は凝視した。」
安岡優「普通のヒトっぽいけど。」
村上てつや「外観で判断しちゃイカンよ…?で、これが酒井な。」
ト書き「北山の操作するパソコンへ腕を伸ばし、資料となる画像を表示した。」
安岡優「これ…が、酒井さん?」
北山陽一「びっくりした?」
村上てつや「すごいだろ?」
ト書き「安岡の知っている酒井とは違う、甲冑を着込んでいるような外観のそれ。」
村上てつや「これで、エネルギー源が菓子パンっつーんだから、驚きだよな。」
北山陽一「しかも、別腹も装備されてましたから…偉く、倒すのには苦労したんですよね。この時。」
安岡優「…普通の人じゃなかったんだぁ…。」
村上てつや「でもよ、今回はこの酒井が色々集めてるんだろ?しかも”精密機器”を…黒沢はなにを企んでるんだ…。」
北山陽一「おそらく前回みたいに『操るモノの為』って感じに思えますが…どうですか?」
村上てつや「黒沢だけじゃ何にも出来なさそうだもんな…前回逃げやがったし。」
北山陽一「【地球・指名手配犯】ですからね…今回こそはなんとしてでも捕まえなくては。」
ト書き「厳しい顔つきの村上と北山に『なんだか凄い仕事なんだなぁ。』と思い始めた安岡。」
村上てつや「待てよ…黒沢達はもう俺達が動き始めてるのを知ってるって事だよな?」
安岡優「酒井さんがてっちゃんやセンセの顔を覚えてればそういう事になるよね…。」
村上てつや「ヤバイぞ…早く始末しねぇとマジで地球が黒沢に征服されるかも知れねぇ…。酒井も頭のキレるロボットに改造されたみたいだし…」
北山陽一「…精密機器をエネルギー源にしている”モノ”が黒沢のバックに居るとするならば…」
安岡優「間違いなく強力なパワーの持ち主だよね…黒沢って人凄いね。」
北山陽一「おそらく”酒井雄二”という人間ロボットでは、もう1度も私たちの前に現れる事は無いでしょう。」
村上てつや「そうだな」
ナレーション「…いっぽう黒沢達、悪役は…」
黒沢カオル「あぁ〜!やっと帰ってきた!遅いぞ!腹空かして暴れまくってんだから。」
ト書き「黒沢が指差す檻には暴れまくる怪獣が1匹。」
DJバリ"K"〜ん「マダカァ〜〜!!ゴハンハマダカァ〜〜〜〜!!」
酒井雄二「はいはい、スミマセンねぇ、どうぞ!高性能のモノだから美味しいと思いますよ。」
ト書き「大量の機械類を檻に入れる酒井。」
黒沢カオル「これじゃぁ効率が悪いな。もっと良い方法は…」
ト書き「しばし考え込む黒沢&酒井。」
黒沢カオル「いっそのこと、機械類の大量にある場所にコレ移動させちゃったらだめ?」
ト書き「・・・とバリ怪人を指差す黒沢」
酒井雄二「・・・移動たって、そんな機械類の豊富な場所なんてないでしょぉ?」
黒沢カオル「電化品とか作ってる工場のっとって・・・・」
酒井雄二「黒ぽん。あんた仮にも『悪のドン』でしょう。もっと悪っぽい考えはないんですか?!」
黒沢カオル「えぇ〜だってぇ。じゃぁ酒井もなんか案だしてよ」
酒井雄二「そーですねー…。」
ト書き「バリ怪人を前に酒井はしばし考えた。」
酒井雄二「あ!アメリカのシリコンバレーとかは?」
黒沢カオル「どこ?ソレ?」
酒井雄二「あーんわかんないか・・・・、じゃ高松?」
黒沢カオル「へ?なんで?」
酒井雄二「いや、機械類の豊富な場所でわかりやすいとなればそこしか思いつかないし……」
黒沢カオル「俺らの移動手段、どうすんの。」
酒井雄二「そうですねー…俺とボスは良いとして、こやつを人型にさせる、となれば…。」
黒沢カオル「あいつらも、そろそろ俺達の動向に目を向けてる頃だろうしな…。」
酒井雄二「…とりあえず、これからは鉄屑回収場を主に集めてきますよ…。車のエンジンとか、鉄の塊ですから」
黒沢カオル「おう、頼むぞ!」
酒井雄二「にしても…ゴミ処理とは。我々『地球に優しい侵略者』ですな」
黒沢カオル「いんじゃない?俺も頑張って『生ゴミをエネルギー交換出来る怪獣』とか生み出してみるからさ。」
酒井雄二「先に、砂漠の森林化について研究した方が宜しいかと。」
ナレーション「悪役とは思えない考えをしているこの2人…。」
黒沢カオル「酒井、秋葉原とかも行ってみれば!?凄いんでしょ?機械類がたくさんあって。」
酒井雄二「…そうですね!では行ってみましょう。」
黒沢カオル「でも、待って!!もしかしたらアイツ等もそれを予測してもう居るかもしれない…。酒井、また違う人間に変装して行って来い!」
酒井雄二「ラジャー!!では、行って参ります!」
ト書き「そそくさと部屋を後にする酒井。」
黒沢カオル「げとさぁ…このバリ怪人、本当に地球征服出来る位のパワー持ってるのかなぁ?喰ってばっかりだし…心配になってきた。」
ナレーション「食欲旺盛なバリ怪人の食べっぷりを見て、少し心配になる悪の提督・黒沢薫。」
村上てつや「……となると、次に酒井が現れそうなのは、秋葉原って感じか?」
北山陽一「そうですね、マークしていても損は無い場所だとは思いますよ。」
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