-ゴスドラマ過去ログ:20001-20100-
村上てつや「でもあんな所で大きな騒ぎは起こしたくないよな…。」
安岡優「でもさぁ、酒井が1人だったら”ケンカ”位にしか見られないんじゃない?」
村上てつや「バカ、相手はなぁ、地球規模のモノを狙ってるんだぞ?そんじょそこ等の奴とは違う能力がたくさんあるんだよ!!」
北山陽一「過去のデータ―から、東京ドーム10個分を吹き飛ばす驚異の爆弾も持ってますし、そこらじゅうを自由に飛びまわりますし、いざとなったら身体を変化させる事だって出来ますからね。」
安岡優「酒井ってロボットなの?人間じゃないの?」
村上てつや「人造人間ってとこかなぁ…。黒沢が考え出した”怪人”とでも言うか…?ともかく人間の想像をはるかに越える力を持ってる。」
安岡優「ナニ?黒沢って親玉はそんなすごい事出来るヤツなの?」
北山陽一「【地球特別指名手配犯NO.5/黒沢薫】ですからね…。この世界じゃ有名すぎて、有名すぎて…。」
村上てつや「こいつを捕まえれば、地球の平和は保障されたも同然!なんとしてでも今回捕まえないとな…。」
安岡優「じゃぁ頑張らないとね」
北山陽一「ひとまず秋葉原に向かいしましょう!何か他に手がかりも見つかるかもしれない。」
村上てつや「うっし。行くぞ。」
安岡優「その前に……二人とも、その格好から着替えてよね。」
村上てつや「似あわねぇ?コレ…?」
ト書き「末恐ろしい事に、二人とも『変身後』の姿で外に出ようとしていた」
安岡優「恥ずかしい。」
北山陽一「ま、流石にこの格好で電車乗るのもどうでしょうねぇ…」
ト書き「バッチの裏のとあるボタンを押すと光に包まれ、2人は元の服装に戻った。」
安岡優「は…れ?そう言えば、まだ僕の服、決まってない…?」
村上てつや「そうだよ、早く決めろよ!!」
北山陽一「黄色ってことで…ライオンの着ぐるみでは?」
ト書き「何故か着ぐるみにこだわる北山。」
安岡優「ヤダ!おいおい考えるから、余計なことを上に言わないでおいて下さいよ!」
村上てつや「ふぇ〜いっとぉ。」
北山陽一「あ、そうそう。服は2つ3つぐらい、種類登録出来るから。所長に登録される前に書類提出しとくんだね。」
ト書き「実を言うと、村上の軍服も北山の着流しも、本人の了解を得ずに所長が登録したものだった。」
村上てつや「あの所長、なんでも勝手なんだよなぁ。人の話なんも聞いてないし」
安岡優「ほんとにそうなんだ・・?直感でそう思ったけど。」
ナレーション「失礼極まりない面々である」
村上てつや「ということはお前の服もすでに作られてる可能性が高いぜ、着ぐるみとかな。」
安岡優「えぇ〜!そんなの絶対いやだよ!」
北山陽一「嫌なら、所長よりも早く行動を起こすんですね……。」
村上てつや「ま、無理だろうが……。向こうと俺らの24時間使用って、明らかに違うからな。」
安岡優「どうしよう…。」
北山陽一「これも運命とあきらめるんですね」
小林社長「おぉ〜いっ、安岡ぁ!」
北山陽一「おや、噂をすれば、なんとやら。」
安岡優「……なんですか、所長。」
小林社長「村上と北山から説明は受けていると思うが……」
ト書き「そう言って、社長が取り出したのはコスチュームのラフ画。」
小林社長「どれが良い!?」
村上てつや「な?言った通りだろ。」
ト書き「村上の言葉に、うんざり、という表情で頷く安岡。」
安岡優「僕の意思を…お願いですから尊重して下さい。こればっかりは。」
小林社長「 ? 」
北山陽一「読まれ易い行動を起こすのはどうでしょう、所長。」
小林社長「そうそう一番上に、これを登録しておいたからなっ。」
ト書き「そう言って、ラフ画を漁りはじめる」
村上てつや「いや…ちょっとは人のハナシ聴けよ。」
安岡優「し…しかも登録済み。」
ト書き「小さく“がびん”と、意識を遠のかせながら安岡は遠い目をした。」
小林社長「今回は良いと思うぞ!安岡はこの中で一番若いしな、ピッタリだと思うが。」
村上てつや「そう言って俺の時も北山のときも無理矢理押付けたよなぁ、所長?」
小林社長「あった、あった!コレだ、どうだ?!絶対に似合うと思うぞ!」
村上てつや「だぁ〜てめぇー!!俺の話を聴けってのがわかんねぇのか!!?」
北山陽一「まぁまぁ、一応所長ですから言葉には気をつけましょう…。で、どれですか?」
ト書き「所長の出したラフ画に目をやる北山と安岡。」
北山陽一「良いじゃん、ヤス!俺の”着流し”よりはマシだぞ!?」
村上てつや「北山は”着流し”の他に”白衣”もあるじゃねぇか、そっち着ればいいのによ。」
北山陽一「研究室に居た時毎日着てたんですよ?飽きるじゃないですか…仕事、しかも正義の味方が白衣って。」
村上てつや「だからって”着流し”着るなよ…。って、オイ!安岡〜生きてるかぁ〜??」
ト書き「ラフ画をみつめ硬直している安岡に声をかける村上。」
小林社長「そうかぁ〜、そんなに気に入ってくれたのか!嬉しいなぁ〜じゃあ、これを着て今回から頑張ってくれ!!ハハハハハッッ!!」
ト書き「安岡のこの姿を見て変な勘違いをし、満足そうに部屋を後にする所長。」
村上てつや「あの所長、何処まで突っ走ったら気が済むんだぁ?オイ、安岡〜シッカリしろ〜!!」
北山陽一「もう”登録済み”って言うのが痛いですね…私でもこればっかりは変更の仕方が分からないものですから…。」
村上てつや「って、俺まだ見てねぇや…どれどれ?!……ゲッ!!……」
安岡優「どうしたのー??」
北山陽一「どうしたの?じゃないでしょ!あなたも一緒に見たんですから。」
安岡優「あっ…これの事ね…。悲しすぎてノーコメントだよ、もう…。」
村上てつや「頑張れ!慣れれば何とかなるもんだ。」
安岡優「他人事だよねぇ…。良いよ?てっちゃんはさ、”軍服”で!確かに色は赤だけど、カッコイイじゃん!!」
村上てつや「…最初は抵抗あったぞ。」
安岡優「センセだって、藍染めの着流しでっそれに白衣でしょっ!?」
北山陽一「3つ、登録出来るって言ったじゃん。3つめは忍者装束よ?それでも良いと言うのかキミは。」
安岡優「うわぁ〜〜〜っ!こんなの嫌だぁ〜〜!」
ト書き「渡された、ラフ画が床に落ちる。書かれていたのは……ホストもかくや、と言う程のアニマルセット。」
北山陽一「まぁ…ヤス落ち着きなさい。」
安岡優「ひ、人事だと思って!!!」
村上てつや「これなら…上は黒のトレーナー着て、下は……こりゃあ何だ?豹柄のパンツって組み合わせ出来るだろ…俺と北山どうにも出来ねぇもんな。」
安岡優「へ?……あ。そっか。もしかして、この中じゃ一番僕が動き易い格好?」
村上てつや「そうらしいな・・・うん。」
安岡優「じゃぁ僕頑張らなきゃ」
ナレーション「…………切り替え早いですね」
北山陽一「じゃあ話もまとまったところで秋葉原行きますよ。」
ト書き「3人は少量の荷物を片手に、秘密基地を出た。」
酒井雄二「『あ〜』……うん。大丈夫。テステス。『本日は晴天なり』……変声装置の具合、中々です。」
黒沢カオル「ちょっと…待って、ほらここんトコ。中の機械見えてる。」
酒井雄二「は?こちらですか?」
黒沢カオル「んっとに。逆!…上向いて…そのまま15秒姿勢保ってろ。」
ナレーション「人工皮膚と、特製のパテで酒井の顎のラインに開いた穴を埋めてやる。」
黒沢カオル「おし。出来た。」
酒井雄二「さっすが…オレのボス……」
ナレーション「鏡を覗き込むと、見事な造詣がそこに映った。」
黒沢カオル「にしても…お前パン屋の前通った時みたいな匂いするんだけど…」
酒井雄二「臭いですか?匂いますか?」
黒沢カオル「それでバレちまったら元も子もない。」
ト書き「スプレーを持ち出して、酒井の身体に振り掛ける。」
酒井雄二「あ…アルコール?」
ト書き「服に染み付いた溶液を嗅いで、酒井は即座にその成分を割り出す。」
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