-ゴスドラマ過去ログ:20101-20200- |
黒沢カオル「リミットは、30分ってとこかな…。それまでに視察は終えて戻ってこいよ?」 酒井雄二「水平OKですっっ!!!菓子パンもお忘れなく!!!」 黒沢カオル「はいはい…他に、何か食いたいもんでもあるか?一人分だと、上手くないから…付き合えよ。」 酒井雄二「宜しいんですか?めにゅうはボスに御任せ致しますよ。では…行って参ります。」 ト書き「ドアの向こうに消えた元・酒井の後ろ姿を見送り、黒沢はいそいそと冷蔵庫の中身を物色しようとして、動きを止める。」 黒沢カオル「…冷凍庫が…消えた。」 ト書き「檻に一番近い場所に置いてあった家電が、コンセントと電線を残しその存在をくらませていた。」 黒沢カオル「……俺達が使ってるのは食うなって…ちゃんと教えただろっ!」 ト書き「怪獣はそ知らぬ振りで、檻の中に放り込まれたリモコンを齧った。」 村上てつや「なぁ…酒井とヤスって、何処でどう知り合ったのよ。」 安岡優「ぁえ?」 ト書き「財布をポケットに押し込んでいた安岡が不意に話し掛けられて、質問した村上を見た。」 安岡優「酒井さんとは……最初、本屋で本を譲ったとこから…かな。」 北山陽一「何の本?」 安岡優「『宇宙人の死体写真集』…とその続刊。」 村上てつや「なんだそりゃ・・・」 ト書き「二人はそれを聴いて、酢を飲んだような表情になる。」 安岡優「初刊はね、3枚しか写真が載ってなくて…それも全部インチキなの。」 北山陽一「写真集じゃないですよ。それ。」 安岡優「なんだったっけ…『猿の尻尾を切り落としたものだった!』とかさ…写真集じゃなくて宇宙人に関わってしまったが為に人生の破滅を迎えた人の話が載ってる本だよ。」 村上てつや「それの続刊を酒井に譲って…それから?」 安岡優「それから〜…就職前だったし、図書館行ったら…又会っちゃったんだよね。」 村上てつや「と、しょかん。」 北山陽一「酒井が?」 安岡優「一日にこんな、会うのは珍しい……だったかな、とりあえずそう言われて少し話した後にそのまま、バイバイ。」 北山陽一「ナニかの…って、想像は付きますが。多分地球における歩き方みたいなのを独学してたんでしょう。」 村上てつや「外殻変えて、元の酒井だった時の記憶をうつす前…ってトコか?」 安岡優「酒井さんって…ホントに機械なのかなぁ…まだ信じられないや。」 北山陽一「コードネーム『LOVE MACHINE』って載ってるし。」 村上てつや「名前どおりの行動をする奴じゃなくて良かったな!まぁ、それだったら俺らがぼこぼこにして、再起不能にしてたかも知れないけどな。」 安岡優「…それって、妬み?ま、それが無かったから、僕も酒井さんと会えた訳だしネェ…」 ト書き「今までの会話を思い出したのか、安岡は複雑な表情で溜息をついた。」 北山陽一「よっぽど、話が弾んだんですかね…」 ト書き「三人は神妙な面持ちで、総武線の黄色い電車の中で揺れていた…」 酒井雄二「‥‥いや、これは……しかし。」 ト書き「人と家電専門店の多さに、酒井は気押されていた」 酒井雄二「これほどまでとは…。ボスを連れてこなくて良かった。あの人だったら絶対に迷子だ。」 ナレーション「今頃、ベターにくしゃみなどしていそうな黒沢を思い浮かべ、酒井は苦笑した。」 酒井雄二「これだけの家電を保管している倉庫も何処かしらにあるはずですからな…さて。」 ト書き「とっくり頷くと、酒井は周囲の歩調と合わせて歩き始めた。」 ナレーション「同時刻。」 安岡優「あ。これ安っ〜い。」 ト書き「おもむろに一店鋪の店先で足を止める安岡に、先を歩いていた村上と北山が又かという表情で歩みを止める」 村上てつや「お前な…仕事中なんだぞ?そういうの自覚してんのか」 安岡優「してるよ〜。でもさ、こんな安いのめったにないよぉ」 ト書き「やれやれ・・といった表情で安岡を見る北山」 北山陽一「お仕事終わってからにしなさい…っても駄目か。もし酒井と戦闘する事になって、巨大化されたらここいら全壊だしね」 村上てつや「買っても荷物になるし、買わなくても全壊って事だな。どの道とっても蛇の道だから諦めろ、ヤス」 安岡優「そんなぁ〜……新しいプレーヤー欲しかったのに‥」 北山陽一「はいはい!我々お役所(仮)は5時までかっきり御仕事しましょう!それ以降は残業手当付きそうもありませんから、時間は有効にっ!」 ト書き「両手を打鳴らし、北山は安岡の背中を押す。」 村上てつや「…?……何か良い匂いすんな…。」 北山陽一「村上さんっ!行きますよ!?」 ト書き「もう一度確かめようと思ったものの、香水のきついおねぇちゃんによって、その匂いはかき消された。」 村上てつや「ケッ、香水使わなきゃ色気でねぇのかよ?!」 北山陽一「あなたも付けてるんですから、文句は言わない。都合のいい時だけ嫌いになるのはやめなさい。」 安岡優「けどさぁ〜これだけ人が多いと全員怪しく見えるよねぇ。」 村上てつや「どうすりゃいいんだよなぁ…ったく。」 ト書き「ポケットに手を突っ込み半ば諦め顔の村上。」 酒井雄二「ここら辺のお店は結構良いのが揃ってるなぁ…」 安岡優「わぁっ!!」 酒井雄二「ぅああ!」 ト書き「お互い余所見をしていて」 ナレーション「勢いよくぶつかった、安岡と酒井。」 北山陽一「余所見して歩くんじゃないよ、ヤス…スミマセン、大丈夫ですか?お怪我は…?」 酒井雄二「ぁぁあ…イヤ、大丈夫です…。こちらこそ、スミマセン。…(こいつ等も、もうここに来ていたのか…バレてないよな?)…。」 村上てつや「本当にスミマセン、このバカ!が…。ほら、行くぞ!」 安岡優「待ってよ〜てっちゃん! ホントにごめんなさぁい。」 ト書き「先を歩く村上を追いかける安岡と北山。」 酒井雄二「…(バレてない…変装完璧じゃないですか、ボス。)…そうだ!」 ト書き「携帯を取り出しかけ始める酒井。相手は勿論ボスの黒沢。」 酒井雄二「ぁっ、もしもし酒井ですが…。」 黒沢カオル「”酒井”だとバレるだろ?!他の名前にしろよ…ところでナニ?」 酒井雄二「スミマセン…。 で、実はいまヤツ等と接触したんです。」 黒沢カオル「バレたか?」 酒井雄二「いいえ、変装は完璧です。ココで提案ですボス、ヤツ等を後を追って行動を確認しようと思うのですが…。」 黒沢カオル「全部お前に任せるよ、くれぐれも怪しまれないように、良いな?」 ト書き「電話を切った酒井は、村上などが向かった方向に足を進めた。」 安岡優「さっきの人大丈夫かなぁ…?」 北山陽一「大丈夫って言ってたんだから大丈夫なんじゃない?!」 村上てつや「お〜い、二人とも。んな事言ってないで、早くこいよ!」 安岡優「うん…。」 ト書き「後ろを振り返りさっきぶつかった人を気にしつつ、村上の後を追う安岡。」 酒井雄二「なんだか気にしてるなぁ…バレないように、そっと、そっと・…。」 北山陽一「アッ!このパーツ探してたんだよなぁ〜しかも値段も手頃だ。」 村上てつや「オイ…北山まで…。…?!」 ト書き「振り返っり際に何か気になる影を見つけた村上。」 安岡優「どうしたの?てっちやん。」 村上てつや「あ」 安岡優「『あ』?!って…てっちゃ〜ん、もしも〜し!」 村上てつや「あぁ…イヤ別に…(気のせいか?)気にし過ぎか…。」 北山陽一「チョット失礼します!すぐ戻るんで。」 安岡優「ずぅるぅ〜いぃ!!北山さんだけ!俺も買って来る!」 ト書き「北山の後を追い店内に入っていく安岡。」 村上てつや「オッ、オイ!仕事中だぞ?!?ったく…自覚しろよなぁ。」 ト書き「店の外の壁に寄りかかりタバコを吸い周りを観察する村上。」 村上てつや「…(黒沢の目的は地球征服…精密機器の使い道は…酒井と同じロボット、怪人のためか…?)…わかんねぇ…。」 佐々木真理「あれ?村上君?ど〜したの?久しぶり〜。」 村上てつや「あれっっ??」 ト書き「秋葉原に出くわしそうにない真里さんと出会い、驚く村上。」 |
[TOP|NEXT|BACK] |