-ゴスドラマ過去ログ:20301-20400-
黒沢カオル「30分で戻って来ないからだよ…アレで捕まったら元も子もないだろ。で、見つかった?」
酒井雄二「はい、たくさん!!もう”秋葉原”は宝の山状態です、夜に忍び込めば完璧です!」
ナレーション「その頃、秘密基地に戻った正義の味方の3人は」
村上てつや「ったく…黒沢は動くたびに色んなもの開発してくよな…。」
北山陽一「何気に頭が働く…さすがですね、遣り甲斐があります。」
安岡優「でもあんなの毎回やられたら一向に捕まらないよぉ!?」
村上てつや「いつか黒沢もボロを出す、その時に捕まえるんだよ。」
北山陽一「また”秋葉原”に現れるのは間違いないとは思いますが…どうしますか?リーダー…。」
村上てつや「今回の黒沢の考えてる事が読めないからな…”地球征服”はわかってる、でも何を使うのか何を企んでるのか…まったくわかんねぇ。」
安岡優「ねぇ、北山さん。黒沢の過去の地球・宇宙犯罪データーって出る?」
北山陽一「あぁ……。 これでいいか?何か思いついたの?ヤス…。」
安岡優「てっちゃんは黒沢の顔とか見たことあるの?直接接触した事とかさぁ…。」
ト書き「パソコンに映されたデーターを見ながら村上に話し掛ける安岡、その顔は今まで見たことも無い真面目で真剣な顔だった。」
村上てつや「高校の頃な……」
安岡優「え?ってまさかクラスメイトだったり?」
北山陽一「それは初耳です。」
村上てつや「ってか、親友だったんだよな……。」
安岡優「えぇぇぇぇ〜!!」
北山陽一「安岡、驚きすぎ!」
安岡優「驚くでしょ、普通?悪の提督と地球防衛軍のリーダーが親友なんだよ?!」
北山陽一「世の中ってのは何があるか分からないもんです。」
ト書き「裏手突っ込みを行い、北山は村上へ視線を向ける。」
北山陽一「で、村上さん。黒沢はその頃から世界征服なんて物騒な思考を持ち合わせてたんですか?」
村上てつや「いや…。俺の知ってるあいつは平和主義で虫も殺さないような奴だった。」
安岡優「そんな人がなんで『悪の提督』なんて呼ばれるようになったのさ?」
村上てつや「俺にもわからねぇんだよ!あいつ本当はすっげぇ優しい奴なんだよ!なのに…。」
北山陽一「…落ち着いてください。あなたがしっかりしなくてどうするんですか!」
安岡優「ナニかしら、考え方を変える出来事でもあったのかなー…黒沢さん」
ト書き「熱いコーヒーに顔をしかめ、安岡は呟いた。」
北山陽一「というと……元来、肉も食えるはずの人が唐突に菜食主義になるような?」
村上てつや「…どこをどうまかり間違ったら、『地球征服』なんっつー考え持つようになるんだよ。」
北山陽一「天才の考えることは凡人には分からないもんですよ。」
ナレーション「一方、その天才のアジトでは…。」
酒井雄二「ボス、この肉じゃが美味いっす!!最高っす!おかわり!!」
黒沢カオル「はいはい、まだいっぱいあるからな!そんなにがっついて食わなくても…。」
酒井雄二「いや、しかしボスの作る飯は最高ですな!」
黒沢カオル「ありがとう、酒井!いやぁお前に飯を食う機能を付けといて良かったよ〜。飯なんて一人で食ってもうまくないもんなぁ。」
ナレーション「……なんともアットホームな雰囲気ですね。ホントに『悪の提督』のアジトとは思えません。」
黒沢カオル「うるさいよ、ナレーション!」
酒井雄二「それはそうと…。やはり決行は今夜ですかな?」
黒沢カオル「だね。向こうに姿を見られたんだし、少しでも早い方がいいだろう。」
酒井雄二「申し訳ない…。」
黒沢カオル「いいよ、今夜は俺も一緒に行くからな。」
酒井雄二「え?いや、ボスまで出向くことは…。我輩ひとりで大丈夫ですよ。」
黒沢カオル「だめ!あいつらだって俺達のねらいにそろそろ気付いてると思うからさ。いざって時は一人より2人の方がいいだろ?」
酒井雄二「ボス!!」
黒沢カオル「それに…久しぶりにあいつの顔を見たくなったし…。」
酒井雄二「あいつって…誰ですか?」
黒沢カオル「内緒!さ、さっさと食って出かけるぞ!」
酒井雄二「ムム……ちいとばかし嫉妬……」
黒沢カオル「?なんか言ったか?」
酒井雄二「いえね、あんたにとってオレがどれだけの存在だろうと、オレにとってあんたは絶対的なもので、なんつーか…あんたがオレの世界で…。」
ト書き「一生懸命言葉を探せば探すほど、言葉が出なくなる酒井。」
黒沢カオル「(にっこり)わかってるよ。酒井。それに怪獣バリK〜んも連れて行くんだし。怪獣のお守りは俺がしないとダメだろう?」
ナレーション「本当にわかってんでしょうかねぇ?この‘悪の提督’サンは。あぁ、不憫やの、酒井さん・・・」
酒井雄二「……わかりました。一緒に行きましょう。(ボスの言う‘あいつ’も気になるし…見つけたら一発殴るかも…?)」
ナレーション「と、かなり嫉妬ぎみの酒井・・・だった・・・」
黒沢カオル「洒井!しっかり食えよ。」
酒井雄二「あんたのもんなら何だって食ってやるさあああああ!!!」
ナレーション「その頃、村上は、高校時代の黒沢とのことを思い出してた。」
安岡優「……てっちゃん、何か静かだね…。」
北山陽一「そうですね。」
ト書き「何事もないかのように、北山は淡々と答えた。その手には数個のボタンやビー玉が掴まれている。」
安岡優「心配じゃないの?」
北山陽一「あの人には、ああいう面もあるんです。…ヤスの目には、活発そうな人間に見えてたから、普段と違う面を見て、不安になったんでしょう?」
安岡優「…心配する事じゃ…ないって事なのかなー…。」
北山陽一「心配はどれだけ重ねても良いモンですよ。ただ、した本人の取り越し苦労に終わるか否かってだけで。」
安岡優「そっか〜。まだまだ僕の知らないてっちゃんが居るんだねぇ。」
北山陽一「人生・多面体、ってトコロでしょうか。」
ト書き「話を続ける二人を後目に、村上は色んな事を思い出して、鬱な表情を浮かべていた。」
村上てつや「はぁ…。」
黒沢カオル「てっちゃん!!あんまり寝てると留年するよ!!」
村上てつや「うるせぇ……ノート頼んだぞ…zzzzzzz」
黒沢カオル「ったくもう、バカてつ…」
ト書き「村上、黒沢のご両人は高校生、詰襟を着ている。」
黒沢カオル「てつ…部活ばっかり出てないで少しは勉強しろよ…。」
村上てつや「いいんだよ!俺の将来サッカー選手!数学は使わないんだよ!」
黒沢カオル「将来も良いけど、1週間前ぐらい真面目に数学とかの勉強もしろよ。」
村上てつや「俺にテストは必要ない!お前のカンニングすればそれで良し!」
黒沢カオル「はぁ…てつの将来が不安になるね…。はい、ノート。」
村上てつや「おっ、サンキュ!ナンダカンダ言ってもお前はやってくれるからなぁ、助かる。」
黒沢カオル「てつと一緒に卒業したいもん…1人で卒業はしたくないよ。」
安岡優「…ちゃ〜ん…てっちゃ〜ん!!もしもぉ〜し!」
ト書き「思い出の中に突然入ってきた声にふと我に帰る村上。」
村上てつや「…なんだよ…。」
安岡優「うん!?ぅん…元気ないから、疲れてるのかなぁ?って思って…。」
村上てつや「イヤ別に…。で、国家公務員目指してる安岡君?なにか良い案は見つかったのか?」
ト書き「ぎこちない振る舞いに『素直じゃないな』と安岡は思った。」
安岡優「過去のデータから見ると大体深夜に襲うケースが80%なんだ…だから今回も”深夜”の反抗が1番適当かなって。」
北山陽一「”犯行”だよ、ヤス。 俺もそう思いますが…リーダー?」
村上てつや「今日下見して…裏をかいて…今日かな遣るのは、黒沢なら…。」
北山陽一「じゃあ、早速ですが行きますか!!」
村上てつや「…なぁ、もし捕まえたらどうなるんだ…?」
北山陽一「”宇宙警察・地球支部”の方で処分されるんじゃないですか?」
村上てつや「連れて行くまでに時間あるよな?」
北山陽一「【捕まえて今までの犯行をあやふやにして、黒沢を助ける】なんて事は絶対にしませんからね!」
村上てつや「わかってるよ!俺だって仕事はシッカリやる…けど黒沢があんなに成るにはなんかしらの理由があると思うんだよ…。」
安岡優「地球防衛法、第32条・犯人への同情心は何があっても持ってはいけない!…例えそれが身内や知人であっても…。」
村上てつや「”我々は地球を守る1人の者として、どんな時でも正義・平和の心を忘れず任務を必ず遂行する!”…だろ、わかってるよ。」
北山陽一「納得いかないでしょうが、黒沢が起こしている事は人類にとっても危機になりかねない事なんですよ?親友を救いたい気持ちはわかりますが、あなたのココまでの熱い意志や気持ちなどを忘れてはいけません!」
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